プレミアリーグ第12節 カーディフ vs ブライトン(11/10) 試合後感想
19位のカーディフと、12位のブライトンの対戦です。
カーディフは、リヴァプール戦から始めた、ペイターソンをトップとしたシステムに手ごたえを得たのですが、前節も惜敗するなど、結果に恵まれません。
内容は良いと思います。
そして、この形が最も守備力がある気がするので、貫いてもらいたいです。
一方ブライトンは、前々節までは1-0での3連勝を飾るなど、調子は上向いていました。
良く分析してみないとわからないのですが、前節はエヴァートンに1-3で負け、内容も散々でした。
調子が良い時のスタメンに戻すのか、注目です。
スタメンが発表されました。
カーディフは、随分変更がありました。
ペイターソンをトップにしていることは変わりないのですが、左SBにカニンガム、トリプルボランチの一角にロールズ、右のウイングにハリスを使ってきました。
ロールズは久しぶりですね。
守備力のあるプレーヤーなので、期待できます。
ハリスは、まだまだ未知の存在です。
リードやホイレットを押しのけてまで使われるに値する存在なのか、否が応でも試され続けます。
ブライトンは、少しだけ変わりました。
右SBには、モントーヤです。
御年37歳にしてプレミア最年長のブルーノとの激しいポジション争いを、今節は制しました。
完全に奪えるかは、この試合にかかっていると思います。
右SHは、クノッカートですね。
こちらも久しぶりです。
前節後半ロスタイムに負傷したジャハンバクシュは、ベンチにも入りませんでした。
大丈夫でしょうか、心配です。
試合が始まってみると、やはりカーディフは、ハイプレスを仕掛け始めました。
グンナールソンのロングスローも含め、得点はセットプレイに依存するのでしょうが、
前半5分、ダンクがヘディングシュートを決め、ブライトンが先制です。
ゴール前左寄り40m付近のFKでしたが、マーチの左足が正確だったこと、最もファーにいたダンクについていたバンバも競り合いましたが、目算を誤ってしまいました。
失点の発端は、カーディフのシステムの穴です。
カーディフは4-3-3に変更してきて、まだこのシステムに慣れていません。
構造的な欠陥である、アンカーの両脇、今回でいえばグンナールソンからみての右側、マンガの前方のスペースを突かれました。
ハリスの後方のスペースともいえます。
彼は前方に仕掛ける守備、すなわちハイプレスに全神経を注力しているのが見て取れるので、ブライトンの現場の裁量が働いたともいえる、好プレーでしたね。
前半15分にも、押し込んでマーチにエリア内でシュートするなど、ハイプレスを無効化しようと、ブライトンは攻め立てます。
ブライトンはこの時、グンナールソンに右SBのスペースを埋めさせることに成功したので、上がってくるマーチは、2列目からフリーでシュートできました。
ハイプレスに効くのはハイプレスである、という典型です。
体力と気力の尽きるまで戦う、激しい肉弾戦になってきました。
これぞ、プレミアリーグですね。
前半26分、ボングの巧みなドリブル突破から、マレーがこの試合初シュートです。
GKの正面に飛んでしまいましたが、20本打って2点しか決めないモラタと違い、2本あれば1点決めてくるマレーが凄みが違います。
前半27分、ペイターソンのシュートで、カーディフが得点、追いつきました。
カマラサのスルーパスに抜けたハリスのショートクロスを、ボングはなんとか体にあてたのですが、運悪くペイターソンの頭に飛んでしまいました。
ペイターソンは、頭を振りぬくだけでしたね。
ハリスが巧みなドリブル突破で、ボングを手玉に取ったのが勝因です。
ほとんど彼の得点でした。
前半33分、スティーブンスが1発レッドで、退場です。
カニンガムにスライディングタックルをしたのですが、足も上がっていたし、外側からなめるようにでしたが、足首を削っていました。
カマラサにボールをとられ、自分で責任を取りに行った結果です。
前半34分、追加で抗議に行ったペイターソンにも、イエローが出ました。
1発レッド以上のペナルティは無いのだから、余計な真似をしました。
前半38分、マーチに代えて、ビスマの投入です。
4-4-1になりました、仕方ないですね。
