プレミアリーグ第3節 アーセナル vs ウェストハム(8/25) 試合後感想
共に2連敗して最悪のシーズンの始まりとなった、ロンドンの2チームの対決です。
アーセナルは開幕戦、第2節共にビッグクラブとの対戦でした。
開幕戦となったシティ戦は何もできなかった印象ですが、第2節のチェルシー戦では、光明が見えました。
正直勝ちきれた内容でしたが、そこまで悪くはありません。
怪我人も多いですし、ボランチを含めて守備陣は組織構築に時間が掛かります。
問題は攻撃で、エジルとムヒタリャンの間に何もないことです。
共に消える時間が長く、相性も良くないようです。
これを解決するためにエジルをトップに上げていましたが、彼はチャンスメーカーであって、FWではありません。
結局彼の持ち味を殺すことになってしまい、ますます試合から消えてしまいました。
ラカゼットもコンディションが良くないようですが、これ以上勝ち点を落とせません。
ここまで最悪の出来を披露しているウェストハムを叩いておきたいところです。
そのハマーズですが、やはり今年も迷走しています。
大物を多数獲得しましたが、目も当てられない内容と結果です。
新加入選手が多すぎることもあり、攻守にチーム作りには時間が掛かりそうです。
しばらくは苦しい時期が続くと思うので、ファンの方には我慢してくださいとしか言えません。
ウィルシャーのエミレーツ帰還が話題の中心ですが、試合がはじまってみれば、ウェストハムは彼を中心に試合を進めることが出来ていません。
ボランチは省略して、最終ラインから直接サイドアタッカーにロングパスを出したほうが雑ではありますが、形になりそうです。
しかし前半10分、カウンターからアーセナルの方にチャンスが訪れます。
ムヒタリャンのスルーパスから、最後もムヒタリャンのミドルシュートでした。
これまでは試合から消える時間も多かったのですが、確かな技術は持っているので、結果につなげていただきたいです。
前半12分、今度はウェストハムの1トップ、アルナウトビッチの巧みな抜け出しからミドルシュートがありました。
これはサイドネットを揺らしました。
彼は体格ばかりクローズアップされることが多いですが、裏への抜け出しもあることを忘れてはいけませんね。
後半24分、アルナウトビッチが得点、ウェストハムが先制です。
ロングカウンターから、フェリペ・アンデルソンとのワンツーでした。
守備する気があるのと思えるくらい、緩いチェックでした。
決して巧みなワンツーではなかったので、守備陣は一人一人が責任を持つことだと思います。
ベジェリンがサイドを深くえぐってからのマイナスのクロスだったのですが、オーバメヤンもラムジーもイウォビもディフェンスを押し下げてくれていたので、モンレアルはフリーで流し込むだけでした。
前半も終わってみると、オーバメヤンがいつまでもオフサイドの位置にいて、アーセナルの選手がサイドからなかなかクロスを出せないでいるのに対して、アルナウトビッチのクロスへの飛び出しのタイミングは素晴らしかったです。
アーセナルも良いところが無いわけではなく、ムヒタリャンのパスが味方にあってきました。
とはいえ、両チームともやや無理なミドルシュートも目立ちます。
ディフェンスにおいては、誰が最初にフォアチェックに行くのか決まってないせいだと思うのですが、両チームとも寄せにいくのが遅すぎるので、大量失点しないのが不思議でした。
後半は、点の取り合いになるのではないでしょうか。
HT終了後、イウォビに代わってラカゼットが入ってきました。
後半最初はウェストハムにチャンスがありました。
フレデリクスとスノッドグラスのコンビネーションによる崩しでした。
イウォビがいなくなったことにより、右サイドからの攻めが効果的になってきました。
フェリペ・アンデルソンまでもが右に流れてきたのですが、モンレアルが一人で対応するよう迫られています。
前半9分、CKのカウンターからフェリペ・アンデルソンが今度は左サイドを疾走し、右から中央にカットインしたアルナウトビッチに、良いグラウンダーのクロスが入りました。
これをアルナウトビッチは枠に蹴れませんでしたが、ようやく攻撃の形が作れるようになりました。
後半11分、ゲンドゥジに代えてトレイラが入りました。
ジャカとゲンドゥジ、どちらかがトレイラとのコンビネーションを築けるのか、試されていますね。
ゲンドゥジもよく頑張っているのですが、少しジャカがリードしているように感じます。
とはいえボランチはこの三人で回していくようなので、序列ははっきりさせない方針かもしれません。
幸い今シーズンはCLもなく、優勝争いからも早々に脱落するかもしれません。
ビッグゲームが無ければ、ボランチに限らず、その方針も可能です。
今シーズンは再建期、準備期間としてみるべきかもしれません。
後半12分、ラカゼットの強烈なミドルシュートがありました。
なかなかシュートが決まりませんが、はやくゴールを決めたいのだと思います。
攻撃陣に調子のいい人がいないのが、アーセナルの悩みですね。
後半13分、アルナウトビッチに代えてチチャリートの登場です。
歩けるようなので、あまり心配していませんが、怪我かもしれません。
昨シーズンの二の舞は避けたいですね。
チチャリートに関して言えば、オープンな展開なので、点で合わせる彼の持ち味を生かしやすい展開ではあります。
後半24分、アーセナルが勝ち越し点の獲得です。
ラカゼットがオフサイドだったのですが、折り返したボールをオーバメヤンに触らせまいとブロックした、イッサ・ディオプの胸によるオウンゴールでした。
後半26分、27分と立て続けてラカゼット、オーバメヤンのミドルシュートがありました。
無理しているのは明らかですね。
勝ち越しているので、三枚目のカードは守備陣の追加かと思いましたが、エメリはさらに攻めることを要求しているようです。
これだけスペースがあるのにアーセナルの華麗なパスワークが見られないので、残り15分、攻撃の構築に時間を割くというのはファンにも選手にも受け入れられやすいと思います。
後半47分、ウェルベックの得点でアーセナルがさらに追加点です。
結果3-1でアーセナルが勝利しました。
ウィルシャーに出場機会を与えることが難しいことを正直に伝えたり、攻めの構築に時間を費やしたり、そして念願の勝ち点3を獲得したことによって、エメリ新監督の立場も安定しました。
しっかりファンに受け入れてもらえたと思います。
まだまだ完成度は低いので時間はかかると思いますが、関係者はみな胸をなでおろしたのではないでしょうか。
一方ウェストハムは、受難の時期が続きます。
新加入のディオプのオウンゴールなど不運もありました。
しかし好材料もあります。
フェリペ・アンデルソンが早くもクオリティの高さを見せつけてくれました。
これで、移籍金の高さには見合わないなどとは言われなくなると思います。
始まる前はEL出場を期待されましたが、新加入選手でスタメンが7人もいるチームの船出が簡単なはずはありません。
三試合でここまで完成度をあげられたことは、ペジェグリーニの手腕によるものです。
確実に上昇気流に乗ってきたので、もう少し我慢しましょう。