プレミアリーグ第4節 チェルシー vs ボーンマス(9/1) 試合後感想
ここまで3連勝と好調のチェルシーと、2勝1分けと大躍進を見せているボーンマスとの対決になります。
チェルシーは昨シーズンとは大きく戦い方が変わりましたね。
完全にポゼッション志向になりました。
ジョルジーニョ、コバチッチが加入し、それも可能になったと思います。
ダビド・ルイスもレジスタとして振る舞うので、2012年にイタリア代表が見せた、縦関係のダブルレジスタのようになる可能性もあります。
バークリーもエヴァートン時代とは、使われ方が変わっています。
また、3連勝ではありますが、順風満帆というわけでもなく、守備には不安を抱え続けています。
新守護神のケパは、今夏プレミアにやってきたすべてのチームの新戦力の中で最高額の選手ですが、いまだその真価は発揮していません。
リーグ最高のGKがアリソンとエデルソンの一騎打ちにならないよう、割って入って欲しいと思います。
幸い今のチームの守備力なら活躍する機会は多そうです。
前がかりなチームの守護神に相応しいのか、確かめていきたいと思います。
一方、ボーンマスはこれまでの三試合でポジティブなサプライズを提供してくれています。
ブルックスとフレイザーという若武者二人の活躍もさることながら、ボランチもサーマンとゴズリングがスタメン顔負けの活躍です。
ここにクックと新加入のレルマが加われば、さらにスケールアップが期待できます。
戦力が依然リーグ最低クラスなのは変わりありません。
この試合も厳しいものになるでしょう。
しかし最後まで戦うことを、この試合もみせてくれると思います。
スタメンが発表されましたが、チェルシーはいつもと変わりません。
ペドロの代わりにウィリアンが入ったくらいです。
ボーンマスは興味深いです。
現地の予想では、3-4-3でディエゴ・リコとジェフェルソン・レルマが初先発です。
右には本来SBのアダム・スミスとサイモン・フランシスが共に出場です。
ボーンマスがいきなりハイプレスです。
GK以外には全員にいっている気がします。
前半2分いきなりボーンマスのショートカウンターが決まります。
ダビド・ルイスがのんきにコバチッチにパスしたところ、コバチッチも予測できていなかったため、ゴズリングにタックルされて奪われ、ボールはマルコス・アロンソの裏を取ったフレイザーに渡り、グラウンダーのクロスに繋がりました。
これは惜しくもゴール前にいたウィルソンには合いませんでしたが、クロスまでは完璧でした。
その直後、アスピリクエタのミドルシュートもあり、ダイナミックな展開になりました。
しかしボーンマスは、最終ラインのコントロールには細心の注意を払っているようで、緊張感のある、最新のキック&ラッシュがここにあります。
前半6分、CKからウィリアンのシュートが二回ありました。
前半8分のプレーと合わせ、今節はウィリアンがキレがありそうです。
またこの時のプレーである、シュートがレルマの腕に当たっています。
ペナルティエリア内かつ、腕が無ければブロックできていないので、PKをとってもいい気がしましたが、ありませんでした。
前半も10分を過ぎると、ボーンマスのハイプレスも落ち着いてきました。
あとは前後半の終わり際と、後半の始まりに繰り出せばいいと思います。
チェルシーの圧倒的な技術から繰り出されるパス回しにボーンマスが翻弄され続けた前半15分過ぎ、カンテのバックパスの処理を誤ったダビド・ルイスがセンターライン付近でジョシュア・キングに横パス、直ちにカウンターが発動しました。
ゴール前でキングからウィルソンにパスが出るであろうことを予測して、これをカンテが危なげなく処理しましたが、肝心のダビド・ルイスはボールを持っていないキングを無理に止めようとしていて、イエローカードが出ないのが不思議なくらいでした。
前半15分ジョルジーニョの縦パスから、モラタがスルー、中盤から抜け出したコバチッチが決定的なシーンを迎えますが、スミスがペナルティエリア内で彼を倒し、事なきを得ました。
正直これもPKな気がしますが、ホームなのに流され続けています。
手も足も、かかっていました。
前半18分のアザールのドリブル突破阻止で、ゴズリングがイエローをもらいました。
これは正面から見えたようですが、これはスローで見ると反則ではないように見えます。
ゴール正面26,7mの良い位置でセットプレイを得るための、アザールのシミュレーションな気がします。
これはアロンソが蹴って壁に当ててしまったのですが、この後もジョルジーニョのミドルなど、チェルシーのポゼッションと揺さぶりは続きました。
しかしボーンマスの中央を守る守備力と、攻守における相互理解がもたらすパススピードの速さと正確性が、チェルシーと比較してもそこまで劣るものではなくなっています。
前半29分、リコからゴール前中央に待つウィルソンにアーリークロスです。
これは合わせられませんでしたが、クロス自体は正確で速かったです。
前半32分、アロンソがスミスのカウンターを防ぐ形で、イエローカードをもらってしまいました。
