サッカー素人haroの英国イングランド、プレミアリーグ観戦記

サッカー素人の地方在住のおっさんが、自分がただワールドカップを楽しむために始めたブログです。もっと理解できるようになりたいので、サッカーの詳しい方、そうでない方もコメントよろしくお願いします。

Round of 16 ブラジル連邦共和国 vs メキシコ合衆国 試合後感想

メキシコは、80年代のブラジルを思わせるチームです。

サイズには恵まれないものの、前線の選手たちは足元の技術が高く、自分たちより相手に走らせるということを、当たり前のように行っています。

上手さを正しく生かしている、と言ったらいいでしょうか。

フットボールに関してとても詳しく、良くも悪くも賢い印象です。

おそらく、個々人そして集団での問題解決能力が高いのでしょう。

そもそも、何か問題が発生したとき、それを解決するには、そのときどきの正解を知るより、正解を導き出す能力を高めた方が、その後の問題発生は少なくなります。

というのも、多くの状況が想定されるとき、数多の正解をひとつひとつ知っている憶えていてそれを思い出すことをするより、たった一つであっても、正解を導き出せる能力を磨いた方が、結果間違えにくくなるのです。

応用が利くし、じつは身に付けるのが楽だという側面もあります。

彼らメキシコ人フットボーラーは、日本人と上手さではあまり変わりないかもしれませんが、確実に、より強いといえます。

その日本人フットボーラーは、監督に指示されたことは忠実に行えるものの、状況に合わせて、臨機応変に自分たちで決断できないといわれています。

これは外部の評価であるだけでなく、(額面通りに受け取るなら、という注釈付きになりますが)OBである中田英寿さんや現役の長谷部誠さんも言っていたので、もはや事実として受け止めるべきでしょう。

それを改善するためにかつて招聘されたのが、メキシコ人監督のハビエル・アギーレでした。

いまだ日本人が苦労している、自分たちで考え、判断するということ。

メキシコは、難しい戦いに臨みます。

日本人にとっても、多くを学べる一戦になると思います。

~前半開始~

マルケスを使ってきました。

メキシコは延長戦は考えてないのかもしれません。

少なくても、スタミナ配分という意味では、良策とは言えません。

彼のゲームメイク能力に期待して、というより精神的支柱としての役割だと思います。

今大会初めて、相手に「されたくないポゼッション」をされます。

それに動揺せず、僅差での勝利、神経戦をものにするための存在と言えます。

しばらくして、メキシコの奇策がそれだけではないことが判ってきました。

FW陣がスタミナが豊富ではないのにも関わらず、猛然と連動したハイ・プレスを仕掛けています。 

体力をかなり消耗する戦い方なので、後々自分たちの首を絞めかねないのですが、先制点を奪うのに、最適なようです。

いくつかのプレイは機能していたのですが、結果的には、ぎりぎりで防がれてしまいました。

メキシコも、GKオチョアが活躍しなければならない場面が何回かあったので、どっちの転ぶかわからない前半だったといえます。

マルケスがいつまでもつか、メキシコにそのあとのプランはあるのか、注目です。

~後半開始~

まさかのマルケスのHT交代です。

とはいえ、彼が動けなくなって穴になる前に、交代させておくのは合理的な判断だと思います。

新しい布陣を敷いて、またブラジルに対応を強いることができます。

0対0で終盤まで行ければ、チャンスがあるのではないでしょうか。

といっていたら、ブラジル先制です。

綺麗な崩しでした。

ネイマールは今大会最高のキレがあり、ウィリアンは攻守に二人分の活躍です。

さらにメキシコは、前線にスルーパスを出せるジョナタン・ドス・サントス、高さのあるヘディング持ちのラウール・ヒメネスを立て続けに投入してきました。

ブラジルは中央からのスルーパスかサイドからのクロス、どちらを守るのでしょうか。

しばらく見ていたのですが、ブラジルは相変わらず真ん中を守っています。

どっちつかずの守備になることも考えられたのですが、クロスは跳ね返せるという自信があるのでしょう。

事実問題はありませんでした。

逆にメキシコには問題がありました。

ジョナタンを最終ラインで使っていることです。

彼をトップ下に置いた、3-4-3にするのかと思いました。

そうなれば、中央とサイド両面から攻めが可能でした。

もちろん彼を前で使うことによって、守備力は低下しますが、何点取られようがもはや関係ないのです。

結果、ブラジルが危なげなく勝利しました。

メキシコは最後の最後で奇策を捨てたのが、敗因だと思います。

フェルナンジーニョを投入されたとき、打てる手は残されていませんでした。

点差以上の差があったと、メキシコの選手は感じるでしょう。

失望感もあると思います。

また、ベスト16止まりかと。

正直、奇策を採用しても、勝てるかどうかは分かりませんでした。

とはいえ、最後真っ向勝負させることで、メキシコの監督は選手に気持ちの整理をさせてあげたように思えました。

これは将来の日本の姿なのか、違うのか。

最後の1分まで戦うのが、日本流だそうです。

2時間後、是非歴史を塗り替えてほしいと思います。