プレミアリーグ第3節 サウサンプトン vs レスター(8/25) 試合後感想
1分け1敗で迎えたセインツと、1勝1敗で迎えたフォクシーズの対決です。
日本人対決も期待されるこの試合ですが、これまでのところ吉田も岡崎もリーグ戦の出場はありません。
共に最重要戦力の1人なので、早く復帰してほしいというのが、両クラブの本音だと思います。
サウサンプトンは、新戦力のイングスが初得点を記録し、少しづつではありますが形が見えてきました。
昨シーズンは守備は崩壊し残留争いに巻き込まれましたが、若手CBも成長し、今シーズンこそEL出場圏内に滑り込みたいです。
個人的にはフートの評価が気になります。
左足のCBをマーク・ヒューズ監督が高く評価しているなら、吉田の序列にも影響があります。
ロングパスによるゲームメイクの頻度に注目です。
エルユヌッシ、アームストロング等、他の新戦力にも期待が寄せられます。
一方レスターも、EL出場圏を目指すチームです。
マレズはいなくなりましたが、新戦力も多く、むしろ強くなった印象です。
攻撃陣では、マディソンとゲザルが入りました。
彼らはまだ未知数なのですが、少しづつ馴染めばいいと思います。
というのも、イヘアナチョの急成長があるからです。
昨シーズン加入した、イボーラとシウバも馴染んできました。
キングとマッティ・ジェームズなど計算できる戦力も帰ってきました。
カプストカはまだ分かりませんが、前節ナンパリス・メンディは安定した活躍を見せたので一安心です。
ベンコビッチ、ソユンジュなどディフェンス陣にもテコ入れが済み、高齢化やマグワイアの退団への備えも着々と進んでいます。
不安要素があるとすれば、戦力が多すぎることために、不満分子が生まれかねないところです。
カップ戦などをしっかりと勝ち進めれば、戦力を維持できると思います。
スタメンが発表されました。
吉田は控えにも入りませんでした。
岡崎は控えには入れたので、おそらく後半の登場に期待です。
レスターは、ヴァーディ―が前節の反則行為で3試合の出場停止処分になりました。
この試合からの適用になるので、この試合の1トップはイヘアナチョです。
また右サイドは、開幕戦と同じコンビになりました。
アマーティーとリカルド・ぺレイラです。
それに加えアウェイとはいえ、ボランチコンビがンディディとメンディなので、守備的に過ぎる気がします。
優勝したシーズンと同じ形になってしまいますが、2トップにヴァーディ―(この試合のように、使えないならイヘアナチョ)と岡崎、2ボランチにンディディとアドリエン・シウバ、右にリカルド・ぺレイラとゲザルが理想形になっていくのではないでしょうか。
マディソンの居場所が無くなってしまうのですが、トップ下をそもそもレスターというチームが消化できるのか分かりません。
マレズがいた頃も何度かチャレンジはしたのですが、はまりませんでした。
アウェイだからというのを言い訳にしていいのか分かりませんが、押し込まれる展開で、前半16分にも危ないプレイがありました。
ンディディがペナルティエリアギリギリ外で、ロングを倒していました。
アマーティーの裏を突かれたり、押し込まれたり等、得点するよりも失点する確率の方が高い感じがします。
ポゼッションを高めていく方針もあって、カウンターを全く繰り出せていないことへの危機感も感じません。
前半20分にも、レドモンドからレミナへのキラーパスがありました。
これをシュマイケルがスーパーセーブしたのですが、これまでピンチはあってもチャンスはありません。
マディソンがいることによってセットプレイのキッカーに不足感が無いのが、現状唯一のポジティブな点です。
前半25分、今シーズン初出場となるホイビェアのイエローカードです。
この試合はレミナと2ボランチを組んでいるのですが、ずっとラフプレーが続いていました。
レスターの中盤が三人で、運動量も豊富なので、フラットな中盤では対応しきれそうにありません。
CBが迅速なフォアチェックをするわけでもなく、2トップの一角ロングのサポートも多くありません。
ホイビェアは孤立しがちで、すでに一枚もらっているのにもかかわらず、ファウルを繰り返すしかないかもしれません。
交代カードの使用ポイントになりそうです。
ちなみに、イングスはサイドに流れてロングパスを呼び込むのが仕事のようなので、一切サポートはしません。
前半36分、レスターにはじめてチャンスが生まれました。
左サイドで先発したグレイが攻め残りしていたので、カウンターになりました。
