プレミアリーグ第5節 ウォルヴァー・ハンプトン vs バーンリー(9/16) 試合後感想
1勝2分1敗と成績こそいまいちですが、前節ようやく初勝利を挙げ、勢いに乗るウォルバーハンプトンがホームに戻ってきます。
一方バーンリーは、1分3敗かつELも早期敗退と、ここ最近はいいことがありません。
対照的な2チームの対決になります。
繰り返しになりますが、先々週はウルブズはようやく報われましたね。
どのポジションにも実力者を揃えているので、後は結果を得るだけでした。
最大の強みは、ボランチコンビです。
ポルトガル代表のモウチーニョとネべスは、前者が慎重で集中力のあるやや守備型で、後者は前に出る守備もできますが、本来はゴールエリアで力を発揮する、センスあふれる攻撃型です。
共に運動量も多く、おそらくコミュニケーションが完璧なため、判断に迷いもありません。
確信を持ってプレーしているのが、伝わります。
また、前線も強力です。
特にウイングで、コスタ、ジョッタ、トラオーレは一人で打開してシュートまでもっていける力があります。
前節はトラオーレが見事な決勝点を上げましたね。
一方バーンリーは、前節ユナイテッド相手にもあまりいいところがありませんでした。
新加入のヴィドラ、ギブソンにも充分な出場機会を与えてほしいです。
光明はマクニールです。
前節も紹介しましたが、素晴らしい若手が出てきました。
とはいえ、まだ若いので波があると思います。
毎試合の活躍を期待するのは難しいと思いますが、成長する、させるのは義務だと思います。
スタメンが発表されました。
ウルブスは、メンバーは変わらず、最終ラインはいつもの並びに戻りました。
控えには18歳のギブス・ホワイト、23歳のハウスと若手を揃え、W杯でも活躍したサイスも名を連ねました。
代わりにデンドンカ―が外れましたね。
バーンリーは結果が出ていないこともあり、スタメンも大きくいじってきました。
両SBはロートンとウォードに代えて、バーズリ―とテイラーになりました。
中盤底は、ボランチの一角、ウェストウッドを外して、トップ下のヘンドリックを下げました。
左サイドには、グドムンドソンが帰ってきました。
2トップになって、不発のウッドからバーンズとヴォ―クスに託すことになりました。
結局外したメンバーも控えにいるので、上手くいかなければ使わざるを得ません。
結果を出せないから外したのに、苦しい時に使わなければいけないという悪循環に入っている気もしますが、結果が出れば問題ありません。
あまり悪あがきせずに、時間が解決してくれるのを待つ、という解決法もあります。
前半も10分が過ぎてみれば、おおよその構造がつかめてきました。
ポゼッションはよりボール扱いに長ける、ウルブズに分があるようで、試合の支配権を握ります。
序盤こそ激しいボールの奪い合いがありましたが、地上・空中共にフィジカル的にバーンリーが優位だと判ると、3バックはWBを経由して、外から攻めるようになりました。
最初の決定機は、二度ウルブズにやってきます。
まずは前半9分、ヒメネスの左足のクロスが、CKで上がっていたボリーに合いますが、ハートの身を挺したビッグセーブに遭います。
直後の前半10分には、ドハーティのアーリークロスはヒメネスに合わずに、バーズリ―にクリアされてしまいましたが、もう少しでした。
ボランチコンビはあまりボールに触れていませんが、かなり一方的に、ウルブズが攻め立てています。
前半21分、今度はバーンリーにチャンスです。
やはり空中戦でした。
ウルブスの右のストッパー、ベネットも189cmあり、高さに不安は抱えてはいないのですが、バーンズが必ずロングパスをものにします。
後方からのそれに反応すると、二列目から走りこんできたコークに落とし、レノンに展開、サイドを疾走した彼からのクロスの跳ね返りを拾ったバーズリーのミドルでフィニッシュしました。
利き足でない左でのシュートは吹かしてしまいましたが、ゴール前でのチャンスでしたたね。
そもそもバーンリーは、2トップが共にポストプレイと空中戦に勝ってくれるのが、勝利の方程式になっています。
空中戦に関しては、ウルブズのストッパーは共に背は大きいのですが、相手と競り合うタイミングや距離間、先にボールの着地点を予測する力など身長だけではない要素で、差がついてしまっています。
