プレミアリーグ第4節 ウェストハム vs ウォルバーハンプトン(9/1) 試合後感想
20チーム中、唯一3連敗を喫したウェストハムと、2分1敗とこちらもピリッとしないウォルバーハンプトンの対決です。
結果はどちらも最悪に近いものがありますが、内容は違います。
特にウェストハムは、前節アルナウトビッチとフェリペ・アンデルソンが違いを見せつけました。
前者はイブラヒモビッチのような技術・フィジカルを持ち、後者はネイマールのような技術・スピードを持っています。
共にリーグの顔になれる才能の持ち主です。
今まで評価されてこなかったのは、好不調の波が大きく、チームが連敗するなど難しい立場に置かれることが多かったからです。
そういった意味では、今シーズンも二人は巨大なプレッシャーと立ち向かわなければなりません。
しかし一つだけ違うのは、今シーズンのウェストハムは新加入選手が多く、批判されるのは彼らだけではないということです。
ペジェグリーニ新監督が恐れずに新戦力を大量に起用するので、メディアの矛先が色々な方向を向いている今こそ、活躍するチャンスです。
チーム力を結果に還元するには時間が掛かるでしょうが、サポーターもいつまでも待ってくれるわけではありません。
是非この試合結果が欲しいです。
一方、ウォルバーハンプトンは前節シティ相手に引き分けました。
このことは多くのチームに衝撃を与えたと思います。
相手の弱点を突いた戦術もさることながら、積極性にも面喰らいました。
ボランチのポルトガルコンビはキープ力があるだけでなく持ち上がってのミドルもあります。
またウイングのコスタ、ジョッタ、トラオーレもカウンター時のスピードには大変迫力がありました。
試合の展開としてはウェストハムが持ち、ウォルバーハンプトンがカウンターを狙う形になると思います。
決して下位チーム同士の戦いではない、レベルの高い戦いが見られることは間違いありません。
スタメンが発表されて、ハマーズは、アントニオが前節に続き先発です。
ボランチコンビもカルロス・サンチェスとウィルシャーで、こちらも前節と同じです。
監督も先週の戦いに手ごたえを感じている証拠だと思います。
一方 ウルブズはメンバーは一緒ですが、最終ラインの並びが変わりました。
地上空中共にアルナウトビッチに唯一対抗できるボリーを、3CBの中央に起用しました。
本来彼はストッパーなので、ラインコントロールなど最終ライン全体が不備をきたさないか、注目したいとおもいます。
はじめはウェストハムがポゼッションする流れを想定していたのですが、どちらかといえばウォルバーハンプトンが保持しています。
本来3CBの中央を任されているコーディのロングフィードが正確なのと、中盤より以前のポジジョニングが距離感含め絶妙なので、サイドを起点にダイナミックでありながら緻密なチームになっています。
以前にヌーノ監督を素人扱いしたことを撤回させてください。
申し訳ありませんでした。
素晴らしいチーム作りです。
今後勝てるかは分かりませんが、チームの潜在能力は引き出し始めていると思います。
前半12分にディオプのハンドを見逃されたのは、不運でした。
猛攻を仕掛けることには成功しているので、崩して欲しいと思います。
一方ウェストハムは、構図は逆にはなりましたがあまり気にする風でもなく、コンパクトに戦っています。
中央でカットできたら、カウンターを繰り出すはずです。
フェリペ・アンデルソンがトップ下なので、ボールを受けた彼が一人でも抜けば、一気に得点機もしくはセットプレイの獲得チャンスがやってくるでしょう。
しかし、前半23分にフレデリクスがイエローカードをもらってしまいます。
前半34分のスノッドグラスのFKも、ボリーに跳ね返されていました。
中々チャンスが作れないまま、前半が終わってしまいました。
お互いにコンディションは悪くなさそうで、守備におけるミスも少なかったです。
暑そうなので、消耗戦になりそうです。
後半は攻撃陣の集中力で勝負が決まる気がします。
