プレミアリーグ 第1節 ボーンマス vs カーディフ(8/11) 試合後感想
自国リーグには加わらず、越境してイングランドのリーグ戦に参加しているウェールズのクラブが5つあります。
そのうちの一つであるカーディフと、リーグ最低クラスの戦力ながらパスサッカーを繰り出し、4年も残留し続けているボーンマスの試合になります。
カーディフは、戦力補強も全く上手くいかず、絶望的な戦力でプレミアリーグに挑むことになりました。
残念ではありますが、降格は決定的だと思います。
一方ボーンマスは少しだけ戦力補強ができました。
おもに世代交代を見据えたものになりますが、即戦力も欲しかったところです。
この試合の注目は、新加入のブルックスです。
21歳と若いですが、すでにウェールズ代表です。
この試合はウェールズ・ダービーという側面もありますね。
スタンドには、ライアン・ギグスも来ていました。
開始3分、いきなりカーディフの右SBペルティエがイエローカードをもらってしまいました。
プレミアリーグ最低身長163cmのフレイザーのドリブル突破を、強引に止めたためです。
この試合はボーンマスのホーム、バイタリティー・スタジアムで行われています。
このスタジアムは収容人数11,360人の、プレミアレベルでは格段に小さなものになるので、一体感を感じられるからなのか、試合当初からプレミア特有の激しくダイナミックな立ち上がりになっています。
カーディフはバンバのポジションが面白くなっています。
レスターのCB、モーガンのような体型ながら、リベロを務めているようです。
機動力は無さそうなので、繰り返されるトランジッションについてこれるか不安です。
カーディフで期待されているデイビッド・ブルックスは、トップ下で先発するとみられていましたが、右SHで出場となりました。
ドリブルはスピードこそそこまでありませんが、コース取りが素晴らしく、タッチ数も多いので中央でのドリブルが効果的に機能しています。
タイプ的には、エリクセンに似ていますね。
前半23分、フレイザーがゴール前に詰めて、ボーンマスが先制です。
フレイザーの縦パスからでしたが、ブルックスのフリーランもペルティエとベネット二人を引き付けることに成功していました。
自分がゴールを決めるのだという、強いパーソナリティも感じ取れました。
二人の若い攻撃的MFには、今後も目が離せません。
前半32分、ボーンマスにPKが与えられました。
ウィルソンのペナルティエリアへのドリブルに対してマンガが足をかけてしまったという判定なのですが、間違っていると思います。
プレミアリーグはVARを採用しないようなので不可能ですが、ケヴィン・フレンド主審にはスローを見て取り消してもらいたかったです。
これをウィルソン自身が外してしまったので、スコアは1-0のままでした。
カーディフ側には、フレイザーやブルックスのようなパーソナリティの持ち主が見当たりませんね。
フットボールは得点しなければ勝てません。
誰かがエゴを通す必要があるのです。
後半は、誰かに責任を取ってもらいたいです。
とはいえ、チーム全体としては、カーディフは体格のいい選手が多いので、モリソンのロングスローやラルスの左足のキックなどセットプレイにも、光明を見いだせそうです。
後半に入って、お互いにCKを取り合い、激しくボールが行き交う、前半以上にダイナミックな展開になりました。
これは互いに得点しようとしたために、生まれた展開です。
カーディフは負けているので当然ですが、ボーンマスも追加点を狙いにいきました。
次第に、カーディフにもチャンスがあることが分かると、ボーンマスはこれに付き合わないようになりました。
後半35分過ぎ、ゲームが落ち着いてきたころ、ボーンマスにチャンスが訪れます。
ゴールにこそなりませんでしたが、ゴズリングのノールックパスから生まれたシュートです。
ボーンマスは、遅攻でも攻められるところを見せました。
後半46分、途中出場したフランシスからウィルソンが得点です。
結局、2-0でボーンマスの勝利です。
今年も苦しまずに、プレミアリーグに残留できそうです。
カーディフは一生懸命戦ってくれたのですが、チャンスの数も少なく、その少ないチャンスをものにできるFWもいませんでした。
絶対的なクオリティの低さは如何ともしがたく、リーグ全体が混沌としてくることを期待するほかないかもしれません。
セットプレイには少しだけ可能性があったこと、能力の高いストライカーが入ればわからないので冬の市場にも期待です。