Group C ペルー共和国 vs デンマーク王国 展望
フランス一強といわれるグループで、もう一つの席を決める注目の一戦です。
ペルーは南米らしく、中盤に技巧派をそろえています。
サンパウロで10番をつけるクエバ、左利きのウインガー・フローレス、大会後はバレンシアに移籍するうわさもあるタピア、左SBもこなせるヨトゥン。
この4人で”ペルーのティキ・タカ”をつくってきました。
タピア以外は、170cm前後の小柄な選手たちで、セットプレイに不安を残しています。
ヨトゥン、タピアの読みの鋭いインターセプトに頼ることになりそうです。
ストライカーは、ゲレーロが出られることになり、ファルファンとの2トップに期待が高まります。
どちらかといえば、ゲレーロは途中出場にして、万能型のルイディアス(168cm)がファルファンと組んでくれた方が機能しそうな気もしますが、そうなるともともと低い平均身長がさらに低くなってしまいます。
デンマークは今大会屈指の高さを誇っているので、セットプレイだけでなく、ただのロングボールですら一方的に押し込めてしまいます。
救いは、ペルーはセットプレーのキッカーが左右それぞれ何人かいるのに対して、デンマークはエリクセンただ一人です。
彼が不調になるだけで、デンマークは攻撃力が大幅に減退してしまうでしょう。
そのデンマークは190cm前後の選手がごろごろいます。
特に危険なのが、CFのヨルゲンセンと右WGのポウルセンです。
それぞれかつてセリエAで活躍した名選手とは別人の、若い選手です。
二人とも高さがあるだけの選手ではないので、コンビネーションを高めれば、デンマークの躍進もあり得ると期待させてくれるコンビになっています。
ともあれ、エリクセンです。
バロンドーラ―、アラン・シモンセンと並び称される、デンマーク史上最高の司令塔です。
ペルーの中盤に翻弄されないために、いかにエリクセンをサポートするかが勝負の分かれ目です。
しかし、いっそ全くサポートしないもありかもしれません。
デンマークは左WGにカウンター向きのシストを配置しています。
彼はまだ、代表ではほぼ結果を出していませんが、その速さは魅力です。
中盤をすっ飛ばして、ロングカウンターのみになれば、ペルーも中盤の支配力を発揮できません。
エリクセンが全くボールに触れなくなっても、激しくボールが互いのゴール前に行きかう展開は、デンマークの望むところでしょう。