プレミアリーグ第5節 ワトフォード vs マンチェスター・U(9/16) 試合後感想
4連勝とプレミアリーグを席巻しているワトフォードと、2勝2敗で苦しむ名門ユナイテッドの対決になります。
ワトフォードの躍進を、誰が予想したでしょうか。
リシャルリソンの売却益もあまり使わず、新戦力も多くはありませんでした。
そしてその新戦力も4人の内、活躍しているのはGKのフォスターただ一人です。
そもそも怪我人も多く、開幕前はスタメンの選択の余地はありませんでした。
にもかかわらず、まるでパズルのピースがはまるように、完璧なコンビネーションを奏でています。
現状は怪我人さえでなければ、どこと当たっても勝てる気がするくらいです。
不安定なユナイテッドなら、余裕だと思います。
なぜなら前節トッテナムを、ユナイテッドを3-0で下した相手を、力で押し潰せたからです。
一方ユナイテッドは、未だベストメンバーも見えてきません。
前節は、サンチェスが守備をサボるなどという、俄かには信じられない光景を目の当たりにしました。
2年前は、彼がプレミアリーグでナンバーワンの選手だと思っていました。
もともと、特別賢いわけでも、上手いわけでも、体力があるわけでも、得点力があるわけでもありません。
それでも、二桁得点を保障し、数多くアシストをするなどチャンスメイクまでし、中盤に降りてきてはゲームメイクにも参加するなど、仕事量は図抜けていました。
さらに前線からも相手守備陣に猛然と襲い掛かって、ファーストディフェンダーとはなにかを我々に見せるなど、闘争心にも目を見張るものがありました。
当時は、シルバよりも、デ・ブルイネよりも、カンテよりも、アザールよりも、エジルよりも、ケインよりも、エリクセンよりも、サラーよりも、フィルミーノよりも優秀だと確信していただけに、残念でしたね。
尽きないハングリー精神で、かつての姿を取り戻して欲しいです。
とはいえ、例えばシティのペップ監督も、自チームの選手がSNSにハマっているのに困っているように、今のユナイテッドの職場倫理も怪しいものです。
ポグバはじめ、プロ意識に欠ける選手の態度は、たとえ少数派であっても、受け入れてはなりません。
冬までにピッチ内外の闘争が終わりそうもないなら、マーケットで劇的な変化が必要になります。
CBと左SB一人などという、規模の小さいものではなく、ドラスティックな改革があってしかるべきかもしれません。
スタメンが発表されました。
ワトフォードは、いつも通りです。
ユナイテッドは、ヤングが左SBに入りましたね。
スタメンの変更はそのくらいで、控えにはマクトミネイ、ダルミアン、マルシャル、マタが入ってきました。
前半11分、ようやく初シュートになります。
ポグバのミドルでしたが、GKの正面に飛ぶ、可能性のないものでした。
ここまで、お互いにピッチを大きく使う、ダイナミックな戦いが展開されています。
前半15分、ドゥクレからの自陣後方からのロングパスを、ディーニーがエリアギリギリ外で胸トラップ、ぺレイラとのワンツーから、一度はフェライニにとられますが、ボールが跳ねたためすぐに取り返して、最後はディーニーのミドルシュートでフィニッシュです。
これをデ・ヘアが掌でなんとかスーパーセーブして事なきを得ましたが、入ったと確信しそうな決定機でした。
前半20分過ぎ、ワトフォードはボールを譲り、ユナイテッドがボールキープする流れになりました。
前半23分のCKでは、ボールが誰にも触れずに逆サイドに流れたのですが、フォスターが目算を誤って飛び出していて、ハイボールの処理に問題を抱えていることが判明してしまいました。
前半30分、デ・ヘアからのロングキックをルカクが落として、サンチェスがシュートまで持ち込みました。
彼らしい、守備を背中でブロックしながらゴール隅に蹴りこむ、いいシュートでしたが、正面からのシュートに対するセービングには定評のある、フォースターに弾かれました。
前半33分、カウンターから抜け出したリンガードを無理やり止め、キャプ―にイエローです。
前半34分、ルカクの得点で、ユナイテッドが先制です。
キャプ―のファウルから始まった一連のプレイは、直接FKをヤングが右のファーに蹴り、それを受けたフェライニのクロスがホレバスに当たって左に流れて、大外にいたエリア内のスモーリングが駆けあがってくるヤングに下げて、ダイレクトでのクロスを、ルカクが腹で押し込みました。
