2018 FIFA W杯 Group C フランス共和国 vs ペルー共和国 試合後感想
フランスは、両サイドの守備がネックでしたね。
攻撃は最大の防御という布陣でしたが、危なっかしくてオーストラリアにすら通用しませんでした。
彼自身のパフォーマンスに問題があったわけではありませんが、今大会デンべレの出番は、もうないかもしれません。
バランスの問題ですが、ラカゼットを連れてこなかったのが惜しまれます。
グループリーグでは、さして問題視されないでしょうが、守備も整備し直しが必要です。
ペルーはアキノが出場できるといいですね。
~前半開始~
フランスは守備の不安を、マテュイディで解消してきましたね。
中盤の左サイドに配置しました。
さらに、ムバッペを中盤の右サイドに入れた、シンプルな4-4-2にしてきました。
ジルーもスタミナが無い割に守備には献身的なので、機能しそうです。
トリッソも悪くなかったのですが、ダブルボランチの方が、カンテは仕事がしやすそうです。
また攻撃においては、フランスは左サイドにマテュイディが入ったので、彼の守備力とエムバぺのスピードを活かす形である、左で守って右にロングパスを出す形が理想形になりそうです。
パバールも攻撃を自重しているようで、今大会のフランスの理想形が見えてきました。
98年の時もそうですが、左右非対称なのが良いようです。
ペルーはアキノを入れて、中盤を5枚にしてきました。
最大の武器である、中盤のパスワーク。
これがフランスに通用するかどうか分かりませんが、これのみ磨き上げてきた以上、心中するしかありません。
また、フランスの右サイドのエムバぺの守備が怪しいので、そこから攻めることが出来そうです。
前半11分には、フランスの初シュートがありました。
グリエーズマンのシュートは枠には飛びませんでしたが、ロシア並みに運動量と、それ以上の切れがありました。
その直後のポグバのシュートにも、同じ印象を受けました。
さらに前半14分のCKでは、バランのヘディングシュートがありました。
枠には飛びませんでしたが、マークに付くべき人には付けていてなお打たれているので、これ以上は守りようがありません。
CKを取られるだけで危ないことが、分かってしまいました。
ペルーはボールを持たないといけないのですが、カウンターを受けないように気を付けなければなりません。
前半30分のゲレーロのシュートは、枠には飛びませんでしたが、決定的でしたね。
一瞬マークを外すだけという、ベテランならではの技が凝縮されたシュートでした。
あとは入れるだけです。
しかし次第に、流れがフランスに傾きます。
カンテがことごとく、ボール奪取してしまうからです。
彼だけでなくチームとしてパスの出し先を制限しているのですが、彼は一人でも相手からもぎ取りまくっています。
前半33分、先制点がフランスに入りました。
ポグバのインターセプトから、最後はエムバぺが押し込みました。
ワールドカップらしからぬ、ぽっかりスペースが生じがちなペルーには、もっと攻撃に積極的になってほしいです。
ホントは守備を整備してほしいのですが、いまさらです。
前半30分の、ボール支配してからの、左のグラウンダーからのゲレーロのシュートには大きな可能性を感じました。
アーリークロスなど別の攻めで意識を散らしてから、もう一度やって欲しいです。
前半42分のフランスの猛攻は、見ごたえがありましたね。
グリエーズマンの技術がいかんなく発揮されました。
前線の決定力でも、中盤の支配力でも差がはっきりしてきつつあります。
前半はのうちは、フランスはカウンターで追加点を、ペルーは中盤を支配して、同点に追いつくのを期待していました。
しかし、ペルーはこのままではどうにもなりません。
負けていることもあるので、先に何か手を打たなくてはいけません。
時間との戦いになりそうです。
~後半開始~
HTに、ペルーは2人の選手交代をしました。
ヨトュンに代えてファルファン、ロドリゲスに代えてサンタマリアです。
ヨトュンがいなくなるのは危険ですが、得点しなければ勝てません。
ファルファンに期待です。
サンタマリアは高さ対策です。
もう一点取られたら終わりなので、セットプレイの守備にテコ入れをしました。
4-2-3-1に見えますが、4-1-4-1を見込んでいると思います。
アキノのミドルシュート自体は素晴らしかったですが、こんな形の攻撃では、得点できる見込みは薄い気がします。
後半15分、アドビンクラのオーバーラップを使ってきました。
フィニッシュには繋がりませんでしたが、良い崩しでした。
得点できるかは分かりませんが、セットプレイ以外での唯一の形です。
しかもCKに繋がりそうな攻めなので、これを続けるしかありません。
後半28分、また迫力のある怒涛の攻めでした。
しかし、決定力に悩み続けましたね。
一方フランスは勝っているので、当たり前ですが、無理して攻めてきません。
計画的に連動プレスをして、ロングボールを蹴るように仕向けることさえできれば、リスクは少なくなります。
後半30分、エムバぺに代わって、デンべレの投入です。
あとはフレッシュな途中出場の選手が、個人技中心の攻撃で時間を潰してくれれば、ほぼリスクは無くなるといっても、過言ではありません。
デンべレならカウンターもあるので、ペルーの攻撃を抑制する効果も高いです。
とはいえ、ペルーが勝つためには、誰かが個人技でプレスを外さなければいけません。
単純なスルーパス、クロスでは、受け手が捕まってしまっているので、苦しいです。
ボールの持ち手が、ドリブルして外す。
受け手がパスコースをつくって、ワンツーして外す、などしなければなりません。
最後の意地を見せてほしいです。
後半36分、クエバに代わってルイディアスが出てきました。
最後のチャンスに、望みを託します。
~試合終了~
結局1-0で、フランスが勝利しました。
フランスは余力を残して、グループリーグ突破を決めてしまいましたね。
第3戦は、控え選手で臨むと思います。
真剣勝負は、決勝トーナメント以降に持ち越されました。
一方、ペルーは魅力的なチームでしたが、まだW杯は早かったようです。
決定力と受け止めきる守備力、その両方が欠けていました。
しかし、前述したように仕掛ける意思があれば、どうだったか分かりません。
大量失点で負けても、可能性が無くなることに変わりません。
負け方は、自分たちで選べるのです。
しばらくはショックでしょうが、4年後に向けて、次のステップに進んでほしいです。