プレミアリーグ第5節 チェルシー vs カーディフ(9/15) 試合後感想
破竹の4連勝で優勝へ邁進するチェルシーと、2分2敗で苦しみながらも好勝負を繰り広げるカーディフとの戦いになります。
チェルシーは連勝を重ねていますが、そこまで順風満帆ではありません。
最終ラインは、マルコス・アロンソが何度も裏を獲られ、クロスを上げられ放題です。
しかもダビド・ルイスがスピードのあるクロスに弱く、ことごとく決定機につなげられていました。
ジョルジーニョに至っては戻るスピードが遅く、インサイドハーフを務めるようになって自陣ゴールから遠ざかったカンテは、全速力で戻らなければカウンターを防ぐこともままなりません。
守備力はビッグ3には遠く及びませんが、攻撃は別です。
アザール、ウィリアン、ペドロは役者が違います。
CFのジルーとモラタがいまだ大人しいのが気がかりですが、そのうち得点を量産し始めるでしょう。
攻撃力は、リーグ最強クラスといって間違いないと思います。
攻撃に振り切れたアンバランスなチームですが、今シーズンはCLが無いので、あまりレベルの高いチーム作りをする必要もありません。
優勝を目指すにあたっては、上位に勝ちきれなくても、下位で取りこぼしが無ければ充分です。
一方カーディフは、前節アーセナル戦は素晴らしい戦いぶりでした。
改善すべき点はありますが、選手も粒ぞろいで、魅力的なチームになっています。
新加入のカマラサ、アーター、ジョシュ・マーフィー、リードは必要不可欠な存在になっています。
前半の、リードのカウンターも惜しかったですね。
もう少しでした。
またこれまでいた選手も、一部リーグに慣れてきたのかパフォーマンスが上がってきました。
この試合も強豪相手になりますが、結果を期待したいと思います。
スタメンが発表されました。
チェルシーは、CFがついにジルーになりましたね。
カーディフは、マンガが右SBに入りました。
カニンガム、マーフィー、ゾホレは控えからになります。
前半5分、少しもたつきましたがチェルシーは最初の決定機を迎えます。
アスピリクエタのピンポイントクロスに、ジルーが合わせました。
ゴール上方に飛んでしまいましたが、惜しかったです。
これが合いだしてホットラインが出来てしまうと、モラタの立つ瀬もないのですが、彼には別の持ち味があり、サッリ流にはよりハマると思います。
とはいえまだまだ完成度も低いので、今はジルーの高さを単純に生かす戦い方でいきましょう。
これで勝てます。
前半8分、アザールの晒すようなボールキープから二人を引き付けてアロンソにパス、最後はグラウンダーのパスを受けたジルーのダイレクトシュートになりました。
これはふかしてしまいましたが、何度もカーディフゴールに迫っています。
前半11分、CKを得たカーディフにも、決定機が訪れます。
右のCKからロールズがいいキックを放ち、ゴール前のマンガにピンポイントであったのですが、ジャンプした彼は真下にたたきつけてしまいました。
おそらく彼は、ボールの軌道を視界にとらえることが出来なかったのだと思います。
とはいえフリーだったので、もどかしいですね。
逆にダビド・ルイスは、スペースを埋めるだけで、間近にいるバンバにも誰にもつけていませんでした。
チェルシーの守備は完全にゾーンで、大きい選手の多いカーディフ相手には危険な気がします。
後半15分、FKからバンバが得点、カーディフが先制です。
そもそもは、ロングカウンターの起点になるべくポストプレイしようとしたウォードをダビド・ルイスが倒してしまい、センターライン付近やや右側でFKを与えてしまったことが間接的な要因です。
このFKをロールズが蹴ったのですが、右から大外の左にいるモリソンに渡り、彼がヘディングで折り返し、また大外右にいるバンバの右足に届けました。
右から左、また右へと大きく振る展開でした。
チェルシーの問題は、モリソンと競り合ったのがアロンソで、バンバと競り合ったのがジョルジーニョだったということです。
二人とも小柄でもないですが、ヘディングは苦手で、190cmある大男たちとは競り合えません。
100%ゾーンでは、マッチアップで必ず勝てるところに放り込まれるだけです。
この試合中ではできないかもしれませんが、リーグ戦やELで強豪と当たる前に、修正が必要です。
前半16分にもいいプレイです。
ペドロ、ジルー、コバチッチとワンタッチでつなぎ、ゴール前でシュートまで持ち込みました。
共にエザリッジに弾かれましたが、取られても取り返せるのが、今のチェルシーだと思います。
またも後半19分、アザール、ペドロ、ジルーとつなぎ、フィニッシュに繋がりました。
バンバのブロックによって枠には蹴れませんでしたが、エリア内でのシュートは増えているので、そのうち決まりそうな気がします。
前半23分、ペドロが個人技でフィニッシュです。
エリア内で左足で巻くようなインフロントシュートでした。
利き足でもないのですが、わずかに枠を逸れるだけという、大変惜しいシュートでした。
カーディフからすれば入られすぎなので、いったん自陣まで戻ってコンパクトに守るべきだと思います。
ボランチがいつでも最終ラインのカバーにいけるよう、両サイドと2トップがプレスにいかないと耐え切れなさそうです。
