プレミアリーグ第3節 ボーンマス vs エヴァートン(8/25) 試合後感想
まさかの2連勝でこの戦いを迎えるボーンマスと、1勝1分けでこの戦いに臨むエヴァートンとの対戦です。
共に新戦力の若い選手が躍動した、2試合になりました。
ボーンマスは新戦力のブルックスと、ドリブラーのフレイザーの若い二人の活躍に期待がかかります。
元々チーム力がある上に、しっかり上積みされている感があって、活躍しやすい土壌があるのが好印象です。
他には、新戦力であるスペインから来たジェフェルソン・レルマとディエゴ・リコの出場も待たれます。
馴染めばチーム力の向上と世代交代を進めることが可能です。
一方エヴァートンは、残留争いをするチームに苦戦してはいられません。
こちらも新戦力のリシャルリソンが、八面六臂の活躍でチームを引っ張っています。
ジャギエルカも帰ってくるので、ビッグ6入りへ向け結果を持ち帰りたいです。
バルセロナから来た3選手はまだ出場が無いので、下位チームとのアウェー戦というプレッシャーの少ないこの戦いで、少しだけでも使いたいところです。
スタメンが発表され、若手が5人も名を連ねましたね。
ボーンマスはブルックスとフレイザー、エヴァートンはリシャルリソンとトム・デイビス、ホルゲイトです。
特にトム・デイビスは相手の若手選手に触発されていると思うので、先発で出れるこのチャンスを活かして活躍してほしいです。
試合が始まると、ボーンマスが押す展開です。
サイドを広く使い、エヴァートンのボランチの弱点を突いてきました。
エヴァートンのボランチの一人、ゲイエは守備力は高いのですが展開力には難があります。
運動量も多いのですが、ボール奪取する際にやや無理するところがあり、ファウルも多いです。
もう一人のトム・デイビスは短いパス交換で捌きながら持ち上がるのを得意としており、こちらも展開力はさほどありません。
またポジショニングに優れますが、あまり守備範囲は左右に広くありません。
このコンビを攻略するには、強烈にプレスをかけロングパスを封じ込み、攻撃時には二人の両脇、サイドのスペースから相手陣内に侵入すればいいようです。
あまりコンビを組んでいないこともあり、上手くいきすぎるくらいうまくいっています。
ボーンマスは、前半15分にも決定機を迎えます。
最後はフレーザーのパスからウィルソンがGKと1対1だったのですが、ふかしてしまいました。
ゴズリングとサーマンのボランチコンビのパス交換やポジションチェンジがスムーズで、エヴァートンは捕まえきれていません。
前半19分、21分の決定機も、流れるようなパスワークでした。
前半28分も過ぎると、一転エヴァートンがボールをキープし始めました。
ボランチのゲイエが両CBの間に落ちて最終ラインのパス回しに参加し、サイドに展開し始めました。
前述したとおり、彼には正確なロングパスや一撃必殺のロングススルーパスなど展開力が無いので、ボーンマスも無理には追いません。
縦パスをつけようとしてくるときだけ、厳しくチェックにいっています。
結局エヴァートン側も外でパスを回すだけになり、手詰まり感が漂ってきました。
前半39分、ボーンマスのセットプレイがあったのですが、惜しくもゴールは決まりませんでした。
アケの肩に当たったのですが、誰も彼をマークしていませんでした。
それどころか、完全にゾーンで守っていたように見えました。
ボーンマスのスタメン陣はあまり大きい選手はいないので、狙いを絞るのが難しいと思いますが、フリーで打たせるのはまずいと思います。
その直後、何とリシャルリソンが一発レッドで退場です。
ボーンマスのセットプレイが終わり、ゴールキックから再開しようかというタイミングで、一瞬何が起きたのかわからなかったです。
スローで確認したところ、リシャルリソンがマッチアップしているアダム・スミスに軽く頭突きしていました。
ジダンがW杯で繰り出したものの半分以下の威力だと思いますが、主審は躊躇しませんでしたね。
エヴァートンは前半良いところが無かったので、考える時間が必要です。