HT終了後、スノッドグラスに代えてヤルモレンコの投入です。
構図はあまり前半と変わらないのですが、ウェストハムはサイズのあるヤルモレンコ(189cm、81㎏)がいるために、CK獲得を狙っているように見受けられます。
早速後半5分、CKを獲得して、フェリペ・アンデルソンのキックから新加入のバルブエナがフリーでヘディングを放てたのですが、ゴール前で下にたたきつけてしまい、ゴールキックになってしまいました。
ここまでほとんどチャンスが無かっただけに、光明が見えてきました。
後半9分もアタッキングサードでのスローインで、ウィルシャーとヤルモレンコのワンツーからアルナウトビッチがキープしたのですが、シュートまでには至りませんでした。
後半11分にも、ゴールラインぎりぎりで折り返したアルナウトビッチのクロスを、アントニオがふわりとしたヘディングで枠ギリギリを狙ったのですが、GKのビッグセーブに遭いました。
ここまで後半ずっと、ウェストハムの流れです。
後半14分、再びウルブズがキープする流れになってきたところで、ドハーティに対するファウルでクレスウェルがイエローカードをもらいました。
後半15分ジョタに代えて、トラオーレの投入です。
ウルブズの攻撃の肝は、ウイングにあると思います。
彼らの打開力が、少人数での攻撃を成立させてくれています。
ディエゴ・ジョタ、アダマ・トラオーレ、エウデル・コスタ、この三人は覚えておいて損は無いと思います。
後半17分、ウィルシャーに代えてオビアングの投入です。
疲れていたので仕方ありませんが、攻撃の要であった彼がいなくなるのは痛いです。
オビアングはより守備的な選手で、先行していれば守備固めに機能しますが、スコアレスな現状、攻撃面で機能させるのは難しいです。
後半26分、コスタに代えて、ボナティーニの投入です。
後半27分、早速ボナティーニに決定機でしたが、GKとの1対1を制することが出来ませんでした。
ルイ・パトリシオもファビアンスキも共にいいGKですね。
後半29分、アントニオに代えて、チチャリートの投入です。
後半31分、オビアングの力のあるミドルシュートです。
ぎりぎり枠には飛びませんでしたが、彼自身の激しい悔しがり方から、彼のクローザーである立場を越えて、勝ちたい気持ちが伝わってきました。
後半32分、ウルブズの両WBのサイドチェンジからのクロスが、ヒメネスにゴール前で通ったのですが、足元に入ってしまい、意図せずヒールリフトのような感じになってしまってシュートに持ち込めませんでした。
後半33分、直後にアルナウトビッチにもカットインからのシュートというチャンスがあったのですが、最終ラインの最後方にいたコーディは振り切ったのですが、またもやパトリシオのビッグセーブに遭いました。
今度は顔面ブロックです。
後半40分、10分ぐらい前のカウンターを潰すプレーだと思うのですが、ベネットに出ていたイエローカードが表示されました。
後半43分、ヒメネスに代えて19歳のヴィナーグレの登場です。
左サイドアタッカーらしいので、確認していきたいと思います。
このままで終わりかと思われた後半47分、ついに先制点が入ります。
トラオーレの得点で、ウォルバーハンプトンの得点です。
決勝点になるであろう得点は、カルロス・サンチェスのミスからでした。
甘いキープをしていたところ、ネべスに張り付かれ、奪い獲られロングパス二回で、シュートまで撃たれ、決められてしまいました。
結果1-0でウォルバーハンプトンの勝利です。
前節もそうでしたが、今節も鬼気迫る ビッグセーブを連発したルイ・パトリシオなくして勝利はありませんでした。
見事な活躍ぶりでした。
そしてなんといっても、初勝利です。
2,3日は勝利に酔いしれても罰は当たらないと思います。
一方ウェストハムは屈辱の4連敗です。
やっていることは間違っていないと思いますし、ついていないだけだと思います。
少しづつチームも良くなっては来たのですが、監督交代も止む無しかもしれません。