プレミアリーグ第13節 ウォルバーハンプトン vs ハダースフィールド(11/26) 試合後感想
11位のウォルバーハンプトンと、19位のハダースフィールドの対決になります。
ウルブズは、前々節までは3連敗と苦しんでいましたが、前節はアーセナル相手に、勝利目前まで行きました。
引き分けは残念でしたが、勝利に値する内容だったので、余勢をかって、この試合は是非勝利したいところです。
下位相手のホーム戦なので、観客のボルテージも最高潮だと思います。
内容は要らないので、とにかく結果を出しましょう。
一方ハダースフィールドは、だんだん調子を上げてきました。
前節も勝利に値するとまでは行きませんでしたが、勝っても全くおかしくない内容でした。
加えて、とにかく全力で戦っていたのが好印象でしたね。
出し尽くしているのが伝わってきたので、応援しがいのあるチームです。
下位のチームというのは、先のことを考えて出し惜しみしてもしょうがないので、スタッフ、サポーター含め、一試合一試合、目の前の試合に全力で取り組むしかないのです。
この試合もアウェイなので、内容とか結果とか考えず、全力でぶつかるだけです。
スタメンが発表されました。
ウルブズの中盤以下に、初めて変化がありました。
左のWBに、ヴィナーグレが入ったので、注目したいと思います。
他には、変化はありませんでした。
ハダースフィールドは、こちらも左WBに変化があり、レーベからドゥルムになりました。
共に怪我による抜擢のようですが、結果を出して欲しいですね。
右のストッパーには、トニー・スミスが今季初出場です。
前節大活躍した、プリチャードともども、頑張ってもらいたいです。
控えには、珍しくスタンコビッチとウィリアムズが入っているようで、出番があれば注目したいです。
前半5分、ムーイの得点で、ハダースフィールドが先制です。
ビリングが左サイドでキープして、オーバーラップしてきたドゥルムに渡しました。
その左からのクロスをダイレクトで、2列目から駆け上がってきたムーイが、ミドルシュートを突き刺しました。
ボリーとネべスが良くつめましたが、ウルブズの最終ラインはプリチャードとムニエに釣られてしまっていましたね。
早くも均衡が崩れてしまったので、ハダースフィールドはどう時間を使うのか、悩みどころです。
前半10分には、エリア内に入り込んできたにカバレイロに、コンゴロがスライディングタックルでクリアし、危うくPKでした。
アマチュアチームにありがちな、リードしている方がボールを持たせられ、カウンターを喰らって失点を重ねるという展開に、雰囲気が似てきています。
ハダースフィールドは、無理に攻め込まなくていいと思います。
ただ後方で回していると、自陣に近いので、奪われた時がより危険になります。
それで失点を重ねるのも多くの事例があるので、敵陣にいるウイングに持たせて攻め込まない、というのが正解だと思います。
前半13分には、3対3になったので、プリチャードは強引にいきましたね。
全員の共通理解を得るのが難しい局面もありますが、こういう時は、後方の理解を得られると思うので、無理していいと思います。
前半21分、ハデルジョナイのクロスに、ムニエが中央で合わせようとしました。
コーディ―にブロックされそうになりましたが、空中戦の1対1なら勝ち目がありそうです。
外側で回しながら、チャンスを見て放り込むのが、必勝パターンになりそうです。
前半23分、カウンターで抜け出したプリチャードに、コーディ―が深いスライディングタックルです。
足首をえぐり取るような、強烈なタックルでしたが、カードは出ませんでした。
これを採らないとなると、荒れるかもしれません。
前半30分には、ゴール前でビリングのシュートがありました。
サイドからのクロスにダイレクトという、同じ形です。
ウルブズはこれまで、シュートがありません。
ハダースフィールドの、外側で回すボールキープに対応できていませんでしたね。
さらにハダースフィールドは、片側に人数を集めることで、ポゼッション率を大きく上げるという工夫もしています。
ムーイがロンドの中心に位置したり、右サイドに移動したりして、全体のバランスをとっています。
ムーイの、オフ・ザ・ボールの賢さを最大限活用した戦術です。
前半36分には、CKから、ムニエが今度は195cmのボリーを吹き飛ばしながらヘディングシュートに成功しています。
GKの正面にいってしまいましたが、まだまだとれそうです。
前半46分、シンドラーが後ろからヒメネスにきついタックルにいき、主審から注意されました。
次やったら、カードが出そうです。
前半47分、CKから、またもムニエが、空中戦に勝ちました。
最後はネべスが、競り合っていました。
パトリシオのビッグセーブで事なきを得ましたが、いつ取られてもおかしくありません。
ウルブズは、後半はセットプレイの守備にも改善が必要です。
全体的にはゾーンなのですが、マンマークする選手の、最初の立ち位置に修正が必要です。
一方ハダースフィールドは、ここまで上手くいくのかというくらい、何も憂いがありません。
前半は、ムーイ劇場でしたね。
あまりボールには触っていませんでしたが、実質的に彼が支配していました。
