プレミアリーグ第4節 バーンリー vs マンチェスター・U(9/3) 試合後感想
ここまで1分2敗で、いまだ勝利は無いのですが、ELも終わりリーグ戦に集中できるようになったバーンリーと、1勝2敗で散々な出来に終始するユナイテッドとの対戦です。
バーンリーは良く戦っていますが、戦術的に進化したチームが増え、セットプレイによる得点も増えたので、質実剛健なだけでは難しくなってきています。
過密日程からは解放されたので、得意のハードワークを軸に、最新の戦術も学んで、表現できるようになってほしいと思います。
一方ユナイテッドは、少しづつ良くはなっています。
フレッジが馴染んできたことと、ルーク・ショーが好パフォーマンスを発揮していることが、少ないながら明るい材料です。
そのうちデ・ヘアが神がかり的なビッグセーブを繰り返して、優勝戦線に踏みとどまらせてくれることを祈りましょう。
昨年もその前のシーズンもそれでなんとかなったので、また起きるはずです。
乱調は一時的なものだと信じましょう。
それと、もはやディフェンス陣に、過度な期待は厳禁です。
攻撃陣のクオリティは素晴らしいものがあるので、それでなんとかする方向に舵を切って欲しいです。
スタメンが発表されました。
バーンリーはこれまで通り、4-4-1-1なのですが、右SBと左SHに変更がありました。
それぞれロートン、グドムンドソンではなくて、フィル・バーズリ―と18歳のドワイト・マクニールです。
ELは早期敗退したのですが、そのオリンピアコス戦で活躍したのがマクニールです。
ユナイテッドはフェライニとサンチェス、リンガードがスタメンです。
驚いたのですが、マタとぺレイラはベンチにも入っていませんでした。
これまでスタメンを務めてきたフレッジは控えです。
CBコンビは、スモーリングとリンデロフになりました。
前半8分、いきなりユナイテッドにチャンスがありました。
少しづつ押し込んで、ポグバの横パスからバレンシアのクロス、最後はリンガードのシュートでした。
これはジョー・ハートにとられましたが、押し込めています。
ここまで15分経ちましたが、予想された通り中盤をはじめとして、お互いの持ち味である激しいフィジカルバトルがあちこちで繰り広げられています。
それでいながらユナイテッドは攻撃陣を中心にミドルプレスをかけていて、バーンリーはワイドに開きながらも中央に侵入できています。
これまでユナイテッドの守備はゴール前で受け止めるものでしたが、それでは危険だという判断でしょう。
妥当な判断だと思いましたが、これがピンチを招きます。
前半18分、入れ替わるようにバーズリーがペナルティエリア付近までに侵入し、サンチェスがエリアギリギリでイエローカードはもらいましたが、無理やりではありますが止めることはできました。
SBにウイングの選手が自陣にまでついていく戦術は、モウリーニョらしくはありますが、彼らに解決させるのは危険です。
かつてインテルで指揮したときは、ウイングのエトーやパンデフは攻撃を遅らせるだけだったので、やれていました。
無理して止めるのは、個人の守備戦術に優れた専門のCBに任せるべきです。
しかし前半26分、ルカクのヘディングでユナイテッドが先制です。
押し込み切った中で、サンチェスのクロスがミーとテイラーの間に入り、ルカクはペナルティエリア内で、フリーで撃つことが出来ました。
高さのあるターコウスキが、マンマークで付くべきでした。
前半35分、サンチェスとルカクによるワンツーで決定機が生まれました。
ルカク、リンガード、サンチェスによる3対2が成立していたので、パス交換が上手くいっていれば、1点ものでした。
最後のルカクによるシュートを防いだ、ハートを褒めるべきでしょう。
前半43分、またもやルカクの得点でユナイテッドが追加点です。
ショーから始まった壁パスが、マティッチ、サンチェス、再びショーとつながり、横パスを受けたルカクが反転して後ろに戻した先にいたリンガードに戻しました。
彼のダブルタッチからのシュートがテイラーにあたり、こぼれたボールがたまたまルカクのところにこぼれたので、最後はルカクのハーフボレーのダイレクトシュートになりました。
1点目もそうだったのですが、ゴール前はややごちゃごちゃした展開になっています。
バーンリーは失点はしましたが、ディフェンス組織はしっかりしており、チャレンジ&カバーもはっきりしています。
それだけに攻略しやすくもあるのですが、いうほど簡単ではなかったはずです。
