2018 FIFA W杯 Round of 16 ウルグアイ東方共和国 vs ポルトガル共和国 試合後感想
第3戦のメンバー、フォーメーションに確信を得たようです。
若手が躍動していますね。トリプルボランチも機能しました。
しかしトップ下も含めて、ウルグアイの中盤は4人全員が中央でプレーします。
ポルトガルの攻撃的な中盤の選手は、サイドに開き、SBとのコンビネーションで崩してくるので、サイドでの守備は人数を掛けなければなりません。
守備時のフォーメーションがフラットな4+4のブロック守備になる可能性が高いので、カウンターは2トップで完結しなくてはならない場面も増えるかと思います。
体力勝負になりますが、グループAは最も日程的に恵まれているので、よく休めたのではないかと期待しています。
一方ポルトガルは、右SBのリカルドが初出場になるので注目です。
ロナウドは一枚カードをもらっているので、この試合もらったら詰んでしまいます。
無理をしてはいけないので、仮に得点力に悩む時が来ても、延長やPK戦を覚悟しなければならないという点で、不利な立場です。
ウルグアイ・ポルトガル共に控えFWは、全く機能していませんし、フィニッシュは少ない人数で行われることから、先制点をとった方が、圧倒的に優位に立ちます。
本当にどちらが勝つのかわからないので、とても楽しみです。
互いに後ろで回す時間が長くなると思います。
お互いポゼッションにさほど興味が無いチームですが、どちらがボールを持つことになるのでしょうか。
~前半開始~
前半7分、2トップのワン・ツーで、ウルグアイが先制しました。
スアレスのクロスの質も高かったのですが、カバーニのヘディングも素晴らしかったです。
ポルトガルの左SBゲレイロは、失点の前からポジショニングミスをしていて、監督に怒られていました。
失点シーンでも、担当ゾーンに入ってきたカバーニを捕まえていません。
彼は確か、ポルトガル語がそこまで堪能ではなかったはずです。
普段からコミュニケーションを、もっととるべきだったのかもしれません。
ウルグアイが先制したので、ポルトガルがポゼッションして攻めなければならない展開になりました。
ゲレイロをノせるためにも、SBにもっと攻撃参加させ、ハイクロスを上げさせるといいかもしれません。
ただ、失点シーンでクロスを上げたスアレスにプレスをかけていたのが、右SBのリカルドです。
ミスを取り返そうと頑張るのはいいことですが、二人同時に攻撃的になるのは危ないです。
ウルグアイはデュエルの強さもあり、引きこもってカウンターに徹するのではなく、ダイナミックな展開を望んでいます。
全体のバランスをとるボランチである、アドリエン・シウバの負担が大きすぎる気がします。
バランスとしては、もうギリギリだと思います。
またウルグアイは、自分たちのゴール前での危険なシーンを極力減らすのではなく、ある程度引き受けることで、自分たちも相手ゴールに迫ることを選択しました。
カバーニとスアレスの2トップをもってすれば、ロナウドより得点力があるという算段です。
ポゼッションはポルトガルなのですが、最も危険なバイタルエリアではいい形で持てていません。
真ん中に起点が作れないなら、サイドでキープするしかないのですが、マリオはサイドアタッカーではないし、ベルナウド・シウバはカットインしてからのプレイが持ち味です。
ウルグアイのCBが高さに絶対の自信があるので、そもそもポルトガルはハイクロス自体避けてきたのですが、フィニッシュまで自身で完結する、サイドアタッカーのクアレスマであれば関係ないと思います。
~後半開始~
ポルトガルは、交代はしないでサイドから攻めることが、機能し始めました。
アーリークロスが多く、あまり形になっていないのですが、CKを獲得できる程度にはなってきました。
後半9分、ポルトガルの同点弾です。
上げても上げても決められる気配が無かったのですが、CKをとったことでペペがヘディングで決めました。
ですがまだまだ、効率が良くありません。
前半とはうってかわって、ウルグアイが攻めてこなくなったので、今度はカウンター合戦になりました。
守備の不安はあるかもしれませんが、意外性と得点力を求めてクアレスマを入れられないのでしょうか。
今大会ここまであまり機能していない、ゲデスと交代させればいいと思います。
後半17分、ウルグアイに追加点をとられてしまいました。
前半のようなダイナミックな攻めで、カバーニの得点です。
正直ポルトガルは油断していたと思います。
互いに前線にボールを運ぶのがどんどん難しくなってきていたので、ウルグアイも慎重に繋いでくると思い込んでいたのだと思います。
今後これを利用した戦術も、立派な武器になってくることでしょう。
直後にベンタンクールに代えて、クリスチャン・ロドリゲスの投入です。
ベンタンクールはトップ下も息苦しそうで、サイドでは前線とつながらなくなっていました。
サイドの専門家とのスイッチで、バランスが良くなると思います。
ポルトガルも、アドリエン・シウバに代えてクアレスマの投入です。
繋ぎ役になっていた彼がいなくなったことで、完全に攻守分業になってしまいました。
ポルトガルと同様に、ウルグアイもサイドを起点にし始めました。
ウルグアイは中盤でもサイドでも、守備においては隙を見せません。
さらに、ゴール前の守備は堅く、CKにおいてもショートコーナーという選択を強いていました。
加えて、ゴール前の攻撃においても、2トップとベンタンクールの最少人数で攻めの脅威を作れていました。
ポルトガルは手詰まり感が増してきました。
後半28分、アンドレ・シウバの投入です。
しっかり中央は守られていてバイタルエリアに侵入するのも難しく、ロングボールを放るしかなさそうです。
後半39分、マリオに代えて、2列目からの飛び出しに持ち味のあるマヌエル・フェルナンデスの投入です。
しかし、DFに代えても良かったのではないでしょうか。
後半48分、ついにロナウドがイエローカードをもらってしまいました。
~試合終了~
2-1でウルグアイが勝利しました。
ポルトガルも粘りを見せていて、追い付いてもおかしくなかったと思います。
ですが、今できる全ての力を出し切ったとも言えます。
結局のところ、ウルグアイが先制点をとったのが、全てだったと思います。
ロナウドに、信頼できるパートナーがいれば、と思わずにはいられません。
期待された、アンドレ・シルバ、ベルナルド・シルバ、ゴンサロ・ゲデスといった若手のパフォーマンスが低調だったことが、敗因だと思います。
ウルグアイは、素晴らしいパフォーマンスを発揮しました。
2トップのダイナミズムは、フランスやベルギー以上の今大会最高峰だと感じさせました。
負傷交代したカバーニの様子が、気になるところです。