2018 FIFA W杯 Group B スペイン王国 vs モロッコ王国 試合後感想
暫定ではありますが首位のスペインと、敗退が決定したモロッコの対決です。
今試合の会場となるカニーリングラードは、今大会最も寒い会場となります。
お互いパスサッカーを得意にしているので、熱すぎるよりは持ち味を出しやすいと思います。
スペインは引き分ければグループリーグ突破になりますが、負ければ分からなくなるので、あまりメンバーを落とせません。
唯一の変更点である、チアゴがW杯初先発ですね。
チアゴはブスケッツの代わりができる貴重な選手で、チャビの後継者ともみなされています。
バイエルンでは、CHだけでなくトップ下としても活躍しました。
中盤中央では何でもできるのですが、肝心のブスケッツがダブルボランチができるようなったかは、分かりません。
いつも以上に、気を付けてほしいと思います。
しかし、チアゴの先発には大賛成です。
正直、なぜイスコが使われて、チアゴが控えなのか理解に苦しむところがありました。
イスコにできることは、ドリブル以外は全てチアゴもできますし、パスサッカーにおいては、イスコは邪魔でしかありません。
足元の技術は微差だとしても、頭を使う仕事に関しては、雲泥の差があります。
一方モロッコは、今大会はもちろん、20年ぶりの勝利に向けて全力で戦うだけです。
ベナティアが出れないのは残念ですが、それ以外はフルメンバーで、挑みます。
既にヨーロッパで活躍している選手も多いですが、オランダやベルギーなど欧州のトップレベルから一つ下のランクでプレーしている選手も多いです。
是非この試合を飛躍につなげて、今後のレベルアップにつなげてほしいです。
~前半開始~
モロッコの前線からのプレスが、機能しています。
敗退は決まってしまいましたが、気力は充分なようで安心しました。
逆にスペインはブタイブ、ノルディン・アムラバトといったキーマンには厳しくマークにいっています。
いきなりモロッコが先制です。
前半14分の、ブタイブによるデ・ヘアの股下を抜いてのゴールです。
イニエスタのパスミスか、セルヒオ・ラモスのトラップミスによる失点でした。
スコアは動きましたが、モロッコはこれまで通り、最終ラインにまでプレスをかけるようで、構図は変わりません。
前半19分、イニエスタによる妙技で、スペインが得点です。
最後押し込んだのは、イスコでした。
イスコは巧いのですが、ボールを持ちすぎです。
今大会に参加している全選手の中では、上手さではかなり上位に入るでしょう。
しかしスペインの中盤ではイニエスタ、シルバ、ブスケッツより確実に下です。
自己満足のオナニープレイは、所属クラブでは許されるかもしれませんが、代表では力関係を理解したほうがいいと思います。
決まった後スペインの選手たちがイスコではなく、イニエスタに抱きついていたのが印象的でした。
スペインが一方的にポゼッションしているのですが、モロッコも効果的にカウンターを繰り出せているのが、素晴らしいです。
それだけに、エル・アーマディとノルディン・アムラバトがカードをもらってしまったのが痛いです。
スペインはほぼ進出を決めているため、怪我人を出したくないので、あたりを避けてきます。
とはいえ、モロッコは前線からの激しいプレスがカウンターの起点になっているだけに、もうすこし上手にボール奪取しないと、チャンスがありません。
そもそも、スペインの攻めが激しく、全てを受け止めきれるものではありません。
奪ったら、早めに逆サイドに展開して、セットプレイを獲得するほかないかもしれません。
その為には、勇気を出して、SBが上がるしかないと思います。
スペインがイニエスタを中心に、モロッコから見て右サイドでボールを回してくるので、上がるべきSBは左だと思います。
~後半開始~
後半1分、ピケにあたったボールはハンドだと思うのですが、イエローカードはおろか、VARすらしませんでした。
前半あれだけモロッコの選手には気前よくイエローカードを出していた審判とは、同一人物とは思えません。
後半9分、ノルディン・アムラバトに素晴らしいシュートがありました。
お互い様ですが、ゴール前にもかかわらず、プレスの効きが甘い感じがします。
後半13分のアムラバトのイニエスタに対するファウルは、イエローカードが妥当な感じがします。
だとすると、彼はすでに一枚もらっているので、退場ということになってしまうのですが、それも止む無しといえる反則だったと思います。
ゴールから30mのPKエリアの脇の位置だったのですが、モロッコの守備はファウルがきつすぎるか、間合いを空けすぎるか極端な守備になってしまっています。
後半17分、外れてしまいましたが、ピケの素晴らしいヘディングがありました。
ヘディングは額でするものであり、頭の頂点でするものではないのと教わると思います。
しかし、どうやったのかは分かりませんが、このプレーのように、頭の上に載せるようなヘディングでも巧みさがあれば、良いシュートを打てるみたいです。
彼はもともと、セオリー道理のものではなく、テクニシャン特有の、独特なシュートを打ちます。
それでも彼はよく入れてきたので、問題ないのです。
後半25分、ブタイブに代えて、エン・ネシリの投入です。
21歳の彼には、正直この試合ではなく、将来のための投資です。
後半28分、チアゴに代えてアセンシオの投入です。
決定的な働きができないプレーヤーではないのですが、引き分けの為に運動量としての投入になってしまいました。
この直後にイスコが余計なファウルをしてFKを与えてしまっていたので、彼に代えて投入するべきだったかもしれません。
後半35分、再びピケのファウルです。
おそらくPKだったのですが、またもや流されました。
VARはどこにいったのでしょうか。
しかし、このプレイで得たCKで、モロッコが勝ち越し点です。
エン・ネシリが結果を出してくれました。
こんなことならこれまでの二戦で使ってみるべきでしたね。
アセンシオもこの年齢にしては完成されているのですが、フットボールIQにまだ問題があるのでしょう。
技術的には大体のことが出来るようなので、監督コーチからの指示も曖昧なのでしょうが、もう少し役割を限定させてあげた方がもっと効率的に、賢くプレイできると思います。
後半38分、シルバに代えてロドリゴ、チィエクに代えてブハトゥズの投入です。
後半44分、スペインが追い付きました。
CKから、イアゴ・アスパスの巧みなゴールです。
一度はオフサイドで取り消されたのですが、VARで確認後、認められました。
しかし、そもそも逆側のコーナーから蹴っています。
オフサイドかどうとかではなく、これは無効にすべきです。
ルール上認められないものであり、公然と人をだます、詐欺行為です。
認められていいものでは、ありません。
全く理解できませんでした。
試合後でいいので、FIFAは誤審を、ミスを認めていただきたいです。
フットボールに対する、激しい侮辱以外の何物でもありませんでした。
~試合終了~
2-2の引き分けでした。
共にポゼッションを基調とする両チームですが、はっきり言ってモロッコが優勢でした。
最後は主審にゲームを壊されてしまい、後味は最悪でしたが、今後につながる素晴らしいゲームを披露できたと思います。
ともあれ、FIFAはこの試合を捌いた、主審のイルマトフさんとVARのドイツチームに、今大会このあとチャンスを与えるのかも注目です。
また、なにかしら声明を出して欲しいです。
まず、審判も人間なのでミスをします。
多分何もしないと思いますが、任命責任はあると思うので、出来れば誤審をFIFAの責任にして、彼らの今後のキャリアを守って欲しいです。