前半34分、ずっと中に入れなかったのでコバチッチが苦し紛れのミドルシュートを放ちます。
お互いに決め手に欠ける流れです。
前半36分、レルマがウィリアンの足を踏んでしまいましたが、やっぱりイエローカードは出ませんでした。
カードを忘れてきてしまったのでしょうか。
我慢勝負が続きます。
ボールの芯を叩く、素晴らしいシュートでした。
これがゴールポストを叩き、前半最も得点に近いものになりました。
結局0-0で折り返しました。
最初こそボーンマスにチャンスがありましたが、次第に実力差がはっきりしてきました。
しかし得点までには至らなかったので、ボーンマスにもわずかにチャンスが残りました。
クオリティ的にも、コンディション的にもチェルシーが圧倒的に優位なので、ボーンマスからすれば、先制しても、引き分けが精一杯かもしれません。
交代枠はチーム全体の運動量を維持するために使うことにもなると思うので、おそらく先手を打つ必要がありながら、慎重さも必要になってくる難しい展開です。
ハウ監督は名将なのか、この試合で試されていると思います。
後半はチェルシーのボールキープから始まったこともあって、なかなかボーンマスはハイプレスを敢行できません。
また、ここまでチェルシーはCKを7本蹴っているのですが、精度の高いウィリアンが蹴っていて、かつ工夫も凝らしているのですが、簡単にクリアされています。
チェルシーの強みと狙いを完全に把握しているためです。
前半9分、ウィルソンのカウンターを止めて、カンテがついにイエローです。
この時、ボーンマスは、モラタのポストプレイのミスを突いて、ようやく中盤のブロックを抜けていました。
チェルシーはアンカーのジョルジーニョでは追いつけない上、カンテとアロンソが高いポジションにいるので、相手のFWがバイタルエリアで、かつ前を向いてボールを持てば、一気にカウンターのピンチになってしまいます。
これは、カンテが無理しないといけない形でした。
おそらくCLなどレベルの高い戦いでは、今後何度か見られることになるでしょう。
これがゴール前27~8mの位置でFKになってしまい、直接FK自体はシュートに持ち込めませんでしたが、CKになりました。
チェルシーのCKの守備は完全にゾーンだったのですが、アケがすり抜けてきて、惜しいヘディングシュートに繋がりました。
後半15分、モラタに代えてジルーの投入です。
早速後半16分、ジルーに合わせるようにアロンソのクロスがふわりとしたものでした。
ジルーが入って高さが少し増しましたが、露骨に高さを活かすなら、モラタに代えてではなかったはずです。
ボーンマスの最終ラインは小さいので、ジルーとモラタのツインタワーが最も効果的なはずです。
後半19分、ウィリアンに代えてペドロの投入です。
後半22分、スミスのスローインを遅らせようと、アロンソが彼を掴み投げしました。
チェルシーはホームなので、事なきを得ましたが、アロンソに二枚目のイエローが出るべき場面のように感じました。
後半25分アザールのドリブル突破を妨害したということで、悪質では決してなかったのですが、レルマがイエローをもらってしまいました。
アザールのドリブルが素晴らしかったことに異論をはさむつもりはありませんが、イエローの基準は明確なんですが、結果偏ってしまっています。
ボーンマスが良く戦っているだけに、残念です。
後半27分、ペドロのゴールでチェルシーが先制です。
後半30分、ウィルソンのポストプレイからレルマのロングスルーパス、これを受けたフレイザーがGKと1対1になれそうなところで、インフロントキックでのミドルシュートがありました。
もう少しカーブが掛かっていれば、GKも触れない、スーパーゴールでした。
後半33分、コバチッチに代えてロフタス・チークの投入です。
さらに高さが増しました。
今シーズンリーグ初出場です。
W杯もあって満を持しての登場ですが、その間にバークリーはアピールに成功し、遊んでいられる状況ではありません。
後半35分、スミスとキングに代えて、アイブとムセの投入です。
形は変わらないようです。
後半39分、アロンソとのワンツーから、アザールが流し込むようにシュート、チェルシーが追加点です。
2-0になりました。
後半42分、レルマに代わってルイス・クックの投入です。
今シーズン二試合目の出場になりましたが、21歳とは思えない、ベテラン風のプレーぶりです。
アーセナルのゲンドゥジに通じるものがあります。
結果2-0で、チェルシーの勝利です。
内容を考えれば、妥当でした。
ボーンマスも強かったのですが、圧倒的なクオリティの高さを見せ、勝利をもぎ取りました。
プレミアリーグはビッグ6ではなく、今シーズンはビッグ3かもしれません。
チェルシーは、そこについていけるチームだと思います。
一方ボーンマスは良く戦いました。
前半開始直後からチェルシーに襲い掛かり、結果は持ち帰れませんでしたが、チーム一体となって監督の戦術を遂行しました。
もう一度やっても、これ以上の結果は得られないと思います。
やり切ったので、ファンも関係者も、心地よい疲れでよく眠れることでしょう。
次節にも期待です。