ユナイテッドの相手チームの分析担当スタッフと、それを遂行したユナイテッドの選手たちの優秀さに脱帽です。
とはいえ攻撃は縦パスが入るのと、マクニールが積極性が感じられるので、後半は期待したいです。
まだ試合は終わってはいません。
後半5分、マクニールにイエローです。
後方からリンガードの肩に手をかけてしまいました。
二回連続だったので、見逃してもらえませんでした。
後半11分、ヘンドリックに代えて、ヴォ―クスの投入です。
あまりいいクロスが放り込めてもいないのですが、基準点を増やしました。
得点するには、サイドでの戦いに勝たなければなりません。
トップ下のヘンドリックがサイドに流れてきて数的優位を築けていた部分もあったので、難しいミッションになりました。
後半15分、サンチェスに代えてラッシュフォードの投入です。
サンチェスは肝心の守備をサボりがちでした。
ラッシュフォードも得意ではありませんが、カウンターの威力をもってして、守備する機会自体を減らす算段です。
後半17分、マクニールが完全にフリーになり、左サイドからアーリークロスを蹴り、ゴール前で待つウッドに合わせました。
これはデ・ヘアに防がれましたが、その後もマクニールはフリーでプレーできています。
後半21分、ルカクのキープから、ショーのミドルシュートです。
これもハートがセーブです。
ハートはこの試合何点防いでいるのか分かりません。
後半22分、ラッシュフォードがペナルティエリアに仕掛けたところ、レノンに倒され、PKになりました。
レノンの足もボールに入ってなかったので、言い訳できないと思います。
後半23分、ポグバが第1節に続きスキップPKを蹴りましたが、ハートに完全に読まれ、セーブされました。
後半25分、ラッシュフォーにレッドカード、バーズリ―にイエローカードが出ました。
何が起きたのか分かりませんでしたが、まずはラッシュフォードのドリブル突破から始まりました。
それはCKになりましたが、その後バーズリーが座りながら近くに立っているラッシュフォードの足を払うように蹴って倒し、報復行為に出たラッシュフォードがバーズリ―に軽い頭突きを見舞いました。
バーズリ―の払い蹴りにお咎めなしは不自然なので、おそらく審判は確認できていなかったと思われます。
後半28分、ポグバからルカクにスルーパスが通り、ルカクの決定的な場面がありましたが、またしてもハートに防がれました。
後半29分、直後のカウンターの場面で、レノンをペナルティエリアギリギリ外で倒したことにより、ショーにイエローが出ました。
何にかは分かりませんでしたが、ルカクにもイエローが出ました。
CKからヴォ―クスにも決定機です。
ゴール正面でフリーになれましたが、ゴール上方にふかしてしまいました。
後半30分、リンガードに代えてエレーラの投入です。
2-0でリードしていますが、難しい展開なので、エレーラのようなベテランが頼りになります。
後半32分、またもスルーパスに抜けたルカクが決定機を迎え、ハートとの1対1を攻略したのですが、最後に追いついてきたミーにスライディングされました。
撃てずに終わるという、まさかの結末です。
後半35分、マクニールを下げて、バーンズを投入です。
マクニールはバーンリーにはいない、小柄で小回りの利く、オフザボールの優れた選手です。
キックも正確で、将来が楽しみです。
後半36分、カウンターからテイラーの精度の高いクロスを、バーンズがヘディングシュートです。
これはデ・ヘアに難なく防がれましたが、打点が高いながらも右下隅にたたきつける、素晴らしいシュートでした。
後半38分、ヴィドラの投入です。
後半45分、ヴィドラのヘディングシュートを、デ・ヘアがスーパーセーブです。
後半46分、ポグバに代えてバイリーの投入です。
結果2-0でユナイテッドが勝利しました。
ジョー・ハートさえいなければ3-0以上の結果を得られそうだったのですが、守備の不安定さで最後までヒヤヒヤする戦いになっていました。
ユナイテッドが用いたミドルプレスは、中盤のフィジカルの強さを最大限生かすので、正解だと思います。
あとはカウンターの精度を上げれば、結果的に守備力を上げられるでしょう。
一方バーンリーは、後半最後の方になってようやくクロスの精度が上がってきました。
これが最初からあればだいぶ楽だったと思います。
質実剛健なチームに突然現れた、現代型のテクニシャンであるマクニールをチーム力に組み込めれば、もっと強くなります。
良い戦いだったので、次も期待です。