プレミアリーグ第5節 エヴァートン vs ウェストハム(9/17) 試合後感想
1勝3分けと今年もさっぱりしないエヴァートンと、4連敗と、最悪といっていい状態のウェストハムの対決です。
エヴァートンはようやく、リシャルリソンが出場停止から帰ってきます。
攻撃面では、未だ彼に依存したチームのままです。
シグルドソンの調子が上がらず、アンドレ・ゴメスやベルナールが出場しなかったので、攻撃は機能不全のままでした。
しかし守備は堅いです。
怪我人もいますが、新加入のズマとホルゲイトがピックフォードを中心に、しっかり守っています。
ズマは技術の無さからシティを追われましたが、彼の魅力は身体能力です。
セルヒオ・ラモスやリュディガーと同じエリートアスリート系で、抜かれても追いつくというスピードと、競り合いに決して負けないというパワーを兼ね備えています。
相方のホルゲイトも比較的似ているので、知性面で不安は残りますが、ここまで堅い守備力なら、個の力で崩してくるチームは全て押し返せるでしょう。
この試合で攻守が揃うので、期待したいと思います。
一方ウェストハムは、内容はそこまで悪くありません。
期待値が高すぎただけで、本来は新加入選手が多く、前半は躓くのは想定の範囲でした。
とはいえ、4連敗はキツすぎます。
今節の相手は、決して完成度の高いチームではありません。
ここで勝つか引き分けられなければ、ドラスティックな改革を迫られるでしょう。
スタメンの発表です。
ボランチは結局、ゲイエとシュナイデルランのベテランコンビです。
一方、右SBはケニーという、若手選手です。
全く分からないので、すごく楽しみです。
控えにも、ドーウェルという選手が入りました。
出番を期待したいと思います。
あと、リシャルリソンは帰ってきませんでした。
ベンチにもいません。
一方、ウェストハムは大きく変わりました。
右SBには、サバレタが今季初出場です。
中盤も右からヤルモレンコ、オビアング、ノーブル、ライス、F・アンデルソンと初めての組み合わせで未知数です。
分からないことが多く、どうなるかふたを開けてみないとわからない、楽しみな試合になりそうです。
ウェストハムは4-1-4-1で、ライスがアンカーのようです。
インサイドハーフを務めるノーブルとオビアングは、左右にポジションチェンジすることもあるようです。
前半9分には、ゲイエのロングパスから、キャルバート・ルーウィンに一発でロングパスが出ました。
ここまで何度も、ロングパスでお互いにカウンターを仕掛けあっています。
プレミアらしく、ゴールの近いフットボールです。
前半10分、ヤルモレンコのゴールで、ウェストハムが先制です。
オビアングのパスを受けたアルナウトビッチがゴール前で横パス、自分でも打てたかもしれませんが、彼らしい優しい横パスでした。
受けたヤルモレンコも、簡単だったと思います。
前半14分にも、アルナウトビッチからヤルモレンコに、受け手に優しいパスが出ました。
最後のノーブルのシュートが雑でしたが、ウェストハムはここまでミスを少なくやれています。
前半17分、キャルバート・ル―ウィンがイエローです。
自分のトラップミスからノーブルにボールを取られてしまったので、仕方なく止めにいってしまったのを取られてしまいました。
前半24分、ようやくエヴァートンにもチャンスが訪れます。
ディーニュのアーリークロスから、トスンが打点の高いヘディングシュートを放ちました。
これはファビアンスキに止められましたが、ようやく形が出来ました。
これまでエヴァートンの攻撃の形といえば、相手から奪い取ったゲイエが無理やり一発でキラーパスを送ろうとするくらいでしたが、ことごとくカットされていました。
ポゼッションはウェストハムが7割以上でしょうが、サイドからなら可能性がありそうです。
前半30分、ヤルモレンコの2得点目で、ウェストハムが追加点、2-0です。
ロングボールを競り合ったノーブルとディーニュが共につぶれ、転がったボールを拾ったヤルモレンコが一人でエリア内まで持ち込み、得意の形である、右からカットインしての左足のシュートでした。
対面したディーニュとズマは、ヤルモレンコの利き足を把握していませんでしたね。
左足でのプレーだけは、制限するべきでした。
前半33分、またしてもディーニュのクロスが、チャンスになりました。
