プレミアリーグ第11節 チェルシー vs クリスタルパレス(11/5) 試合後感想
チェルシーは、ここまでユナイテッドやリヴァプールには引き分けたものの、中位以下のチームには複数得点で勝利しているように、この試合も楽観的に臨めると思います。
アザールも帰ってくると思うので、快勝してELにつなげたいところです。
そのELも全勝中なので、憂いは何もありません。
一方、クリスタルパレスは前節アーセナルに引き分けて、潜在能力の一端をようやく見せ始めました。
基本的にタレントはいるので、もっと結果を出せないとおかしいはずです。
戦術的に整理できれば、この試合もいい戦いができるでしょう。
負けて当然ということはありません。
スタメンが発表されました。
チェルシーの中盤にはバークリーが入り、前線は右からペドロ、モラタ、ウィリアンになりました。
コバチッチとアザールは、セスクやザッパコスタと共に、ベンチからです、
パレスはいつも通り4-4-2ですが、中盤と前線に変更がありました。
中盤は、右からマッカーサー、クヤテ、ミリヴォイェビッチ、マイヤーで、前線はタウンゼントとザハのコンビです。
4-3-3でも、おかしくないですね。
マイヤーがスタメンです。
とても賢い選手なので、観ていて楽しいです。
アユーは、セルロートと共にベンチからになりました。
また、久しぶりにケリーがベンチ入りしました。
勝ちパターンとしては、最大の武器であるザハの突破力、決定力を活かしたいのですが、左サイドからではアスピリクエタとリュディガーに付かれてしまいます。
なんとかして、右から攻める方法を考えなければなりません。
また、それぞれジルーとベンテケがいないので、無理攻めはできません。
先制することが大事になりそうです。
試合が始まると、マルコス・アロンソの位置が高いのが目立ちます。
パレスの右SHを務めるマッカーサーは、本来ボランチなので上がっていくことがありません。
自然と受け身になり、アロンソに攻められてしまっています。
バークリーやウィリアンと共に左で回すことで、ボールをザハから最も遠い位置に運ぶことにも成功しています。
前半13分、パレスにもチャンスが訪れます。
バークリーのサイドチェンジのパスをカットしたヴァン・アーンホルトが、前線のザハにパス、ポストプレイを受けて一人で駆け上がりました。
アタッキングサードで出したクロスは誰にも届きませんでしたが、数少ない決定機でした。
ザハに届けば、分からなかったと思います。
基本的に、チェルシーが支配し続けることになると思うので、カウンターが機能するかが、パレスの生命線になります。
パレスはしっかり守って、3タッチ以内にパスを捌くようにしているので、チェルシーのショートパスの多さも相まって、こまごまとしたスピーディーな展開です。
ロングパスがほとんどないので、プレミアらしさが無く、決定機も少ないのですが、ボールが中盤を行き来するのも、独特の緊張感があります。
前半25分、ザハの単独突破は可能性がありましたね。
ダビド・ルイスとマルコス・アロンソとの1対2でも、やれそうです。
中盤のもつれあいが続きましたが、パレスはロングカウンターがやはり機能しそうです。
前半29分、またもザハのカウンターが発動しましたが、アスピリクエタとカンテに挟まれてしまいました。
彼ら二人は、攻撃時のCK時にはカウンターに備えて、後方に構えています。
この二人に付かれたら可能性は無いと思うので、パレスにとって、CKのカウンターは難しそうです。
後半30分、モラタの得点で、チェルシーの先制です。
ペドロの2回目のクロスを、モラタは良くコントロールしました。
1回目のクロスは、トムキンスが弾いたのですが、またペドロのところにいってしまいました。
これを受けたモラタも、振りが早かったです。
技術の高さを感じさせました。
前半34分のウィリアンのシュートは、オフサイドになってしまいました。
流れの中から、モラタが右、ペドロが左に開いて、ウィリアンは中央をラインブレイクしていました。
ウィリアンは、トップスピードはもちろんアジリティーにも優れるので、サラーのように得点を重ねることも、できるかもしれません。
セットプレイではキッカーになってしまうのでゴール前にはいられませんが、受け手としてもたいへん優秀です。
前半チェルシーは、完全にコントロールすることには成功しましたが、シュートチャンスはそんなに作れずに苦労しました。
先制できて、一安心といったところでしょうか。
一方、パレスはカウンター狙いにかわりありません。
どこかで引っ掛ける必要があります。
後半は、ボールの獲り所をどこに設定してくるのか、注目です。
後半3分には、自陣最後方で、カンテとペドロに追い掛け回されているにもかかわらず、ヴァン・アーンホルトとマイヤーがクリアに逃げずに、ワンツーを繰り返して後方から組み立てようとするのは、見ごたえがありましたね。
バルサやべティスみたいですね。
アーセナルや、今節のパレスなど、たまにリーガの香りのするチーム、ゲームがありますね。
