Group D クロアチア共和国 vs ナイジェリア連邦共和国 試合後感想
ナイジェリアは誤解されがちですが、身体能力一辺倒のチームではありません。
イウォビやモーゼスがいるのにも関わらず、ロングカウンターはオプションなんです。
中盤を軸に、短い距離でのパス回しを志向しているようです。
CFイガロは豪快なフィニッシュができますし、両WGは速いので、ゴールから逆算するならロングカウンターをメインにした方がいいように感じます。
でも、最終ラインが不安定なので、時間を潰すため(ごまかすため)にティキ・タカのようなものを始めました。
しかしアンカーの両脇、もしくは両SBの裏のどちらかがが空きがちです。
ディフェンスをカバーするために始めたパスサッカーのせいで、陣形がコンパクトになり、最終ライン裏に広大なスペースができてしまいました。
本末転倒です。
これを解決するには、完全に攻守分業するのが良いと思います。
間延びすることになりますが、守備陣は組み立てに参加させなければ、最終ラインの裏はやられなくなります。
後はその、攻守の人数バランスを見極めるだけだと思います。
あらかじめ練習してこないと、難しいかもしれませんが。
一方、クロアチアもスター軍団ですが、ナイジェリアと同じで前線と中盤に多くタレントを抱えています。
しかし、ナイジェリアは中盤も守備型が多く、クロアチアはゲームメーカーばかりです。
同じタイプに優秀な選手が多く、ざっくり見ても、細かく見てもバランスが悪いところはよく似ています。
共に細かいパスワークを繰り出しがちなので、南米のチームを見ているような、テンポのゆっくりしたゲームになるのではないでしょうか。
~前半開始~
まさかとは思いましたが、クロアチアが攻撃陣を大量投入してきました。
互いに打ち合いになれば、危機察知能力に優れるモドリッチの機転で解決する気です。
これでテンポの速い、カウンターを繰り出しあう派手なゲームになる予感がしました。
攻撃陣には、クロアチアのバロテッリ、という異名を持つレビッチもいます。
まさに時限爆弾。大胆というか、狂気を感じる采配です。
緒戦なので、安定感を求める監督も多い中、捨て身で襲い掛かってきました。
しかししばらく経ってから、よく観察すると、ギリギリ成立している采配であることが判ってきました。
クロアチアは最終ラインが高さで概ね勝てるため、ナイジェリアのロングボール戦術を潰せます。
グラウンダーのロングカウンターはありますが、互いにゴール前でのプレー時間が増えるなら、前述したモドリッチの機転、守備で打ち勝てるという見込みでした。
不安定なので、点の取り合いになるのかなと思いましたが、クロアチアは先制したとたん、パスワークで時間を潰し始めました。
ここでもモドリッチです。今度は守備力ではなく、キープ力でお茶を濁し始めました。
互いにディフェンスに難を抱える両チームですが、モドリッチ一人にゲームを支配されていました。
~後半開始~
ゲームが落ち着いてしまいました。
ナイジェリアの高さは、バログンなら勝てる見込みがあることが判りました。
セットプレイに活路を見いだせそうです。
互いにチャンスがないわけではないのですが、想定よりは大分少ないです。
ブロゾビッチが入って、中盤はさらに厚くなってしまいました。万事休すか。
クロアチアあるあるですが、この試合一言でいうなら、モドリッチ無双でしたね。