サッカー素人haroの英国イングランド、プレミアリーグ観戦記

サッカー素人の地方在住のおっさんが、自分がただワールドカップを楽しむために始めたブログです。もっと理解できるようになりたいので、サッカーの詳しい方、そうでない方もコメントよろしくお願いします。

2018 FIFA W杯 Group Bモロッコ王国 vs イラン・イスラム共和国 試合後感想

アミヌ・ハリト、バヒド・アミリは意外でしたね。

初戦なのに、ともに攻撃的に行くようです。

ロッコは、本来右のWGを務めるノルディン・アムラバトが右のSBで出場です。

そして、本来中盤を務めるアミヌ・ハリトを左サイドで、普段左のWGを務めるジエクを右のWGで起用してきました。

ハリトが中盤の組み立てを助けるのか、FWとして崩しや得点を期待されているのか、見ていきたいと思います。

守備では不安が残ります。

攻撃陣のネガティブ・トランジッション時の動きが鈍く、全体としてもプレッシングの連動性も低く、カウンターに弱いようです。

一応陣形をコンパクトに保とうとするために最終ラインも高くなりがちで、その時はベナティアの戻るスピードに頼りがちです。

正GKのムニル・モハメディもあまり飛び出さないタイプなので、広大なスペースをべたティア一人でなんとかしてきました。

ボール回しは巧みなので、守備が整備されれば、グループリーグ突破も見えてきます。

一方イランは、アジア最強の攻撃陣を誇っています。

オランダ、ギリシャ、イランリーグの得点王がいて、いずれもサイドアタッカーです。

ジャハンバクシュ、アンサリファルド、タレミの三人は、アジアのレベルを超えたフィジカルの強さを持ち、サイドを駆け上がり、フィニッシュまでこなします。

 少しづつスタイルが違いますが、ユナイテッドにいた頃の、ロナウドに似てますね。

ケイロス監督には、このうちだれを先発で使うのか、だれがスーパーサブで機能するのかを見極めてほしいと思います。

左にタレミで来ると予想していたのですが、エザトラヒが最終予選からの出場停止ということで、共に左サイドアタッカーアミリとアンサリファルドですが、前者をインサイドレフトで、後者を左サイドで使ってきました。