これを機に、カーディフが相手陣内で押し込む展開になりましたが、前半43分には美ライトンのカウンターが発動しました。
潰されてしまいましたが、イズキエルドが頼みの綱のようです。
彼が個人技だけでなく、攻守においてチーム戦術の中でも機能するようになってきたら、ブライトンはもっと強くなれると思います。
前半を終えて、スティーブンスの1発退場ですが、やはり厳しい気もしますね。
悪質なタックルであることは間違いないと思いますが、ただ同様のものでも、流されることもあるのが、ここプレミアリーグです。
この2チームの力関係で、レッドが出してしまうと、シーズンの趨勢にも大きな影響が出そうな気がします。
後半10分にも、アタッキングサードで、グンナールソンのロングスローが炸裂しました。
セットプレイで、いつか押し込めそうですね。
後半14分、エリアギリギリ外からの、ハリスのカットインからのミドルシュートが、クロスバーを叩きました。
左足でも、強烈なシュートが撃てるようです。
後半17分、マレーに代えて、アンド―ネの投入です。
マレーは運動量の多いタイプではないので、こういった展開には不向きです。
交代も止む無しですね。
後半22分、モリソンに代えて、ペルティエの投入です。
ここまでモリソンは、何度も不調を訴えていました。
セットプレイでのぶつかり合いが原因なのか、試合前からの体調不良なのかは分かりませんでしたが、なんども奮起しては試合に戻り、試合に悪影響が出る前に自ら退場してくれました。
組織人の鑑です。
素晴らしいキャプテンシーですね。
また、ペルティエはもちろん右SBに入り、バンバがCBにスライドしました。
後半25分、ロングカウンターに抜けだしたアンド―ネにオブストラクションのファウルをして、カニンガムにイエローです。
やや流れが、ブライトンに来ています。
カーディフが押し込んでくれている間は、カウンターのチャンスが残ります。
後半30分、ロールズに代えて、リードの投入です。
リードならば、カウンターから独力でフィニッシュできます。
押し込む必要はありません。
主導権を取り戻しました。
後半36分、ゴール正面30m付近からの、イズキエルドのミドルシュートがありましたが、エザリッジの左腕だけのスーパーセーブがありました。
逆を突かれたために、腕だけのセーブになったのですが、そもそもなぜ逆に飛んだのか分かりません。
ケチをつける気もないのですが、左足のシュートだったので、GKからみて左に飛びますし、実際そうでした。
素直にそちらに飛べばよかったのでは、と思ってしまいます。
後半44分、バンバの得点で、カーディフが追加点、勝ち越しました。
グンナールソンの、ロングスローからでした。
一度はダンクに弾き出されたのですが、バンバのオーバーヘッドがポストを叩き、ペイターソンのシュートがクロスバーを叩き、最後は再びバンバがねじ込みました。
失点の原因を作ってしまっていたので、見事失地を回復しました。
ここまで、猛攻を仕掛ける時間も長かったので、報われました。
得点は認められましたが、よくみたらオフサイドでしたね。
バンバがオーバーヘッドを撃つ前に、出ていました。
結果、2-1でカーディフが勝利しました。
勝ち越し点はオフサイドでしたが、内容からすれば妥当な結果です。
気がかりだった、カーディフのハイプレス戦術が何分続くのか、という問題は、スティーブンスの退場でわからずじまいでした。
モーソンの状態も気になりますね。
折角勝利しても、次節以降あっさり負けては意味がありません。
厳しい戦いは続きますが、粘り強く戦ってほしいです。
ブライトンも、当初のプランは前半30分で、何の役にも立たなくなってしまいました。
カウンターにキレ味が増してきたので、副武器として、主武器のマレーと共に、磨いていってほしいです。
また、すっかりスタメンに定着したカヤルですが、ボランチとして成熟の時を迎えているようですね。
運動量も多く、キックも正確で、展開の起点にもなっています。
それでも、最大の武器はバランス感覚ではないでしょうか。
ポジショニングだけでなく、運動量や技術面で、厄介な仕事を引き受けている印象です。
イスラエル代表なので、馴染みがない人もいるかもしれませんが、生粋のファンタジスタだったヨッシ・べナユンとはまたタイプが違う、魅力的な選手です。