ごちゃごちゃしましたが、スローで確認したところ、オフサイドは無かったです。
この流れの中で、ホレバスがイエローをもらいました。
オフサイドだという抗議だと思います。
前半37分、スモーリングの得点で、ユナイテッドが追加点です。
ヤングのCKから、フェライニがドゥクレとの競り合いに勝って折り返し、スモーリングが胸トラップからバイシクル気味の打点の高い鮮やかなダイレクトシュートでした。
背中でブロックしながらだったので、背の低いヤンマートでは、どうしようもなかったと思います。
前半45分、ポグバのシュートは至近距離のものでしたが、フォスターがセーブしました。
ユナイテッドは望外の結果と内容で、後半に進みます。
一方ワトフォードは、選手間の距離が良くありません。
自慢の中盤の試合の構成力、展開力を発揮できていません。
変に遠慮しあって、出足も遅くなっています。
クロスの精度も、今日は良くないですね。
調子が悪い日もあります。
こういう日は控え選手の活躍に期待してしまいますが、どうでしょうか。
2点ビハインドなので、交代せずにいくのは、遅くても後半30分くらいまでだと思います。
後半4分、左サイドからサンチェスによる、恐ろしい精度とスピードのクロスがありましたね。
フォスターにカットされましたが、きちんと走りこんでいれば、1点です。
これが連発されるようなら、勝ち目がない気がします。
後半10分、ぺレイラがファウルを受け、ゴール前35mくらいの良い位置でFKを得ましたが、これを大きくゴール上方に蹴ってしまいます。
ぺレイラも絶不調のようです。
全体的に、キック精度の良い選手がいないことが、ワトフォードの今日の苦戦に繋がっていますね。
後半16分、グレイのCKをカバセレが合わせましたが、スモーリングに防がれました。
ワトフォードが得点するにはもう、セットプレイしかないような気がしてきました。
後半19分、目の覚めるようなグレイのシュートで、ワトフォードが得点、1点を返します。
まずヒューズ、ドゥクレ、ぺレイラと繋がったのですが、パスもズレていたり、ディフェンスに当たっていたりと、可能性を感じないポゼッションでした。
左アウトサイドでキープしたぺレイラから、2列目から飛び出したドゥクレに繋がり、エリアの外に下げたところにいたグレイにダイレクトに戻したところで、生まれたシュートでした。
結局は、持ち前の中盤のコンビネーションが、ものをいいましたね。
絶不調でもスタイルを変えないのが、正解なのかもしれません。
後半23分、ペナルティーアーク内でぺレイラがリンデロフに倒されましたが、何もなしです。
公正にみても、FKをとって良いと思いました。
それにしても、ホームアドバンテージをほとんど感じない、ここまでのジャッジです。
後半29分、狙いすましたドゥクレのミドルシュートも、大きく枠を外れました。
リーグ戦4試合で、ここまで素晴らしいプレイをしてきましたが、疲れもあるのかもしれません。
後半33分過ぎ、マルシャルとキコ・フェメニアがぬるっと入ってきました。
いつのまにかリンガードとヤンマートが見当たらないので、そういうことでしょう。
後半35分、バレンシアがイエローです。
後半37分、サンチェスに代えてマクトミネイ、ホレバスに代えてマジーナの投入です。
後半43分、キャスカートに代えてサクセスの投入です。
コンパクトに動けとモウリーニョ監督には怒られていましたが、マクトミネイとマルシャルは元気いっぱいダイナミックに動き回っていました。
後半44分、ようやくドゥクレのミドルシュートが、枠に飛びましたね。
遅きに失しましたが、難なく止めたデ・ヘア共々、やはりいい選手です。
後半46分、バレンシアに代えて、バイリーの投入です。
後半48分、ヒューズのドリブルを妨害してしまい、マティッチが2枚目のイエローで退場、次節ウォルバーハンプトン戦に出られません。
結果2-1で、ユナイテッドの勝利です。
ワトフォードの絶不調に助けられましたが、なんとか勝利できました。
内容は今後の課題です。
一方ワトフォードは、中盤のファンタスティック4が、完全に沈黙しましたね。
こんな日もあります。
後半終わりごろには調子を戻してきましたが、間に合いませんでした。
気にせずに、切り替えましょう。