プレミアリーグ第11節 ウェストハム vs バーンリー(11/4) 試合後感想
13位のウェストハムと、15位のバーンリーの対決になります。
ウェストハムは、ここ3試合は1分け2敗と、振るいません。
その前のユナイテッド戦には勝ち、その前のチェルシー戦にも引き分けるなど、強豪とも戦える潜在能力はあります。
しかしリーグ戦は、勝ち点を積み重ねることが大事なので、瞬間最大出力より平均出力の方が大事です。
今節はアルナウトビッチが帰ってきますし、1-0でいいので、勝てるように戦わなくてはなりません。
一方バーンリーは、ここ2試合、ポゼッション特化型のチームに大敗です。
シティとチェルシーは、バーンリーの肉弾戦も通用しない、という意味では特別なので、忘れるしかないと思います。
もう一回ずつ対戦がありますが、この2チームとの戦いに気をとられずに、他で勝ち点を計算すればいいのです。
リーグ戦は長期にわたるので、他に負けないよう、自分たちの強みを思い出して、戦いましょう。
共に負け続けでいいイメージは湧かないかもしれませんが、順位的にも、いい勝負になると思います。
勝った方が、上昇気流にのれるでしょう。
スタメンが発表されました。
ウェストハムは、左SBにクレスウェル、中盤にオビアングを使ってきましたね。
まだ若いですが、ヤヤ・トゥーレに似た、強靭な肉体と繊細な技術の融合したタイプです。
ノーブルの代役ですが、それに収まらない活躍を期待しています。
また、右ウイングには前節も起用した、ディアンガナです。
ヤルモレンコの居ぬ間に、レギュラーです。
アントニオが帰ってきたので、ここで活躍しないと、控えに降格しかねません。
若手のライス、ディオプ共々、しっかり実績を積み重ねてほしいです。
そのライスは、もうすっかりレギュラーですね。
さらにレベルを上げて、チームのレベルも一段階上げられる選手に成って欲しいです。
一方バーンリーは、前節と違い、前線はヴィドラとヴォ―クスのコンビです。
今日もラグビー寄りの、パワーフットボールを繰り広げてくれると思います。
中盤には前節と同じくデ・フールが入り、スピードとパワー寄りのこのチームに、技術を担保します。
前半6分、オビアングに対して、早速ミーが殺人タックルを見舞いました。
あたりませんでしたが、ターコフスキもアルナウトビッチに繰り出していましたね。
主審がカードを出さなかった以上、ウェストハムの選手は、これに慣れるしかありません。
前半9分、アルナウトビッチの得点で、ウェストハムが先制です。
ウェストウッドのバックパスの処理を誤ったターコフスキからボールをもぎ取り、アルナウトビッチがハートとの1対1を制しました。
事故に近いので、ターコフスキもあまり気にしないで進めるべきだと思います。
一方調子に乗って、アルナウトビッチは得点後にターコフスキを煽っていましたが、地が出てしまいましたね。
チンピラの性分なのでしょうが、ウェストハムはロンドンのクラブですし、この試合は世界中に発信しているものなので、問題ありです。
クラブの、ひいてはリーグの格にもかかわる問題なので、反省してもらいたいですね。
というか出場停止が怖いので、やめてもらいたいです。
性格を変える必要は無く、一時収めればいいのです。
また、こんなチンピラがこうしてプロになれるのが、ヨーロッパの懐の深さです。
そもそも偉大なストライカーは、一部を除いて、超絶自己中です。
自己中心的なのは、悪く言われることが多いですが、自己の幸せにまっすぐに、他を顧みずに邁進できるというのは、日本では貴重な才能です。
Jリーグも、見習うべきでしょう。
変に弾圧するから、明るくてわかりやすいナルシストが減り、頭のいい陰湿なサディストばかりになるのです。
どちらが良い悪いということは無いと思いますが、前者はストライカーとして大成できます。
前半23分、本当はチンピラのサバレタも、クレスウェルを突き飛ばしていました。
これで、フィジカルバトルは五分五分になってきました。
現状は技術の差で、ウェストハムが有利です。
前半31分には、ウェストウッドの致命的なパスミスから、フェリペ・アンデルソンのシュートが枠を捕らえましたね。
これを、ミーが戻りながらのジャンピングヘディングエビぞり状態を繰り出し、スーパークリアをしましたが、まだまだバーンリーのピンチが続きます。
前半34分、ディアンガナのエリア内へのアタックに、デフールがエリア内で倒してしまいましたが、PKにはなりませんでした。
これに抗議して、フェリペ・アンデルソンにイエローが出ました。
スローで見ると、ボールに行けてないので、完全にPKに見えました。
前半41分、エリアの外なので、ディアンガナをミーがぶっ飛ばしていましたね。
この、相手を破壊するのに一切の躊躇が無い感じが、バーンリーの本来の強さです。
アイデンティティのようなので、他の選手も思い出して欲しいです。
前半45分、スルーパスに抜けだしたグドムンドソンが、鮮やかな同点ゴールです。
流れの中から、左サイドに来ていました。
ウェストウッドのスルーパスも見事でしたが、ハートのロングキックも見事でした。
テイラーが残っていたので、オフサイドにはなりませんでした。
前半が終わりました。
当初想定したより、激しいフィジカルバトルになりましたね。
