プレミアリーグ第4節 ブライトン vs フルハム(9/1) 試合後感想
共に1勝2敗と負け越している両チームですが、台風の目になりそうな勢いをリーグにもたらしています。
ブライトンは第2節でユナイテッドに勝ち、前節はリヴァプールに善戦しました。
ギリギリ降格を免れたチームとは思えない強さを発揮しています。
しかし新加入選手はまだ戦力にできていません。
特にビスマは、まだ守備での貢献度が低く、グロスが入ってから流れが変わったのが印象的でした。
しかしノッカートは前節のベストイレブンの、控えの控えには入っていたであろう活躍を見せてくれました。
チームとして、組織力の高い攻めと守りで粘り強く戦えています。
リヴァプール戦も崩壊することなく、最後までチャンスを狙っていたのが好印象です。
一方フルハムは、理想形が見えてきました。
守備陣には不安を抱えるものの、攻撃陣は大爆発です。
ミトロビッチ、セセニョン、カマラに加え、シュールレ、ビエットの新加入組が活躍しました。
中盤も、セリがリーグ有数の力を発揮しています。
アーセナルとチェルシーが争奪戦を繰り広げるのも納得の、圧巻のプレーぶりでしたね。
お互いここは負けられないと思っているはずです。
フルハムの方がタレントがいるように見えますが、ブライトンの選手も優秀なのはこの3試合でわかりました。
両チームともEL圏内争いをしそうです。
レベルの近い、屈指の好ゲームが期待できます。
スタメンが発表されて、この試合のCBはダフィとダンクのコンビになりました。
バログンは控えになります。
あとはいつも通りです。
フルハムはGKにベッティネッリが継続で、最終ラインはブライアンとクリスティが控えに降格、SBは新戦力コンビ、フォスメンサーとル・マルシャンになりました。
これまでCBを務めてきたル・マルシャンが左SBでの出場ということで、注目したいと思います。
またCBは開幕から2試合スタメンを務めたチェンバースが控えで、モーソンとオドイのコンビになります。
中盤は先週開幕戦以来の出場になったザンボ(これまでアンギサと紹介してきた選手、これからはザンボで統一します、本名はアンドレ=フランク・ザンボ・アンギサ)もスタメンに戻ってきました。
前線は前節活躍したシュールレ、ミトロビッチ、ビエットのトリオです。
控えにはセセニョンとカマラもいるので、前線はタレント豊富です。
新戦力が多すぎるので、センターラインは昨シーズンからいたメンバー(ベッティネッリ、オドイ、マクドナルド、ミトロビッチ)で固めてきました。
前半8分に、前節同様セリのミドルシュートがありました。
チェルシーのカンテのように、チームとして攻守両面の活躍が期待されているようです。
前半13分にはフォスメンサーがいるべきスペースが空いていたので、グロスがアタックしてカバーに来たオドイを振り切るシーンがありましたが、わずかなチャンスを狙い、後はリトリートするのがブライトンの基本戦術のようです。
前半も20分が過ぎ、ここまでフルハムがずっとキープする流れです。
しかしブライトンも危険な中央ではパス交換をさせないよう網を張っています。
大きなサイドチェンジのパスが多い印象です。
前半23分、ブライトンがPKを獲得です。
ペナルティエリアでターンしたマレイに、ビエットが足をかけてしまいました。
ラインブレイクしたグロスに、ル・マルシャンとザンボが二人同時にプレスをかけてしまったので、ビエットが見る羽目になりました。
彼は本来FWなので騙すのは得意でも、騙されるのは苦手なはずです。
いきなり難しい状況に陥りましたが、これを何とベッティネッリがセーブしました。
出来ればCKにもしたくはなかったのですが、GKが体勢を崩していて、キッカーが最も近い位置にいるので、キャッチできない場合、ゴールの後方に出すのが確実です。
問題はその直後のCKで、マクドナルドがマレイにフリーでヘディングシュートを撃たれています。
枠には飛びませんでしたが、GKも触れず、入ってもおかしくないものでした。
ダンクがオドイを突き飛ばした隙に放ったものだったのですが、基本ゾーンのようなので、マンツーとの併用に変える方がいいかもしれません。
ブライトンは高さのある選手が多いので、どうにもならないマッチアップに持ち込まれないように、最も危険なCBコンビとマレイは逃がさない方がいいような気がします。
前半40分には、モーソンの自陣ゴール前35mくらいの位置での相手へのプレゼントパスがありましたが、あれは受け手のセリのポジションも良くありません。