前半27分、チェルシー陣内でロングボールをウォードが収めようとして、リュディガーのファウルを誘いました。
既に1点リードしていますが、虎視眈々と2点目を狙っているようです。
前半30分、アザールが魅惑のドリブルで、アーターからファウルを誘発、FKを奪います。
エリアギリギリ外だったので、アロンソのFKは大きく枠を逸れましたが、カーディフゴール前での危険なプレーが続きます。
リュディガーからの縦パスだったのですが、ジルーがダイレクトで横パス、これを受けたアザールがダブルタッチでベネットを躱し、エリアに入った瞬間にファーのサイドネットめがけて右足を振りぬきました。
ベネットも充分にプレッシャーはかけていたのですが、アザールのドリブルが秀逸でしたね。
役者が違いました。
前半42分、再びアザールの得点で、チェルシーが勝ち越しました。
アロンソの力強いドリブルからアウトサイドにいるペドロにパス、そこからグラウンダーのクロスがマンガの股下を抜け、ジルーのダイレクトの折り返しからアザールがエリア内もっとも密集したところで冷静に空いているところに流し込みました。
パス交換も素晴らしかったのですが、最後のアザールのフィニッシュが圧巻ですね。
最後バンバに当たって少しコースが変わっているのですが、当たらなくてもファーサイドに入っているので、問題なかったです。
前半44分、カーディフがFKを獲得して、またフリーでモリソンがヘディング出来ました。
セットプレイなら、カーディフも十分可能性があります。
決してあきらめる必要はないので、これ以上失点しないように祈りながら後半を戦いたいと思います。
いずれバロンドールを獲るであろう、アザールに好きなようにやられるとどうしようもないので、失点は防ぎようはありません。
取られる以上に取るしかありません。
チェルシーが時間を潰しにかからないよう、後半開始は襲い掛かるふりも必要ですね。
ここまでリードのスピードを活かせてないので、裏に抜けだすプレーが効くと思います。
後半開始直後、アーターが前半終了間際に頭を痛めたため、ジャズ・リチャーズとの交代になりました。
リチャーズは本来右SBなのですが右のSHに入って、カマラサがボランチに入るようです。
チェルシーはアザール、ペドロ、ジルーの三人でカウンターが成立するので、相手を自陣に引き付けて戦うようになりました。
それに伴いカーディフは右サイドを起点に、コンビネーションで崩すようになりました。
後半4分、コバチッチに代えて、バークリーの投入です。
後半5分、チャンスには繋がりませんでしたが、スローインからモリソンの矢のようなロングスローがありました。
非常に強力な武器なのですが、モリソンには強力なヘディングがあるので、受け手にもなってもらいたいところです。
ゾホレが入れば、モリソンは出し手に徹することが出来そうなので、CK、FKだけでなく、サイドからのスローインでもチャンスになることが分かってきました。
後半16分、後半最初のシュートはペドロでした。
ここからたて続けに2本打ちましたが、全て枠にはいきませんでした。
どれも高い技術のなせる業なのですが、アザールとの違いはゴールへの積極性でしょうか。
後半22分、ペドロに代えて、ウィリアンの投入です。
後半24分、リードに代えて、ぺイターソンの投入です。
おそらくカマラサがボランチに下がり、ぺイターソンがトップ下に入ると思います。
後半はチェルシーがずっとポゼッションする流れです。
カーディフにもチャンスが無いこともないのですが、めったに訪れないうえ、良い距離感を保てないために、数本のパスしかをつなげず、またすぐにインターセプトされてしまいます。
カーディフに効果的なパスが無いのは、チェルシーの選手が、背中で相手をマークし、パスコースを消す動きが出来ている為でもあります。
一流の選手の証です。
これをW杯で完璧に遂行したのは、日本代表では香川と乾しかいませんでした。
後半31分、ウォードに代えて、メイダインの投入です。
後半33分、キラーパスに反応してエリア内に走りこんできたウィリアンをバンバが倒してしまい、PKになりました。
後半34分、これをアザールが決め、チェルシーが加点、3-1になりました。
後半37分、ウィリアンの得点で、4-1です。
アロンソのクロスがロールズの右の踵に当たり、いい感じにウィリアンの足元の落ちました。
エリアギリギリ外からのシュートになりましたが、ゴールの高右上隅に突き刺さる見事なシュートになりました。
後半38分、アザールに代えて、ザッパコスタの投入です。
後半41分、マーフィーのクロスから、ぺイターソンがヘディングシュートです。
これはケパのスーパーセーブによって防がれましたが、チェルシーの選手の足が止まってきたので、確実なチャンスが作れるようになってきました。
結果4-1で、チェルシーが勝利しました。
アザールが格の違う活躍を見せたのが、印象的でしたね。
後半はセットプレイでも隙がありませんでした。
強豪との対決でしか、このチームの真価は測れない気がします。
一方カーディフの選手もよくやっていましたが、それぞれの選手が持っている良さをあまり出すことができませんでした。
これはもう相手のチーム力が上だったと、割り切って忘れましょう。
内容が悪くないのに結果が伴わないのはつらいですが、初勝利に向けて戦うしかありません。