プレミアリーグ第13節 フルハム vs サウサンプトン(11/25) 試合後感想
最下位のフルハムと、17位のサウサンプトンの対決になります。
フルハムは、ついに監督が更迭されました。
ここまで歴代ワースト3の記録という、12節消化しての勝ち点5の状態で、ここまで来てしまったので仕方ないのかもしれません。
新監督は、クラウディオ・ラニエリさんです。
レスターの監督というか、チェルシーの監督というか、ユーべの監督でもありました。
ユーべ時代も、2部から上がってきたチームを翌年3位に、翌々年には2位に導くなど、すぐに強いチームにできる人です。
現役時代はディフェンダーだったからか、守備組織の構築に優れています。
これまでの彼の実績を考えれば、レスターが優勝したのは、実はそこまでミラクルではなかったといえます。
このチームも攻撃力はあるので、守備さえ建て直せば、中位には返り咲ける力はあると思います。
前節も、シャキリのスーパーゴールはともかく、1失点目は注意していればもう少しなんとかできたはずです。
とにもかくにも、守備、特に組織守備だと思います。
一方、サウサンプトンも監督の首もとは涼しいままです。
この試合の結果いかんでは、こちらも監督交代は現実的です。
直近リーグ戦4試合では引き分けが3つと、芳しくありません。
しかも全て中位以下なので、言い訳できませんね。
前節は腰の引けた高いで、勝ち試合を引き分けにされてしまいました。
だらしない結果が続きます。
アウェイではありますが、最下位相手ということもあり、勝利はもはや必須です。
スタメンが発表されました。
フルハムの最終ラインは右から、クリスティ、オドイ、モーソン、ル・マルシャンになりました。
左SBには、CBタイプを置きましたね。
難しいようなら控えに、本職のブライアンがいます。
ボランチは、セリにチェンバースを組ませてきました。
相変わらず、手堅いですね。
控えには、ザンボ・アンギサがいない都合で、ケバノが入りました。
ヨハンセンもいるので多分出番はないでしょうが、どんな選手なのか気になります。
トップ下にはケアニーが入ったので、左SHのセセニョンは守備が免除されていることでしょう。
レスターでマレズにそうしたように、のびのびやらせる方針です。
これまでのパフォーマンスを見る限り、今シーズンに限って今後は、左SBで使われることはないでしょう。
攻撃は、シュールレとミトロビッチにお任せです。
セセニョンに期待できないので、シュールレは守備の負担があることでしょう。
全面的に免除したいところですが、仕方ありませんね。
一方サウサンプトンは、吉田が2試合連続でスタメンです。
この試合も活躍して、是非レギュラーに定着してほしいですね。
バートランドが出場停止で、ターゲットが左SBに入りました。
イングスもいなくて、代わりにガッビアディーニがスタメンです。
現地では4-2-3-1を予想していますが、4-4-2ではないでしょうか。
確かめていきたいと思います。
やはり、サウサンプトンは4-4-2でした。
また当初予想されていた通り、フルハムが受け身になっているので、サウサンプトンの最終ラインの攻撃参加がどの程度機能するかが、この試合の肝になりそうです。
つまり、吉田のロングフィードの精度が問われるのです。
前半4分にオースティンに向かったそれは、悪くなかったです。
これを繰り返す必要があります。
前半5分、いきなりセインツにチャンス到来です。
セットプレイから、アームストロング、ガッビアディーニの惜しいシュートがありました。
リコのスーパーセーブ2連発で、フルハムは事なきを得ましたが、ここまではサウサンプトンの想定通りに進んでいます。
前半8分には、シュールレを起点に、フルハムにカウンターのチャンスが来ました。
これは吉田の対応で未然に防がれましたが、フルハムも攻撃の形は作れそうです。
前半9分、サウサンプトンのFKのチャンスがありましたが、前節辺りから吉田にボールが集める傾向にあります。
吉田のヘディングは、期待されているようです。
あわよくば、得点が欲しいですね。
前半14分、今度はフルハムに、CKのチャンスです。
セリのキックに、チェンバースがニアで合わせたのですが、サウサンプトンの守備はゾーンで守るばかりで、誰も付きに行けていませんでした。
マッカーシーの胸に吸い込まれていきましたが、威力のあるヘディングシュートを撃てることが分かったので、今後は誰か付いた方がいいように思います。
前半17分、アームストロングのシュートで、サウサンプトンが先制です。
レドモンドがドリブルで抉って、マイナスのクロスを上げたのですが、何とかル・マルシャンがクリアしました。
このこぼれ球にいちはやく反応したアームストロングが、エリア外から駆け出してきて、滑りながら流し込みました。
コースを狙ったものではありませんが、早かったので、GKは反応できませんでしたね。
この後は、これまで同様サウサンプトンがポゼッションできているのですが、フルハムは守備が上手くなりましたね。
単純に、ボールを持っている相手に最も近い選手が至近距離までプレスをかけるだけなのですが、ミスを誘発する、良い守備になっています。
全くサボらないのも、好印象です。
そこそこ高い位置で、奪うこともできています。
前半31分、ミトロビッチの得点で、フルハムが得点、追いつきました。
シティばりの、ダイレクトプレーの連続でした。
オドイからチェンバースに縦パス、左後方にいたセリに戻して、ミトロビッチに縦パスが入ります。
