2018 FIFA W杯 Group B ポルトガル共和国 vs モロッコ王国 試合後感想
皆さん、ロナウドの時間ですよ。
お疲れのところ、申し訳ありませんが、起きてください笑
怪物級の活躍を期待しましょう。
モロッコは初戦すらオープンだったので、この試合は点の取り合いも期待できるゲームの予感がします。
また初戦イラン戦に敗れたことで、この試合ぜったいに勝たなければいけません。
より一層のパフォーマンスが求められますが、極限の緊張感は、奇跡のプレーを生むことに繋がります。
スペインポルトガル戦が、まさにそうでしたね。
最初から無理することは無いと思うので、勝負は後半だと思います。
お風呂に入るなら今の内ですよ笑
モロッコは最終予選でも使った、ほぼいつも通りのスタメンに戻してきました。
CBにサイスを使えないのは残念ですが、代わりに出場するダ・コスタに期待しましょう。
イラン戦では、このグループの草刈り場だとでも思ったのか、あるいは相手が固く守ってくると思ったのか、攻撃的にいっていました。
あれからどうするのかと思いましたが、一度リセットしましたね。
策士、策に溺れるといった印象があっただけに、残りの試合、慣れ親しんだメンバーの上に戦術を積み重ねるべきかもしれません。
ポルトガルは、マリオにしました。いい選択です。
我慢勝負なら、引き分けられないモロッコが先に動きます。
強めにプレスがかかる時間帯が、必ずあります。
そうなれば、地味かもしれませんが、マリオのキープ力が活きると思います。
~前半開始~
アムラバトの頭が黒くて、何よりびっくりしました。
完全に毛根が死んだ場合、髪が生える訳ないのです。
試合どころではないくらい動悸が激しくなっていたのですが、得点が入ってくれたことで落ち着きを取り戻せそうです。
前半4分、ポルトガルの得点でした。
またロナウドです。
ダ・コスタはやられてしまいましたね。
出し抜かれました。
ロナウドは、フィニッシュにしか顔を出さないのが、いいのかもしれません。
モロッコは、あまりシンプルにクロスを上げてきません。
前半11分のCKも、ファーサイドに流して、両SBの高さが無いところを突けています。
CBにもギャップが生まれることがあるので、地上戦を中心に、中央からもやれるかもしれません。
前半15分、アムラバトがヘッドギアをピッチ外に捨てましたね。
それでいい。
前半18分、漢らしいアムラバトのドリブルから、モロッコの猛攻が始まりました。
ここで点を獲れないと、苦しくなります。
中央では完全にモロッコがボールを持てています。
一方ポルトガルは、サイドでしかチャンスを作れなくなっています。
GKからのロングフィードもロナウドに届いていないので、チャンスに繋がりません。
前半25分の、ゲレイロのペナルティーエリアのプレーは、VARを使っても良かったかもしれません。
VARを使う=PK、ではないので、モロッコの選手の気持ちを整理させてあげるとよかったと思います。
後半29分のフォンテのブタイブに対するPKが妥当のファウルを流してしまったことも併せて、モロッコの選手たちは試合に集中できなくなってしまいました。
また急いで、プレッシングをする場面、守備の原則を見直した方がいいです。
走りすぎです。
前半46分のCKからのべルアンダのヘディングは惜しかったのですが、結果的には得点できなかったうえに、だいぶ体力を使ってしまいました。
このままでは、後半体力が尽きて何もできなくなります。
ルナール監督には、少なくても2点取るためのプランを明確に示して、選手たちを落ち着かせてほしいです。
ポルトガルの守備の弱点は、両CBに俊敏性が無いことです。
初戦も思ったのですが、ドリブラーのカルセラに、チャンスをあげてほしいです。
一方ポルトガルはマリオを入れた甲斐もなく、全くボールがキープできません。
ほとんどカウンターも作れないので、このままでは追加点は見込めません。
ボールが持てないなら、クアレスマかマルティンスをサイドにおいて、数少ないチャンスをドリブルで打開するしかなさそうです。
~後半開始~
後半2分にCKから、フォンテのヘディングがありましたね。
ディラルがついていたのですが、ダ・コスタといいブタイブといい、守備時の高さではだいぶポルトガルが優勢なようです。
セットプレイに持ち込まれるのは、危険です。
モロッコがボールを持てる展開なのと、ポルトガルがカウンターをやりたいということを加味すると、モロッコがボールを持ち続けて試合が殺されてしまうのを想像されるかもしれませんが、そうはなりません。
フォーメーションを見ていただければわかります。
モロッコの4-3-3は、より細分化すれば4-1-2-3になっています。
欧州の最先端では、2-3-2-3になっていくものです。
共通しているのは前線の人数です。
共に3トップなので、4バックには充分にプレスが掛かります。
違いは中盤の人数で、前者が1+2で3人、後者が3+2で5人です。
モロッコの状態は前者で、この試合でもそうですが、4バックの前の1人のアンカーの脇のアウトサイドを、ポルトガルに使われています。
ポルトガルはそもそもCBのボール回しが拙く、最終ラインで回すのも難しいです。
なので、モロッコのアンカーの脇にいる、マリオとシウバでキープしたいと目論んでいました。
しかしモロッコの2人の中盤の攻撃的な選手と両SBの挟み込みによって、それも難しくなっていました。
モロッコはポルトガルのキープを封じることはできていたのですが、自分たちのゲームメイクもままならない、緊張感のある膠着状態が続いていました。
後半13分、シウバに代わって、マルティンスが入りました。
この前後に、べルアンダとベナティアの惜しいシュートがあったので、先に動かざるを得なかったのだと思います。
後半25分、ブタイブに代えて、初戦スタメン出場したエル・カービの出場です。
既にチーム力は証明しました。
あとは決めるだけです。
モロッコは後半29分、ついにカルセラの登場です。
キッカーとしてジィエフは必要なので、べルアンダとの交代になりました。
結局1-0で、ポルトガルが勝利しました。
モロッコは、善戦しましたが、決定力に泣きましたね。
何度もチャンスはあっただけに、言い訳はできないと思います。
とはいえ、ヨーロッパチャンピオンを相手にゲームを支配できたことは、モロッコにとっても、アフリカにとっても大いなる前進だと思います。
胸を張って帰国してもらいたいと思います。
~試合終了~
引きずるようですが、前半のゲレイロのプレーについて、です。
たとえ主審はこのプレイはPKではない、とはっきりわかっても、雰囲気次第ではVARを採用する。
そして、短くてもいいのでしっかりと説明して、PKではないと選手たちに納得させる。
それができれば、前半のモロッコの混乱はなかったと思います。
そこには、審判の権威もありますし、モロッコのチームとしての経験不足からくるものでしょう、精神的な未熟さもありました。
今大会に限らず、W杯は98年以降2敗したらグループリーグ敗退が確定するので、2戦目は荒れるのです。
グループリーグ1戦目と決勝T以降は要らないですが、2戦目と3戦目だけは初出場国のためにも、まだプロ意識が高くないチームのためにも、審判側に歩み寄ってほしかったです。
審判の為に言っておきますが、前半のゲレイロのプレーは、PKではなかったと思います。
つまり、正しい判定だったと思います。
それでも何か、できなかったのでしょうか。
機械が判定すれば、正確にはなりますが、無味乾燥になる恐れがあります。
まだ人間がやっている割合が大きい今こそ、ピッチには人間味が、人間性が欲しかったです。
一方、ポルトガルは、MFとFWは全員使えましたね。
結果を出せたとは言えませんが、試運転は済ませることが出来たので、いい形で3戦目を迎えられそうです。