彼の賢さが前面に出て、ウルブズは良いところが全く出ませんでした。
普段Jリーグを見慣れている人は、そんなにすごいのかと不思議に思うかもしれません。
日本人選手は賢い選手が多いので、分かりづらいのは事実です。
しかし、仮にムーイがJに来たら、トータル的にはもちろん、オフ・ザ・ボールの動きでは、おそらくトップレベルの選手だと思います。
フロンターレの中村選手に、肉薄する凄さではないでしょうか。
仮にも、オーストラリア代表の10番です。
もっと言えば、体力的には上回っているでしょうから、質は同等でも、量で勝ります。
Jリーグに来たら、実力的には充分にMVP候補ですね。
このレベルの選手が残留争いをするチームという事実が、プレミアリーグのレベルの高さを物語っています。
HT終了後、カバレイロとモウチーニョに代えて、トラオーレとギブス=ホワイトの投入です。
後半5分には、トラオーレが体の強さを活かしたドリブル突破でチャンスを作りました。
ゴール前で、前には進めないものの横にドリブルしながら、ビリングとシンドラーのチェックを受け、ファウルをもらいました。
ゴール左寄り33mくらいの位置で、FK獲得です。
後半7分、カウンターからプリチャードが抜け出しましたが、またもファウルを取ってもらえませんでした。
ベネットは完全に遅れて、後ろからスライディングしましたが、何もなしです。
まだエリア内でもなかったので、獲って良いと思います。
後半10分、ヒメネスのヘディングシュートが、ゴール中央に飛びましたが、ビリングがバイシクルキックで掻き出しました。
すごい運動能力ですね!
これも、トラオーレのドリブル突破が起点でした。
後半13分、ビリングのミドルシュートです。
エリアギリギリ外から巻いて蹴る軌道でしたが、惜しかったです。
ビリングは、積極的に撃っていますね。
後半14分、ホッグにイエローです。
ネべスに足を引っかけたビリングはお咎めなしで、ヴィナーグレを後ろから押したホッグはダメかぁ。
ホッグの方は、ここを抜ければカウンターで一発なのでイエローは当然ではありますが、主審がイエローカードを持っていたことに驚きです。
ケビン・フレンド主審は、どこかに忘れてきちゃったのかと思っていました。
怪我人が出るのを楽しみにしている、サディストなだけでしたね。
観客と違って審判は相当程度介入できるんで、止めてもらいたいです。
後半20分、コンゴロが、自陣ゴール前左前方で動けなくなっていたので、オフサイドが取れず、ヒメネスのカウンターが成立しそうになりました。
コンゴロを除いた最終ラインからは10m以上出ていたので、なぜ旗が上がらないのか、すぐにはわからなかったです。
後半23分、今度はコスタのスルーパスから、ヒメネスがエリア内に抜けだしましたが、シュートまでには至りませんでした。
これも、トラオーレがトラップすると見せかけて、スルーしたのが効きましたね。
後半27分、またもムーイの得点で、ハダースフィールドが追加点です。
ゴール前26m付近、やや右寄りから右足でのキックで、右の下隅に決めましたね。
素晴らしいキックでした。
ビリングのドリブルで得たFKだったので、この試合のMVPがムーイかビリングか迷うところですが、やはりムーイでしょう。
後半29分、コスタに代えて、ジョッタの投入です。
後半31分にも、トラオーレの単独突破がありました。
この人は、単純にすごく足が速いですね。
昔のロッベンやレノンを見ているようです。
なぜレギュラーじゃないのか、不思議です。
後半32分、ネべスの迂闊な横パスを、ムーイがカットしました。
これは最後にフィニッシュしたムニエが打ち上げてしまいましたが、ムーイは守備も冴えています。
後半40分には、プリチャードがエリア内で滑って、倒れました。
自ら滑ってしまったので、カードやPKが出ないのはいいのですが、倒れた時にベネットが多い被さってきたので、後頭部をうってしまいました。
にもかかわらずケビン・フレンド主審は、すぐ立つようにと指示していました。
ウルブズのサポーターならいざ知らず、中立なはずの審判とは思えない、鬼っぷりです。
後半41分、ネべスにイエローです。
カウンターに赴く、プリチャードにスライディングしたためです。
カウンターの機会阻止にはイエローを出すので、一貫してはいます。
後半46分、プリチャード、ビリング、ホッグに代えて、ムベンザ、ウィリアムズ、スタンコビッチの投入です。
そのままのスイッチのようです。
スタンコビッチはCBかと思っていましたが、ボランチに入りました。
後半49分、ペナルティアークでの絶好の、最後のFKがありましたが、ネべスは外してしまいました。
結果0-2で、アウェイのハダースフィールドが勝利しました。
ウルブズは後半トラオーレが入ってからは、流れが良くなったのですが、あと一歩足りませんでした。
一方ハダースフィールドは、素晴らしい出来を披露した選手が多かったですね。
プリチャードは前節に引き続き素晴らしく、ビリングは攻守に大車輪の活躍でした。
しかし何といっても、ムーイです。
これは絶対ステップアップしますね。
この試合は、結果内容共に、最高でした。