ミトロビッチはポストプレイで右後方にいたチェンバースに戻して、カットインしてきたセセニョンにスルーパス、ケアニーに横パスが入り、オーバーラップしてきたル・マルシャンにフライスルーパスが入りました。
そして最後は、ル・マルシャンのショートクロスに、ミトロビッチがヘディングで合わせました。
オドイからフィニッシュまで、全てダイレクトプレーです。
最後の場面では、吉田もフートもターゲットも、足が止まっていましたね。
ボールを見てしまっていましたが、仕方ないと思います。
こんなのは防ぎようがありません。
フルハムは、完全に生まれ変わりましたね。
もはや弱小チームとは呼べないと思います。
前半41分、吉田のロングフィードが、ゴール前のオースティンに届きました。
フリーではなかったので、良いシュートにはなりませんでしたが、後は受け手の問題ですね。
前半42分、シュールレの得点で、フルハムが勝ち越しに成功です。
セセニョンがセドリックを翻弄して大外へロングクロス、逆サイドにいたシュールレが静かに流し込みました。
CBの二人には、できることはありませんでした。
ターゲットはスライディングしましたが、間に合いませんでしたね。
シンプルにワイドの二人で、解決しました。
前半46分、モーソンにイエローです。
ガッビアディーニに、深いスライディングをしてしまいました。
前半を終えて、サウサンプトンは2失点しましたが、カウンターはほとんど機能させていないので、守備はとりあえずこのままでいくしかないと思います。
あとはセットプレイで、吉田の頭を狙う以外にも攻撃の形が作れると、逆転の可能性が生まれます。
もはや、相手より得点するしか、勝つ道はないですね。
一方フルハムは、全く違うチームになりました。
ポテンシャルはあったのですが、いよいよ発揮できそうです。
監督が代わるだけで、こうまで効果が出るものかという典型です。
後半は一転、サウサンプトンペースです。
アームストロングが左サイドに流れてきて、レドモンド、ターゲットと共に数的優位を作っています。
片側に人を集めているのですが、フルハムはまだ手を打っていません。
後半5分にも、またもダイレクトプレーの連続で、得点まであとわずかでした。
ホイビェアのクリアが無ければ、セセニョンが詰めていましたね。
後半8分、またもアームストロングの得点で、サウサンプトンが追い付きました。
セドリックがガッビアディーニとワンツーをし、2列目から上がってきたアームストロングがダイレクトで、ミドルを突き刺しました。
ゴール右上隅だったのと、他にもシュートコースがあったことから、GKはどうすることもできなかったとみていいと思います。
後半13分過ぎには、フルハムの寄せが甘くなってきました。
疲れてきたのでしょうが、前半同様やり切るしかありません。
どこかでもう一度、全員のスイッチを入れなければなりません。
後半17分、ミトロビッチの得点で、フルハムが再び逆転です。
クリスティのクロスをセセニョンがヘディング、これはミートしませんでしたが、たまたま跳ねたボールがミトロビッチの足元に飛びました。
これをしっかりとコントロールして、蹴り込みましたね。
ミトロビッチにはセドリックがついていたのですが、寄せきれていませんでした。
それよりも戦犯は、吉田です。
セセニョンにフリーで撃たせて、アシストさせてしまいました。
そもそも良いボールではありませんでしたが、セセニョンとしっかりと競り合えていれば、もっと難しいボールにできたと思います。
ここだけを切り取れば、吉田だけに責任を押し付けるのはフェアではないように感じるかもしれませんが、サウサンプトンの守備の要として、もっとできることはあると思います。
後半22分、ホイビェアにイエローです。
ケアニーに、スライディングタックルしたものです。
カウンターの機会阻止ですが、決して危険なものではありませんでした。
後半23分、セリに代えてヨハンセン、オースティンに代えてエルユヌッシの投入です。
サウサンプトンは、ガッビアディーニの1トップになりました。
エルユヌッシは、右SHに入りました。
後半28分、シュールレに代えて、カマラの投入です。
後半35分、アームストロングに代えて、オバフェミの投入です。
このあとは、サウサンプトンがなんとかゴール前へボールを運ぼうとしましたが、なかなかそれには至りませんでした。
フルハムも、セセニョンがカウンターに抜け出しても中央にいくのではなく、コーナーで時間を稼ごうとするので、局面は膠着しました。
代わって入ったオバフェミが、その高い身体能力を散発的に発揮しましたが、チームメイトとの連携は無く、それほど効果的には働くことはありませんでした。
潜在能力が特大にある予感がするので、今後はスタメンで使ってもらいたいですね。
後半40分、ミトロビッチに代えて、アイテの投入です。
結果3-2で、フルハムが勝利しました。
フルハムは、監督交代が功を奏し、生まれ変わったように強くなりました。
守備を強化することが期待されたのですが、どちらかといえば、攻撃力が上がりました。
魅惑のダイレクトプレーには、しびれましたね。
シンプルかつ強力なプレーは、かつてのレスターを想わせます。
この調子なら勝ち続けることが出来る、という期待を抱くのに、十分なプレーを見せていただきました。
一方サウサンプトンは、アウェイとはいえ敗戦でした。
いっそ、監督交代するのもありだと思います。
このままでは、光明が見えませんね。