ダイナミックでシンプルなフットボールの、究極形がここにあります。
今日は控えのウッド共々、強力なFW陣なしでは生まれえない戦術です。
前半27分、バーズリ―にイエローです。
ジョッタを無理やり止めてしまいました。
前半28分、今度はウルブズにチャンスです。
ヒメネスのポストプレイも板についてきました。
前半29分、ジョッタがドリブルで深くえぐり、ヒメネスに折り返しましたが、ジョー・ハートに防がれました。
その後の猛攻も、ハートとターコフスキで持ちこたえました。
前半43分のCKのピンチも、まさかのボリーにボールがこぼれてきたときにも、いち早くターコフスキが詰めていました。
前半は0-0で終わりました。
どちらにも流れがあり、それぞれ得意な形を出せていましたね。
現状では、先制点が決勝点になりそうです。
両チームとも、特に変える必要はありませんが、モウチーニョのスタミナだけが心配です。
彼がいなくなった時、大きくバランスが変わると思うので、後半いつ動くのか注目です。
後半開始直後、バーズリーがバックパスの処理を誤り、ジョッタに抜かれ、2対1の局面を作られてしまいました。
ジョッタの横パスをヒメネスが豪快に外してしまいましたが、後半最初はウルブズの流れが来ています。
この機を逃すまいと、ウルブズはハイプレスに出ました。
後半8分、ジョッタのカットインはPKにはなりませんでしたが、素晴らしい突破でした。
後半10分、バーンズに代えて、ヴィドラの投入です。
後半ここまでバーンリーにはいい形が無いので、先に動きました。
チェコ代表の彼には、他の三人にはない、技と動きの多彩さがあります。
後半15分、ヒメネスのゴールで、ウィルバーハンプトンが先制です。
ドハーティがグドムンドソンにエリア内で突き飛ばされながらもマイナスのパスを出して、ダイレクトで逆サイドにコースを変えたヒメネスのシュートがサイドネットに突き刺さりました。
エウデル・コスタにはテイラーが付いていて、ドハーティ―がほぼフリーでエリア内に侵入できたのが決め手でした。
後半20分、そのコスタに代わり、トラオーレの投入です。
後半21分、セットプレイからヴィドラがシュートを撃ちますが、惜しくも枠を捕らえませんでした。
誰かに当たれば入っているような、クロス性のシュートでしたが、詰めていたコークにも当たりませんでした。
後半22分、カウンター防止のチームファウルで、グドムンドソンがイエローです。
最前戦を走っていた、ヒメネスの肩に手をかけてしまいました。
後半24分、ヴォ―クスに代えて、ウッドの投入です。
後半26分、バーズリ―の足をスライディングで払ったとして、ジョッタにイエローです。
後半30分、ターコフスキに初めてミスが出ます。
ドハーティがゴール前のヒメネスにボールを付けたところ、ターコフスキがヒメネスに食いついてしまい、代わりにドハーティがエリア内ゴール正面に侵入、ヒメネスの折り返しを受け、フリーでシュートを撃てました。
ヒメネスにはミーがつくことが出来ていたので、ターコフスキはパスコースを切りながらカバーするか、侵入してくるドハーティにつかなければならなかったと思います。
後半31分、ヒメネスに代えて、ボナティーニの投入です。
後半38分、テイラーが入れ替わろうとするトラオーレの袖を引っ張ってしまい、イエローです。
後半40分、モウチーニョがコークを吹き飛ばし、イエローです。
後半41分、ジョッタに代えて、ギブス・ホワイトの投入です。
結果1-0でウォルバーハンプトンの勝利です。
ウルブズの戦い方はいつも通りで、特に変わったことは起きませんでしたが、勝ててよかったですね。
なんだかんだ言っても、2連勝です。
ボランチコンビの活躍はありませんでしたが、ウイングが日替わりで活躍してくれています。
このまま続けていけばいいと思います。
一方バーンリーは、ターコフスキとハートの鉄壁の守備で、何度もピンチを跳ね返し続けました。
あとは攻撃陣がこれに応えるだけだと思います。
連敗中ではありますが、こちらもこのまま続けていけばいいと思います。
英国式パワーフットボールは、ドイツ式のものと違って特に工夫されているものではないので、そもそも対策できる類のものではありません。
昨シーズン通用したので、今シーズンも通用すると信じましょう。