プレミアリーグ第12節 チェルシー vs エヴァートン(11/11) 試合後感想
チェルシーは、ここまで負けなしと、素晴らしい結果です。
左SBの背後のスペースが空くという問題も、マルコス・アロンソが自重することで、大分改善されました。
国内では抑えめに、ヨーロッパではのびのびやればいいと思います。
一方エヴァートンは、前節も勝利して、また調子を取り戻しました。
すっかり、リシャルリソンの1トップが馴染みましたね。
チェルシー相手にアウェイで勝つのは難しいですが、引き分けは十分可能だと思います。
スタメンが発表されました。
チェルシーは基本的にはいつも通りで、コバチッチ、モラタ、ウィリアンが入りました。
ベンチにクリステンセンが入ったのは、珍しいですね。
エヴァートンは、前節と変更なしです。
ベンチに、ジャギエルカが戻ってきました。
前半2分、リシャルリソンのカットインからのシュートで、はじまりました。
これは枠を逸れましたが、得意な形になりつつありますね。
前半3分、CKから、中央にポジションしたアンドレ・ゴメスのヘディングシュートに繋がりました。
決定機でしたね。
チェルシーも全開で入れているのですが、予想外の攻めにやられています。
エヴァートンからすれば、今のうちに取ってしまわないと、ツケが回ってきそうです。
前半4分、エヴァートンのチェルシー対策が、明らかになりました。
ジョルジーニョを封殺するために、2人のボランチとトップ下、1トップの4人で四角形を形成して、彼を閉じ込めました。
なるべくその四角形が小さくなるように、コンパクトにまとめることで、彼にそもそもボールが渡らないようにしています。
ゲイエが広い範囲をカバーできるという長所を活かせなくなるのですが、それ以上にメリットが大きいとみているのでしょう。
結果チェルシーは外でボール回しをせざるを得なくなり、サイドでの勝負が肝になりました。
エヴァートンの左サイドはベルナールなのですが、アスピリクエタとの1対1では、攻撃に回ることが出来れば、勝てます。
ただ、攻守の総合力や、中盤とのコンビネーション、空気を読む力などを総動員されると勝ち目がありません。
ベルナールは突貫小僧なので、1対1で攻撃する状況のみをデザインできれば、デメリットが無くなり、左サイドの不安が無くなるのです。
右サイドは、コールマンとマルコス・アロンソなので、問題ないでしょう。
こうして、ジョルジーニョを封じることで強制的にサイドでの勝負に持ち込み、そのサイドでも勝てる算段にしてきました。
そもそも四角形を形成するには、1トップのリシャルリソンが中盤にも大きくかかわる必要がありますが、彼はもともと中盤のサイドアタッカーだったので、それが可能です。
一方モラタは、80分は消えている選手ですが、サイドからのクロスを本来は苦手としている選手なので、90分消すことも不可能ではありません。
中盤を助けることは、彼にはできないからです。
誤算があるとすれば、アザール対策が出来ていないことですが、まぁ見てみましょう。
普通は、アザール対策をします。
最も危険な彼を無視する、という暴挙に出ましたね。
マルコ・シウバ監督も、自身が実験的な試みをしている実感に興奮しているでしょう。
これでチェルシーが大いに苦しむようなら、他のチームも自分チームで出来る形にアレンジして導入してくるでしょう。
非常に楽しみです。
前半10分、CKのこぼれ球を、ベルナールがミドルシュートです。
カンテが詰めなければ、枠に飛んでいたでしょう。
前半18分、ダビド・ルイスのロングパス対策は、簡単にクリアされました。
対策してきたようですね。
これがダメだと、ダビド・ルイスは自らドリブルで上がってくるのですが、これも相手の思うつぼです。
そもそもチェルシーの選手も、彼の動きに合わせて動いたりせず固まって見てしまうので、単独行動になりますし、ジョルジーニョが追い越したりしないので、ゲイエも四角形の形成にとらわれずに、自由に潰しにいけます。
チェルシーは、大分息苦しいようです。
最終ラインに下りて、ゲームメイクに参加してくるコバチッチだけが自由にやれているので、ここが光明です。
前半22分、モラタとのワンツーで中央を攻略したアザールに、スライディングしたミナにイエローです。
ゴール正面25m付近での、FKになりましたが、マルコス・アロンソのキックはわずかに枠を逸れました。
コバチッチのゲームメイクか、外からアザールに入れば、チャンスがありそうです。
前半26分、シグルドソンから無理に奪い返そうとして、ジョルジーニョにイエローです。
前半29分、これで得たFKで、キーンがヘディングシュートを撃てました。
湧く大きく越えてしまいましたが、またも合わせることが出来ています。
チェルシーはセットプレイの守備でも、不安を抱えていますね。
前半30分、アザールの仕掛けを、コールマンがスライディングタックルで処理しました。
マルコス・アロンソがウォルコットを気にして、あまり上がってこないので、右サイドはエヴァートンが支配できています。
前半32分、カンテがリシャルリソンをその軸足ごと吹き飛ばし、イエローです。
ジョルジーニョの守備力はそもそもあてにしていないので、彼のイエローはどうでもいいですが、カンテのイエローは痛いですね。
前半34分、チェルシーに、子気味良いパスが戻ってきました。