私事ですが、今シーズンはプレミアしか観る時間をとれていないので、お得な気分です。
後半7分、タウンゼントのシュートで得点、クリスタルパレスが同点に追いつきます。
トムキンスの縦パスも正確だったのですが、それを受けたタウンゼントが一度マッカーサーに落とし、再びスルーパスを受けた時には裏に抜けだしていました。
本来タウンゼントをマークすべきダビド・ルイスは、マッカーサーに寄せにいってしまいました。
アロンソはザハを見ていたので、ゴール前から遠く、マッカーサーにはカンテとリュディガーが近くにいたために、なおさら不可解です。
ダビド・ルイスは完全に、タウンゼントを見失っていましたね。
前に出る守備はできるのですが、後方の守備は相変わらず意識から消えがちです。
後半11分、アスピリクエタのピンポイントクロスに、モラタがヘディングシュートで合わせましたが、ヘネシーの正面でした。
これ以上ないクロスを放っているのだから、モラタには、もう少しヘディングが上手くなってもらいたいです。
後半14分、ウィリアンがミドルシュートを打ちましたが、こちらもヘネシーの正面でした。
マルコス・アロンソのクロスの精度が酷く、チェルシーは左からの攻めも機能しなくなってきています。
後半17分、セットプレイから繰り出されたダビド・ルイスのヘディングシュートは、またもヘネシーの正面に飛び、キャッチされました。
ゴールまで50mくらいのFKで珍しく、ウィリアンが壁の中央にいるダビド・ルイスにボールを出しました。
最近のFKは、まずは一番ファーに出して、折り返すのがセオリーになっています。
大本命のど真ん中にポジショニングした選手に直にボールを送るのは、そうそう見れなくなっていたところです。
後半18分、ウィリアンとバークリーに代えて、アザールとコバチッチの投入です。
後半20分、モラタのシュートで、チェルシーが得点、勝ち越しました。
アザールのドリブルで得たFKであり、キッカーもアザールでした。
壁を抜けたボールを、モラタは押し込むだけでしたね。
パレスの堅牢な守備を、独力で、すぐに崩してしまいました。
後半24分、ペドロのゴールで、チェルシーが3点目、3-1になりました。
マルコス・アロンソの高速クロスが素晴らしかったですね。
ペドロの急加速に、ヴァン・アーンホルトは付いていけていませんでした。
サコはモラタを見ていたので、カバーは不可能だったと思います。
後半25分、マイヤーに代えて、アユーの投入です。
ザハが中盤に下がり、アユーがトップに入りました。
後半34分、ジョルジーニョに代えてセスク、マッカーサーに代えてシュラップの投入です。
セスクはそのまま、アンカーに入りました。
シュラップは左SHに入り、ザハは右になりました。
お互いに運動量が減ってきて、プレスが掛からなくなり、最もプレスが活発だったころと同じように動けるカンテの働きが、一層際立ってます。
パレスには、ミリヴォイェビッチのアンカーでの散らしぐらいしか、効果的な武器がありません。
後半40分、セスクに足を引っかけてしまい、ミリヴォイェビッチにイエローです。
後半43分、ペドロのモラタへの、グラウンダーのベルベットパスがありましたが、リベロに下がったミリボイェビッチのスライディングで、何とかしのぎました。
後半46分、タウンゼントのカウンターからのシュートは、アスピリクエタに防がれました。
決定的だったのですが、何とかスライディングが間に合いましたね。
カウンター自体は、ダビド・ルイスのコバチッチへのバレバレのパスをインターセプトされることによって生まれたものでした。
これだから、アスピリクエタは上がれないのです。
後半47分、アザールのキラーパスによって、モラタは30m以上GKとの1対1でした。
浮き球のシュートは、ヘネシーが立っていたので、そのまま腕の中に吸い込まれました。
モラタは、ハットトリックのチャンスは何度もあったと思います。
結果3-1で、チェルシーの勝利です。
盤石の試合運びではありましたが、パレスはカウンターから得点するチャンスは、何度もありました。
トッテナムがウルブズに肉薄されたように、この試合もスコア以上に接戦だったと思います。
アザールがいなければ、内容通りの結果だったのではないでしょうか。
チェルシーは、セスクがすっかりジョルジーニョの代わりを務められるようになったのが、大きいですね。
このポジションはそうそう真似できるものではないので、シティの様に代役探しは難航するものなのです。
逆に言えば、難なくこなしたということは、セスクにはもっとできることがあるのかもしれません。
デビューが早かったので、ベテランの印象ですが、まだ30歳、移籍も視野に入れた方が彼は輝くかもしれませんね。
パレスは、ザハ、タウンゼント、ミリヴォイェビッチのパフォーマンスは素晴らしかったです。
負けは覚悟出来たゲームなので、ショックも小さいでしょう。
状態は良くなっているので、次に期待です。