残り数分、逃げ切って欲しいです。
一方ボーンマスは流れも良く、数的優位も得ました。
ほとんど時間はありませんが、前半の内に得点してしまえると後がぐっと楽になりそうです。
結局0-0で折り返しました。
後半2分、早速ボーンマスにセットプレイのチャンスがあったのですが、エヴァートンディフェンスに修正が入りました。
キングにゲイエがついています。
そのあとにもエヴァートンの守備陣の連係ミスから、ピンチがありました。
ピックフォードとホルゲイトが交錯し、危うくオウンゴールが生まれるところでした。
W杯の時にも感じていたのですが、ピックフォードはおそらくコーチングに難があります。
GKというポジションは、唯一全体を視界に入れることが出来るポジションです。
正確に端的に伝えないと、ディフェンス陣は混乱します。
誤解を生む言い方や一瞬考えないといけない言い方は、そぐわないのです。
GKのタイプとしてはレスターのシュマイケルとも似ていますが、この一点が決定的な違いとなっていると思います。
しかし、後半11分ウォルコットが抜け出し、一人少ないエヴァートンが先制してしまいました。
前半から彼の速さには、少し苦労していました。
有利な状態で入ったはずの後半であっさりやられてしまったので、バラバラになりがちです。
一旦ボールキープして、落ち着く時間を取ってもいいのかもしれません。
しかし後半15分、アダム・スミスが一発レッドで退場です。
ボーンマスのセットプレイの直後、ピックフォードが急いでロングキックを蹴りました。
これをウォルコットとアダム・スミスが1対1で競り合う形になり、また抜かれればGKしかいなかったため、スミスが無理に止めたという判定で、一発レッドカードになりました。
よくピックフォードが狙っていました。
代表での経験によって、セットプレイでの得点機会に敏感になったのでしょう。
しかしボーンマスからすれば、残念です。
シティ戦で、ウルブズのDFのベネットがエデルソンのロングキックを妨害してもファウルにはならなかったので(累積ではどうなるか分かりませんが)、誰かが行くべきでした。
ウォルコットがラインブレイクするという、1失点目と同じ形にになってしまったのも、悔やまれます。
後半19分、ブルックスに代えてアイブの投入です。
直後に、コールマンからの正確なクロスで、前線に攻め残りしていたキーン(191cm)が高い打点のヘディングで得点しました。
後半21分、エヴァートンが2点目で突き放します。
流れの中からとはいえ、マッチアップしていたのがリーグで最も小さな(163cm)フレイザーでした。
これでは守れません。
後半28分、べインズがキングを倒してしまい、ボーンマスがPKを獲得です。
後半29分、キングがこれを決め、ボーンマスが一点返します。
一点返したからか、ボーンマスは数的優位を活かせるようになってきました。
そうしてサイドを攻略し、CKを得たところで、アケが得点しました。
後半分、ボーンマスが2-2に追いつきました。
CKからウィルソンが放ったヘディングシュートはピックフォードのビッグセーブとクロスバーに阻まれましたが、こぼれ球をアケが流し込みました。
これはディフェンス陣も、ピックフォードもノーチャンスだったと思います。
結局2-2の引き分けでした。
ボーンマスはなぜか後半途中から負け試合になってしまっていたので、その雰囲気をよく跳ね返しました。
その反発心は褒められるべきですが、本来は数的優位だったので、それを活かした戦い方があったように思います。
流れの中での決定力以外にも、課題が見えましたね。
一方エヴァートンは、リシャルリソンの愚行によって、彼を次節も欠きます。
彼自身数えるほどしかボールタッチが無かったと思うので、イライラした面はあると思います。
チームとしての攻撃の組み立てに非常に苦労したので、アンドレ・ゴメスやベルナールを戦力に組み込むなど、今後の攻撃の構築に期待しましょう。
今のところ、ウォルコットのカウンターしかありませんので。