確認しなかったモーソンのミスですが、セリにはそれも込みでチームのレベルを上げるよう要請されているはずです。
セリのキープから巧みなフライスルーパスでディフェンスをことごとく無効化し、裏に抜けるシュールレの足元にちょうど良く落ちるようにパス、これをシュールレがサイドネットに突き刺すという技術の高い技のコンボでした。
前半44分、スティーブンスがカウンターに抜けだしたシュールレを掴み、イエローカードをもらいました。
1-0で折り返しましたが、シュールレの活躍が目立ちます。
得点する前にも、ポストプレイでボールの流れを円滑にしていました。
ブライトンは良いところがセットプレイ以外では、まだ見られません。
まだまだできると思うので、頑張っていただきたいと思います。
後半2分のセットプレイの時点で、はっきりとはわからないのですが、フルハムの守備に変更があったように感じました。
距離のあるFKで、オフサイドを取りに行っていたのですが、ダフィだけは潰しにいっていました。
後半3分には、CKがあったのですが、確認できただけで、ダンクとプレッパーにはサイズのある選手ではっきりとマンマークしていました。
すぐできるように用意していたのですね。
抜かりがなさそうです。
後半7分、セリのドリブル突破を防いだということで、プレッパーにイエローです。
後半10分、プレッパーのディフェンスを切り裂くようなキラーパスが出て、マーチがGKと1対1になったのですが、大きくふかしてしまいました。
かつてないほどの決定機でした。
フルハムから見れば、フォス・メンサーが目の前をスプリントするマーチを見逃したのは重罪です。
オフザボールながら、外から中にカットインする動きを右SBが見過ごしてはいけません。
プレッパーのパスはマーチに出ましたが、マレイに出ても危険でした。
ただ彼はオドイに捕まっていたので、マーチを選択したのだと思います。
結局はオドイが一人で二人を見ることになってしまい、危機一髪でした。
ブライトンから見れば、マレイはコースを変えてくれれば、良かったです。
はっきりとデコイ・ランしてくれれば、マーチはもう少し余裕を持てただろうからです。
後半15分、グロスに代えてビスマの投入です。
ヒュートン監督は、技術よりダイナミズムの注入を選択しました。
後半16分過ぎ、フルハムの守備陣が露骨に後方で回し始めました。
後半17分、ミトロビッチの得点でフルハムが追加点です。
ベッティネッリからのゴールキックを競り合ったミトロビッチとダンクだったのですが、ミトロビッチが入れ替わりながらマイボールにし、かつ振り切ってシュート、いったんは防がれたのですが、もう一度撃って決めました。
後半22分、マレイの得点でブライトンが1点返します。
モーソンから横パスを受けたル・マルシャンがセリにパス、これをインターセプトしたノッカートが、ゴール前まで侵入、ラストパスを受けたマレイは流し込むだけでした。
ル・マルシャンのミスのように言われるのでしょうが、このプレゼントパスも受け手がセリです。
セリの性格に起因した問題があるのかもしれません。
後半27分、ザンボとビエットに代えてヨハンセンとセセニョン、ノッカートとプレッパーに代えて、ジャハンバクシュとロカディアの投入です。
この直後からフルハムは前線のハイプレスを敢行し、ブライトンの最終ラインが前にパスすることさえも、妨害できていました。
後半34分、ヨハンセンが遅延行為でイエローです。
これは必要なかったかもしれません。
後半38分、ミトロビッチがハイボールの処理を誤り、ペナルティエリアでハンド、PKを献上してしまいました。
これを今度はグロスではなくマレイが蹴り、追加点、後半39分、ブライトンが土壇場で追いつきました。
後半41分、シュールレに代えてチェンバースの登場です。
後半49分、ル・マルシャンの敵陣での執拗なファウルで、イエローをもらいました。
結果2-2の引き分けでした。
ブライトンは良く追いつきました。
PKを外した時はどうなることかと思いましたが、タレント軍団相手によく戦いました。
本来ホームで下位チーム相手なので勝ちたいところでしたが、内容的にはそれが難しいことだということが、前半のうちにわかりました。
勝ち点を拾えたとみなすべきなのでしょう。
一方フルハムは、戦い方も徹底してますし、勝ちに相応しい内容でもありました。
不運だと思って、切り替えるしかないと思います。