2018 FIFA W杯 デンマーク王国 vs フランス共和国 試合後感想
フランスはグループリーグ突破を決めて、今日は大胆に6人もメンバーを変えてきました。
攻撃陣には、影のエースであるルマールと、若手のデンべレを起用してきました。
デンべレは初戦も活躍したのですが、攻守バランスをとるために割を食った形です。
ボランチには、スタメンの二人が持たない展開力と、フィジカルに優れたエンゾンジを、CBの一角には最終ラインすべてをこなせるキンペンべを置きました。
この二人は、スタメンに何かあったらすぐ代わりになれる実力者です。
SBには、本来スタメンのシディベとメンディを使いたかったのですが、使ってきたのは前者だけでした。
この二人は、いつまで調子悪いんでしょう。
GKには、ロリスの永遠のライバル、マンダンダがいます。
一方デンマークは、現地の予想では、まさかの5バックですね。
強豪相手には4-2-3-1ではなく、5-3-2が理想形の可能性もあります。
5-3-2は、攻撃時に3-3-4に変化します。
これまで得点力に悩んだので、高さのあるデンマークにとってやりやすい形、クロスボールを上げやすくて、ゴール前になだれ込みやすい形は、模索していきたいところです。
初戦に出場した、マティアス・ヨルゲンセンのパフォーマンスにも注目です。
まだグループリーグ突破は確定していないので、どうするかと思いましたが、前線の選手を二人入れ替えてきました。
正直、エースのニコライ・ヨルゲンセンに得点の香りがしないので、他の選手も試したいところです。
シストは使うようですが、ポウルセンも休ませましたね。
代わりに第2戦で起用されたブライスワイトとコーネリウスがスタメンです。
フランスはデンマークにとってこのグループ最強の相手になりますが、目に見える好材料が欲しいところです。
~前半開始~
前半5分、デンマークはいきなりCKのチャンスを得られましたね。
フランスはルマールの守備には、不安を抱えそうです。
デンマークは高さを活かすどころではありません。
エルナンデスの裏のスペース、右サイドを突いているのですが、全く攻撃のチャンスが生まれません。
GKや最終ラインにあまり展開力が無いので、正確なボールを前線に供給できないこともそれに拍車をかけています。
かといって、中盤に落としたらカンテとエンゾンジに刈り取られてしまいます。
グリエーズマンに好き勝手に間受けをされているのも、フランスのペースが続く要因です。
エンゾンジの展開力には期待していたのですが、前半25分のプレイにみられるように、裏に抜けるグリエーズマンの動きを見過ごしています。
スタメンでないことから、連携面では改善の余地がありそうです。
前半28分の、エルナンデスとエリクセンとマンダンダが交錯したシーンは、よくPKを取らなかったですね。
VARからのアシストもあったのかもしれませんが、スローで観れば何もなかったのが良くわかります。
またカンテもミスが多いです。
右サイドで組む、デンべレ、シディベとタイミングが合わないようです。
普段全くミスをしないだけに、らしくないです。
デンマークは、この間に攻め切ってしまいたいのですが、左サイドのシストが機能しません。
最初フランスは両SBが共に上がってしまうために、攻守のバランスに苦労していました。
それを受けて、次第に左SBのエルナンデスが自重するようになりました。
ここから、デンマークはフランスの右サイドを攻められれば良かったのですが、シディベの背後のスペースを埋めた、カンテに止められてしまいました。
やはり、フランスの左サイドを攻めるしかないかもしれません。
またグリエーズマンは、カウンターも含めて素晴らしかったですね。
メディアはエムバぺの方を取り上げていますが、エースとして高いクオリティを示していました。
~後半開始~
後半5分、メンディの出場です。
後半14分、シストに代えてフィッシャーの出場です。
ディレイニーはすっかり
後半23分、グリエーズマンに代えてフェキルの登場です。
引き分けでいいということから、互いに無理しない流れになっています。
~試合終了~
今大会初めてのスコアレスドローです。
フランスが1位、デンマークが2位で通過が決まりました。
シディベのプレイが安定せず、メンディに至ってはポジショニングがだいぶおかしかったです。
共に当初はスタメンだったというのが、信じられないクオリティでした。
エンゾンジはSBの明けたスペースにも入り込み、未然に危機を潰していたことから貢献度は非常に高かったです。