前半唯一といってもいいチャンスだったのですが、枠に飛ぶことはありませんでした。
前半はレスターがとにかく受け身だったので、サウサンプトンが精度の低い攻撃を繰り返す展開でした。
レスターの方もカウンターがほぼなく、前線のマディソン、イヘアナチョが最終ラインにあまりプレッシャーをかけないので、サウサンプトンのウェステルゴーはそこそこの精度のロングパスを入れ放題でした。
注目されたフートには、ロングパスはありませんでした。
こんなことなら、4バックでウェステルゴーと吉田を組ませるデメリットがありません。
後半3分には、バートランドのグラウンダーのアーリークロスからイングスのダイレクトボレーがありました。
これもシュマイケルのスーパーセーブでふさぎました。
毎週スーパーセーブを繰り出してくれるので、これに頼るのが恒例になってきましたね。
良くない傾向です。
後半6分、ホイビェアのペナルティエリア内を横切る左へのグラウンダーのクロスから、バートランドが見事なミドルシュートです。
これが決まり、サウサンプトンが先制です。
対面したリカルド・ぺレイラ、アマーティは守備に参加できていませんでした。
後半8分のレスターのチャンスは、可能性のないぺレイラのミドルシュートに終わったのですが、エルユヌッシが中央の守備にも参加していることが確認できました。
後半10分、なんでもないイヘアナチョのクロスだったのですが、グレイが反転して撃ったシュートが決まりました。
レスターが追い付きました。
エルユヌッシが中央に絞ったこととも関係があると思います。
守備の変更が裏目に出てしまいました。
後半15分にも、レスターにチャンスがありました。
これはシュートには繋がりませんでしたが、レスターもボールを持てるようになりました。
本来はカウンターのチームなのでこの状況が好ましいか分からなかったのですが、レスターが中盤にシンプルながら構成力があること、サウサンプトンにカウンターの形が生まれないことを加味すると、実は一方的な展開です。
サウサンプトンはすぐに手を打ちます。
後半24分、イングスに代えてオースティンの投入です。
彼であればスピードで裏に抜けだす形もあるので、カウンターは形になりそうです。
後半31分、ホイビェアがペナルティエリアで倒れましたが、シミュレーションという判定で、二枚目のイエローとなり退場しました。
ペナルティエリアに侵入した彼にタイトにチェックに来たンディディとは接触したのですが彼は倒れずに持ちこたえ、その後チェックに来たアマーティとは接触もなかったにもかかわらず倒れてしまいました。
シミュレーションは妥当だったと思います。
後半35分、マディソンに代えてゲザルの投入です。
マレズと同じアルジェリア代表で、正確な左足を持つ司令塔タイプです。
後半41分ロングに代えて、アームストロングの投入です。
時間もないのでよりキープしてポゼッションを安定させることと、セットプレイの主に直接FKでの一撃を指示されているはずです。
後半43分、グレイに代えて、ついに岡崎の投入です。
後半47分、マグワイアのロングシュートでレスターが勝ち越しです。
チルウェルからの折り返しだったのですが、攻め上がった甲斐がありましたね。
彼はスタミナも抜群です。
結果2-1でレスターが勝利しました。
サウサンプトンは前半の流れを見るに勝ちたかったのですが、後半は良いところがありませんでした。
期待されている新加入のエルユヌッシは、特に後半は守備に奔走されていましたね。
持ち味のドリブルはほとんど見られませんでした。
本来は左サイドでのプレーを得意とするにもかかわらず、右でプレーしなければならなかったこともあり、しばらくはこれでいくしかないかもしれません。
マーク・ヒューズ監督は本来攻撃的な志向があるので、もうすこし我慢すれば、攻撃的な彼の能力を存分にみられる機会はあると思います。
注目されたフートは期待されたロングフィードは見られませんでしたが、後半25分には巧みなインターセプトがありました。
吉田の活躍も見たいところですが、若手の彼の活躍もチームとしては不可欠です。
今のままでは、W杯で燃え尽きた吉田が、おちおち休んでもいられません。
一方レスターは前述したとおり、守備的に過ぎるのでフォーメーションの改善が必要です。
マディソンもいい選手なのかもしれませんが、ゲザルが馴染めば得意としている4-4-2に戻すべきです。
割と余裕がある中での勝利でしたが、今後厳しい勝負もあると思うので、早く理想形を見つけてほしいです。