ターコフスキは守備技術やフィジカル能力でミーに勝りますが、ミーの方が精神力に勝るようです。
メンタルの強さで負けていては、バーンリーのフットボールでは勝ち目がありません。
ミーの力を借りてでも、立て直さなければなりません。
一方ウェストハムは、ロングボールを放り込まれると不利なので、もう少し地上戦で回せるよう、気を配る必要があります。
同点弾を生んだ、後方からのロングキックを減らすためです。
ボールは回せるので、できると思います。
後半9分、特に流れ関係なく、乱暴なミドルシュートが飛びました。
ハートでなければセーブできない、右上隅を突くシュートでした。
これも、アルナウトビッチの魅力です。
後半15分、オビアングに代えて、チチャリートの投入です。
より多彩な仕事ができるアルナウトビッチが、サイドに流れるようです。
ディアンガナとフェリペ・アンデルソンがやや攻めを自重しているので、4-4-2のようです。
後半18分、自由に動き始めたアルナウトビッチが、良いクロスを上げました。
これはミ―がクリアしましたが、チチャリートが詰めていました。
後半22分、フェリペ・アンデルソンのシュートで、ウェストハムが2点目、勝ち越しました。
アルナウトビッチ、ディアンガナと繋がり、最後はハートの股を抜く、技ありシュートでした。
この時ディアンガナに見舞ったスライディングタックルが遅れていたため、ターコフスキにイエローが出ました。
後半25分、エリア内で、チチャリートのシュートがターコフスキの右手に当たりましたが、こちらもPKにはなりませんでした。
ホームなのに、2度も見逃されています。
後半26分、ヴィドラとヴォ―クスに代えて、ウッドとバーンズの投入です。
分かりやすいくらいのロングボール戦術に切り替えてほしいのですが、ある程度運べてしまうこともあって、ゴール前でのグラウンダーのクロスも多いです。
後半30分、レノンに代えて、ブレイディです。
とにかくクロスを上げろ、という指示だと思います。
後半31分、ウッドのゴールで、バーンリーも2点目、追いつきました。
アルナウトビッチまでもが守備に参加していたのですが、CKをとられ、ブレイディのキックがぴったり合いましたね。
各所で潰しあいが発生したのですが、ゴールの危険なゾーンを担当していたバルビュエナが棒立ちになっていました。
ウッドにはグドムンドソンが付いていたのですが、高さで勝てるはずもありません。
マンマークとゾーンの併用で、これまで乗り切っていましたが、FW2人とCB2人には、付くべきでしたね。
この試合は、FWの人数は変わらなかったので、対応は変えずに済んだはずです。
コーチングはファビアンスキに任せて、バルビュエナはマンマークするべきでした。
後半34分、フェリペ・アンデルソンの惜しいシュートがありました。
右サイドのディアンガナから中央のアルナウトビッチに渡り、最後は左サイドのフェリペ・アンデルソンがインフロントキックで逆のサイドネットを狙いましたが、わずかにそれました。
できることなら、この三人で攻撃を完結させるのが、効率良さそうです。
後半38分、フェリペ・アンデルソンのシュートで、ウェストハムが得点、再び勝ち越しましたね。
中央のアルナウトビッチが、右のディアンガナとワンツーでエリア内を攻略、最後はフェリペ・アンデルソンに渡し、ミーの足に当たってコースが変わりながらのシュートになりました。
後半39分、ブレイディがサバレタを完全に抜ききってのクロスで、ウッドがヘディングシュートになり、クロスバーを叩く、惜しいシュートになりました。
後半40分、ディアンガナに代えて、アントニオの投入です。
ディアンガナは全く実績がないことから、すぐスタメンを取り返されてしまうのでないかと思っていました。
しかし今節の戦いぶりで、スタメンの座をがっちりキープしましたね。
後半41分、フェリペ・アンデルソンに抜かれて無理に止めてしまい、ロートンにイエローです。
疲れと焦りから、注意力も落ちてきているようです。
ここまで安定した守備を発揮してきた、ロートンにあるまじきミスです。
後半45分、アルナウトビッチの代えて、オグボンナの投入です。
後半46分、チチャリートのゴールで、ウェストハムが加点、4-2になりました。
フェリペ・アンデルソンの大きなサイドチェンジのパスも素晴らしかったのですが、アントニオの胸トラップが秀逸でしたね。
あれでは、ミーも対応しきれないと思います。
後半47分、得点後に試合再開を遅らせたとして、バーンズにイエローです。
あるいは、審判に対する暴言だったのかもしれません。
後半50分、ブレイディが、スノッドグラスに対して後方からスライディングタックルを見まい、イエローです。
結果4-2で、ウェストハムの勝利です。
最後まで白熱した、良い試合でした。
ウェストハムは、ディアンガナという新星の登場に沸き立ちましたね。
アルナウトビッチとフェリペアンデルソンとの3トップは、威力抜群です。
中位を脅かす存在になりそうです。
一方、バーンリーはいつも通りでしたが、結果だけが付いてきませんでした。
全部が強いのがプレミアの特徴でしたが、最近は二極化が進みます。
ポゼッション志向のチームが増え、それ以外のチームが淘汰されはじめているのです。
このままやれるのか、もう時代遅れなのか、岐路に立たされています。