アザールとコバチッチには、エアポケットが見えてきたようです。
前半38分、コバチッチからアザールへパスして振り向いた瞬間に、アンドレ・ゴメスがアザールの足を、引っ掛けてしまい、ファウルです。
後半39分、ゴール前35m辺りのウィリアンのクロス気味のFKに合わせたマルコス・アロンソのシュートを、ピックフォードは良く弾きました。
相変わらず、お互いセットプレイで得点しそうな雰囲気がありますが、アザールとコバチッチは、すでにエヴァートンの守備を攻略しています。
流れの中から得点するのも、難しくは無さそうです。
こういったゲームで消えてしまうから、ウィリアンはバルサやシティのようなチームから呼ばれないんです。
ウィリアンが、さらに一段階レベルを上げるには、このゲームはいいきっかけになるはずです。
前半46分、ベルナールがリュディガーが軽くヘディングを見舞い、イエローです。
リュディガーも、ちょっと触られただけなのに悶絶したので、イエローです。
この2枚は、完全に要らないですね。
どちらもキーマンだけに、致命傷になる恐れがあります。
後半1分、早速アザールが左サイドを攻略しクロス、モラタが合わせましたが、ピックフォードのビッグセーブに阻まれました。
ピックフォードは至近距離のセーブに関しては、神がかっているものを持っています。
後半2分、ダビド・ルイスの早めのフォアチェックがありました。
リシャルリソンの好きにさせない、という意図が読み取れるプレーです。
前に出る守備は、ダビド・ルイスも得意にしていますし、ジョルジーニョの負担も和らげる、正しいプレーだと思います。
HTで、戦術的に修正できたようです。
これに、エヴァートンがどう対応してくるかが楽しみです。
本来、ジョルジーニョが埋めるべきスペースです。
ジョルジーニョは、攻守において全く機能していないので、焦っていますね。
攻撃では周りに見張られて何もできなくても、引き付けることが出来ているので、充分仕事になっています。
問題は守備で、穴になってしまうのは仕方ないとして、最低限自身のスペースを埋めなくてはなりません。
後半12分、ダビド・ルイスからのロングフィードにウィリアンが抜け出し、折り返したクロスの着地点で、モラタがミナと、もみ合いましたね。
PKをもらいに行ったのでしょうが、明らかにモラタは、自分から倒れにいっています。
モラタにイエローが出るべきでしたね。
後半14分、アザールのスルーパスからウィリアンが抜け出し、ミドルシュートに繋がりました。
逆サイドを狙いましたが、ギリギリ枠を逸れました。
もし入っていても、ピックフォードにキャッチされていましたね。
後半15分、ゴール正面25m、アザールのドリブルシュートはピックフォードに防がれましたが、ブレていましたね。
アザールとコバチッチは、すっかりジョルジーニョ対策に順応しましたね。
これでもアザールには何の対策もしないのか、他のチーム同様、対策するとかえってやられてしまうのか、注目です。
後半19分、ベルナールに代えてルックマン、ジョルジーニョに代えて、セスクの投入です。
後半20分、アザールのパスから、マルコス・アロンソが左45度からミドルシュートです。
これは逆側のゴールポストに当たりましたが、もし枠にいっていても、ピックフォードに止められていましたね。
後半22分、ウィリアンに代えて、ペドロの投入です。
セスクはアンカーに入ったこともあり、ジョルジーニョと同じ目に遭っています。
後半26分、アスピリクエタもクロスから、ようやくモラタが点で合わせるゴールかと思われましたが、オフサイドでした。
キーンは、よく我慢しました。
後半27分、ピックフォードに遅延行為で、イエローです。
バイタルエリアで好き勝手やっていた、アザールを見張るようです。
スピードに差があるので、どこまでもついていくわけではありません。
受け渡すタイミングが、巧みです。
これを、フルハムの守備陣にみてもらいたいです。
後半36分、コバチッチに代えて、バークリーの投入です。
ポジショナルプレーが出来ないと消えてしまうので、エヴァートンの選手が疲れてきているとはいえ、バークリーにはまだ難しいと思います。
後半43分、モラタが主審に暴言を吐き、イエローです。
ディーニュから水筒を無理やり奪い取るなど、育ちの悪さが全開です。
後半44分、リシャルリソンに代えて、キャルバート=ルーウィンの投入です。
結果0-0の、引き分けでした。
チェルシーは、してやられましたね。
完全に対策されて、30分以上無駄にしてしまいました。
それでもポジショナルプレーに優れたアザール、コバチッチの活躍で、流れを取り戻しました。
出場時間は短かったですが、ペドロ、セスクも苦にしないでしょう。
カンテは、これが課題です。
同じ作戦を採用してくるチームが出てくるかもしれませんが、すでに何人かは対応できているので、同じ轍は踏まないでしょう。
ダビド・ルイスも、本来の自分のプレーで大活躍できたので、気持ち良かったと思います。
攻守で効いていました。
このブログではワーストイレブンは決めていないのですが、モラタは今節だけではなく、何度か入っているでしょうね。
見事に90分消えていました。
エヴァートンは、アウェイで格上に引き分け、と最高の結果でしたね。
ピックフォードのスーパーセーブが何度もあったので、再現性があるかは分かりませんが、素晴らしい戦いが出来たことは違いありません。