アミリはセンターの守備ができるのでしょうか、みていきたいと思います。

またエースストライカーのアズムンは、ロシアリーグで活躍しています。

ホームで戦える第二戦を前に、この試合でもエンジン全開で飛ばして欲しいです。

~前半開始~

ロッコはやはり、両SBを上げてきました。

オランダリーグに所属している選手が多いことからも馴染みやすい、4-3-3を採用してワイドに攻めてきました。

いつも通りといえばそうなのですが、初戦とは思えない、大胆な攻めです。

イランがカウンターを得意にしているので、非常に強気だと感じました。

いきなり奇策できました。

CKも工夫しています。

一方、イランは逆に危ないですね。細かいミスが連鎖しないことを祈るばかりです。

落ち着くまで失点しなければ、面白いゲームが見られそうです。

前半11分の、イランのセットプレイは面白かったです。

左SBを務めている、ハジサフィのロングスローかと思わせておきながら、ショートコーナーから反転してすぐにGKとDFの間に早くて高いクロスボールでした。

ロッコは大きい選手ばかりですが、イランはアズムン(186cm)が狙えそうなときは、シンプルに高さを活用するようです。

GKからのロングフィードも、重要な武器になりそうです。

アミリはどうやら、原口のような動きをしています。

ドリブルで起点を作ることもできるのですが、アタッカーにしては献身性も備えているため、後方の守備もこなせるようです。

彼自身が、後半まで攻撃の仕事ができる体力が残せるか分かりませんが、こういった選手がいると、チームは助かります。

前半19分のカウンターも、素晴らしかったです。

狙った形ではなかったかもしれませんが、ボールが良い感じにこぼれてくることは、あることです。
ものにしたいチャンスでした。

これを機にイランの流れになってきました。

ロッコは、用意してきた奇策は通じませんでしたね。

これ以上は、自分たちで修正する力もないようです。

それとも監督が戦術でぎゅうぎゅうに縛り付けてしまう人なのか。

前半30分が過ぎるころには、イランの選手も慣れてきて、のびのびプレイするようになり、モロッコの選手が確信が持てなくなっていくのと比べ、対照的でした。

前半42分の速攻は、迫力がありましたね。

イランのエブラヒミとモロッコのエル・アフマディは共にアンカーを任されていますが、役割が違います。

エル・アフマディはゲームメイクまで期待されていますが、エブラヒミはボール奪取に専念できています。

このカウンターも、彼の力強いボール奪取からでした。

ボール捌きはショートパスばかりですが、ミスが無いので計算できます。

完全に内容はイランに傾いていますね。

ロッコはハーフタイムまで逃げ切ることに成功しました。

体力を回復するのも大事ですが、完全に戦術を練り直しです。

といっても複雑な戦術を表現できるかは分かりません。

シンプルな約束事でいいような気がします。

ハリトを外して、キープ力のある、ソフィアン・アムラバトかモチベーターになれる、ファジルを入れた方がいいかもしれません。

まずはキープだと思います。

このままだと、20分に一回は、精度の高いイランのカウンターが炸裂します。

後半の、最初の5分が勝負です。

あとは途中交代の選手にまかせましょう。

逆にイランは、このままでいいと思います。

~後半開始~

後半4分、イランが再びカウンターですが、またアズムンが潰してしまいました。

どんなに良い選手でも調子が悪い日はあります。

幸いイランには代わりがいるので、代えてしまっていいのではないでしょうか。

後半10分過ぎ、モロッコが回してイランが耐える、前半と同じ展開が繰り返され、硬直状態になってきました。

局面だけ切り取れば緊張感はあるのですが、モロッコアタッキングサードで仕掛けないようになってきたので、ただただ時間が過ぎていきます。

セットプレイさえ獲得できれば、ベナティア(189cm)、サイス(190cm)を軸に、マッチアップでは優位に立てるはずです。

仕掛けるべきだと思います。

ハリトのドリブルはあったのですが、無謀でした。

シュートで終わらなければいけません。危険でした。

後半20分、ついにタレミが来ました!

イランのイブラと呼ばれる、大型ストライカーです。

正直、モロッコが動いてからでよかったのですが、先に動きましたね。

ロッコは万能型FWのブタイブ、ドリブラーのカルセラに出番はないでしょうか。

この交代以降、イランの猛攻が始まりました。

エブラヒミのボール奪取も、カウンター対策として機能し、それに拍車を掛けます。

後半30分、W杯史上初の兄弟交代です。

弟のソフィアン・アムラバトはアンカーと右SBができる選手で、このタイプがこの時間に投入されるときは、クローザーとしての機能になります。

うすうす感じてきましたが、モロッコは引き分け狙いのようです。

先ほどエジプトが引き分けを狙って、痛い目にあいました。

しかし、今回はスコアは動かなそうです。

ほとんどの選手が、動けなくなっています。

とはいえ、今回もロスタイムが長すぎないでしょうか。

エジプトウルグアイ戦が5分。この試合が6分もあります。

共にしっかり構築された好チームでしたが、決定力に泣きそうです。

と思ったら、入ってしまいました。

後半49分、イランの得点です。

ロッコのブハトゥズの、オウンゴールでした。

無理だと思いますが、あと二戦あるので、せめて、タレミのゴールということにしてほしいです。

~試合終了~

ロッコはいける時にいかなかったのが、敗因です。

オウンゴールの遠因となった、ソフィアン・アムラバトのファウルだけを責めることはできないと思います。

ルナール監督も、しっかりとしたいいチームは作ってきましたが、この90分でのこれといった采配は見られませんでした。

これがチームの限界なのか、あと二試合みせていただきたいと思います。

一方イランはやりましたね。

まだそのすべてを見せてはいませんが、中盤の圧力と、カウンターの鋭さといったものの片鱗は見えてきました。

グループリーグ突破のチャンスです。

この勢いで、是非それを成し遂げてほしいと思います。