ゴール前にいたシグルドソンにピンポイントで合い、惜しかったのです。
決定機が無いわけでは、ありません。
前半36分にも、トスン自ら奪い取ってのミドルシュートがありました。
ファビアンスキのビッグセーブと、味方のポジショニングミスが無ければ、充分決められるチャンスでした。
前半39分、ウォルコットに飛び膝蹴りを見舞い、マスアクにイエローです。
前半43分、シュナイデルランに代えて、ベルナールの投入です。
走ってベンチに帰ってきましたが、怪我かもしれません。
この時間帯の交代はあまりないことなので、心配です。
前半46分、シグルドソンの得点で、エヴァートンが1点を返します。
前半最初の頃はなかなかパスが回ってこなかったケニーが、良いクロスでアシストできました。
クロスもピンポイントでしたが、シグルドソンのヘディングも見事でしたね。
前半を終了してみると、結果は2-1で、内容は肉薄してきました。
20分過ぎには、ウェストハムがずっとポゼッションする流れで一方的なものになるかと思いましたが、エヴァートンも徐々に自分たちの戦い方を見つけ、五分五分にできました。
自分たちの流れの時に得点できたウェストハムがリードしましたが、後半は分かりません。
後半5分、キープしていたボールをベルナルドに奪われ、無理やり奪い返しにいったため、アルナウトビッチにイエローが出ました。
後半7分にも、カウンター防止のため、サバレタがベルナルドを倒し、イエローをもらってしまいました。
この二つのプレーに象徴されるように、後半開始直後から、ウェストハムは球際に激しくいっています。
平均的な上手さでも上回っているだけに、勝利を盤石にしようとする表れです。
後半15分、アルナウトビッチの得点で、ウェストハムがさらに追加点、3-1とします。
オビアングとの単純なワンツーで4人のDFを無効化し、中央を攻略、最後はスライディングでのダイレクトシュートでした。
エヴァートンにとって、このようなシンプルな失点は、受け入れられないものです。
試合が終わったら、組織守備の構築を、見直さなければなりませんね。
後半18分、アルナウトビッチに代えて、アントニオの投入です。
痛みを抱えての交代になりましたが、たいしたことはなさそうです。
後半20分には、エヴァートンのカウンターが成功しましたが、ウェストハムの組織守備の前にチャンスを作れませんでした。
チームの完成度に、差を感じます。
後半23分、トスンに代えて、ニアセの投入です。
中盤をコントロールされていたので、人数を少なくするわけにもいかないのが、辛いところです。
後半25分、ノーブルに代えて、カルロス・サンチェスの投入です。
クローザーとして、理想的な交代です。
ルーカス・ぺレスが盛んにカメラに抜かれていますが、勝っているので、出番はないはずです。
後半29分、ロングカウンターの場面で、中央にインナーラップしてきたウィルコットを倒してしまい、ライスがイエローです。
後半31分、ウィルコットに代えて、ルックマンの投入です。
後半36分、ヤルモレンコに代えて、スノッドグラスの投入です。
後半38分、ディーニュからのクロスを、中央でニアセが合わせましたが、惜しくもクロスバーに直撃、入りませんでした。
ウェストハムの守備も、ゆるくなってきている感じがします。
最後まで気を引き締めてほしいところです。
後半43分、ウェストハムの、おそらく最後のカウンターは、可能性のないものになりました。
F・アンデルソンからパスを受けたアントニオが、個のフィニッシュに拘り、チャンスを潰してしまいました。
後ろから来ていたアンデルソンを使えば、無人のゴールに流し込めたはずです。
後半45分、アタッキングサードでクロスと見せかけて切り返したところで、ベルナルドの足を払ってしまい、スノッドグラスがイエローです。
結果、3-1でウェストハムが勝利しました。
やっと初勝利です。
控え選手は全く機能せず、不満が無いこともないのですが、四の五の言っていられる状況ではありませんでした。
勝つことが特効薬だっただけに、勝利に美酒に酔いしれましょう。
一方エヴァートンは、初の敗戦です。
チームとしては、いいところがありませんでした。
両SBの動きが良かったことが、救いですね。
これといった戦術も感じず、空気も良くないので、監督交代してもいいかもしれません。