Round of 16 クロアチア共和国 vs デンマーク王国 試合後感想
圧倒的にクロアチア優位とみられた対決ですが、そんな見立てが役に立たないことは、
開催国補正がかかったとはいえ、ついさっき証明されました。
この2チームは、中盤の支配力が肝です。
クロアチアはスペインと同じように繋ぎ倒したいのでしょうが、流れの中から得点できるほど、決定力はありません。
実はチームとして決められた得点パターンは、あまりないのです。
デンマークもまたチームとしての得点パターンは無いのですが、何かと一人で解決してくれる、エリクセンに前を向かせることができれば勝ちです。
しかし、シンプルに最終ラインからポストプレーをする以外、エリクセンにボールを届ける手があるのか、どうか。
行きつくところ、モドリッチが一人で決められるか、デンマークは高さを使えるか、になると思います。
~前半開始~
いきなりデンマークが先制しました。
素晴らしいロングスローです。
あんなものがあるとは、知りませんでした。
左SBクヌドセンは、左からのハイ・クロス要員で起用されたのかと思いました。
これから、対戦相手はこれを計算に入れなければなりません。
とんでもない隠し玉をもっていましたね。
そしてデンマークは、やはりというか、最初から空中戦を挑んできました。
まず確実に勝てるポイントだからです。
徹底していました。
ここまでは予定通りでしたが、クロアチアがすぐに追いつきました。
ラッキーな形だとは言え、マンジュキッチは素晴らしい反応でした。
失点直後、クロアチアは、なるべくリスクのあるパスを通そうとしていました。
本来の持ち味を思えば、これからは、もう少しボールを保持してもいいかもしれません。
しばらくして、序盤の見立てとは違う、中盤省略の様相を呈してきました。
デンマークが徐々に押してきました。
まず、ロングボールをことごとくものにできています。
WGに小柄で軽いシストではなく、大柄で体の強いブライスワイトを配置したため、3トップが全員空中戦に強いタイプになりました。
彼らが確実にポストプレーを成功するために、セカンドボールも拾えています。
モドリッチに比べ、エリクセンの方が相手ゴールに近い位置でプレイできているため、より有利に運べているようです。
一方、クロアチアはラキティッチが惜しいシュートが二本ありました。
逆にモドリッチがあまりボールに触れていません。
チームとしては、デンマークのエリクセン同様、モドリッチにもなるべく前でプレイしてほしいと要求しているようですが、彼はボランチも、多分リベロもできます。
彼には、最終ラインに下がってきてもいい(というか好きにしていい)というべきです。
選手交代、けが、失点等を含め、どんな展開になるにせよ、いい方向に進む気がします。
~後半開始~
デンマークは、3-4-3から4-3-3になりました。
先に手を打った格好です。
キープできるようにすら、なってきました。
一方、クロアチアの選手の動きが悪すぎます。
ボールを持ってから、味方を探しています。
今のままでは危ないです。
シストを入れられる前にいい流れを作れないと、このまま押し切られて失点します。
コバチッチが入って、散発的ですが、カウンターの形ができるようになってきました。
彼が負傷交代しなくて済んだので、クロアチアは可能性が残りました。
デンマークも攻撃の形が作れなくなってきたので、分からなくなってきました。
~延長前半開始~
延長になったら、もう一人入れられるのを、忘れてないでしょうか。
両チームとも、PK戦を覚悟する前に、まだできることはあります。
また、クロアチアの動きが鈍いのは、ピークをグループステージに持ってきてしまった、ということだと思います。
レアル・マドリーとリヴァプールの選手たちが、疲れていないわけがなかったのです。
それとこの試合に限って言えば、まさかの新キャラの登場がありました。
決勝Tに入ってから、シンデレラボーイの登場はあっても、完全新キャラの登場はW杯史上初めてだと思います。
どちらが勝っても、M.O.M.はそのクヌドセンにあげてほしいと思います。
~延長後半~
ようやくシストが入りました。
バデリも入りました。遅すぎます。
スーパーセーブ!シュマイケル。
PK戦にいかないかと思いましたが、いきますね。
ここまできたら、ワンマンチームを倒して、勝ち上がってしまえ、デンマーク!
~PK戦突入~
クロアチアが勝利しました。
共に素晴らしい動きをしたGKに感謝したいと思います。
終わってみれば、妥当なものでしたが、デンマークも素晴らしい戦いをしてくれました。
お疲れさまでした。