Round of 16 フランス共和国 vs アルゼンチン共和国 試合後感想
ほぼ無策で大会に乗り込んだアルゼンチンと、ほぼ無風でグループリーグを通り過ぎたフランスの対決です。
敗退の危機という、最悪の状態を乗り越えたアルゼンチンは、今大会最も良い精神状態で臨めています。
前大会もそうですが、メッシ依存の紙メンタルなので、グループリーグにあまり強くありません。
一方で、そこを乗り切ってしまえば、一発勝負なので、腹が据わるようです。
フランスは、デンマーク戦を確認していないので、何とも言えないのですが、危機感を感じるべき局面には一度も遭遇しませんでした。
後述しますが、オーストラリアもペルーも本大会に参加できる、クオリティはありませんでした。
デンマーク戦に引き分けた点が唯一の懸念点ですが、消化試合だったことを考えれば、判断材料にはなりません。
マテュイディを起用することで、起きるかもしれない危機に備えを見せたフランスと、GKを変えただけで、いまだベスト布陣を見いだせないアルゼンチン。
アルゼンチンが勝てるチャンスがあるとすれば、先制点をとるほかないと思います。
~前半開始~
やはりここまでか。
エムバぺの躍動感と、メッシのクリア。
明暗が分かれた、立ち上がりになりました。
どんなに押しこまれても、耐えきることが不可能ではないフランスと、わずかな隙を狙うほかなかったアルゼンチン。
フランスが先制したことで、アルゼンチンは一気に苦しくなってしまいました。
あとは守りながら、カウンターを狙えばいい展開です。
フランスの右サイドの守備はこの試合、ムバッペではなくグリエーズマンが担当するようです。
守備力を考えれば、ムバッペなのですが、2トップは利き足が違う方が合わせやすいし、なによりムバッペのカウンターが効果大です。
グリエーズマンもソシエダ時代は右SHだったので、何とかなるかもしれません。
右ボランチがカンテではないので(ポグバ)、メッシが左に流れればチャンスが生まれるかもしれません。
26分のメルカドのシュートはびっくりでしたね。
しかしあんな奇襲作戦は、そうそう成功するものではありません。
アルゼンチンは出たとこ勝負はやめて、とにかく1点取る戦術を練った方がいいです。
いや、やはりフランスの右サイドの守備は、ムバッペが担当するようです。
隙がありません。
と思っていたら、追いついてしまいました。
ディ・マリアのスーパーゴールです。
とはいえ、振出しに戻ったわけではありません。
ロホ、タグリ、マスケラーノの3選手がイエローをもらってしまっています。
絶望的な状況は回避したとはいえ、もう1点が必要だと思います。
~後半開始~
カードをもらっているロホに変わって、ファシオが入りました。
攻守の改善点に気づきましたね。
ムバッペのスピードは脅威ですが、ジルーとグエーズマンの2トップなら、CBのスピード不足は問題になりません。
スピードに難のあるファシオですが、選手交代で5バックに変更できるなら(消化しているなら)、スピードタイプのFWにも対応できます。
また攻撃は左サイドを起点にしはじめました。
ディ・マリアの得点時も、フランスの右SHを守っていたのはグリエーズマンでした。
アルゼンチンのGKアルマーニも代表通算2試合目ですが、フランスの右SBパバールも差代表通算6試合目です。
フランスの右サイドが不安定なのは、明らかでした。
メルカドのゴールもあったのですが、直後にフランスの不安要素であるパバールがスーパーゴールです。
万策尽きた気がします。
今大会ここまで、どうしても追いつかなきゃいけないチームがFW大量投入でバランスを崩した際、ほぼ効果が出ていません。
アルゼンチンも然りです。
そもそも一部のポジションに良い選手が集まりすぎている、バランスの悪いチームでした。
これでは戦術家を以ってしても、どうにもなりません。