2018 FIFA W杯 Group A ウルグアイ東方共和国 vs ロシア連邦 試合後感想
1位通過はどちらになるか、ウルグアイとロシアの注目の一戦です。
ウルグアイはこの試合を前にグループリーグ通過を決めることが出来たので、開催国と対戦し勝たなければいけない、というストレスを回避することが出来ました。
ロシアも通過を決めることが出来たので、このグループ最大のライバルと目されたウルグアイと真っ向勝負をしなくて済みました。
両国とも、スタメン選手の疲労回復も兼ねて控え選手を使っていきたいところです。
決勝トーナメント以降は、疲労や状況の変化その他戦術的な理由で、控え選手の活躍が必須になってくるので、この試合での活躍も期待されます。
グループAはグループBより先に試合が終わるので、決勝トーナメント初戦の相手を選ぶ選択権がありません。
先に試合を消化できるので、休息日が一日多かったり、休息時間が長かったりというメリットはありますが、逆に対戦相手を選べないというデメリットもあるのです。
ガス抜きも必要です。
何も考えずに、親善試合のように、のびのび戦って欲しいです。
ウルグアイは、あまりスタメンを変えてきませんでしたね。
CBにコアテスを起用してきたくらいで、FWもGKも変化はありませんでした。
カバー二とスアレスだけではゴールをこじ開けられない時、ムスレラが絶不調になってしまった時の備えはしないようです。
ロシアは両SB含め、より大胆にメンバーを変えてきた印象です。
クドリャショフには安定したプレーが、初出場のスモル二コフには高精度のクロスをはじめとした攻撃力が期待されます。
アントン・ミランチュクも初出場です。
ジャゴエフが怪我してしまったので、得点力のあるトップ下の選手として、楽しみです。
~前半開始~
ウルグアイは、現地の予想では3バックの予想でしたが、結局4バックでした。
中盤と前線の高さでは勝てないので、どのようにビルドアップするのか、興味深いです。
前半5分くらい経った時点で、中盤の展開力では、ロシア得意のデュエル勝負に持ち込まれて上手くいかないことが分かってきました。
サウジアラビアと同じ構図です。
しかしウルグアイには、ものすごく決定力のあるFWが二人います。
流れを無視した得点のに、期待できるはずです。
前半10分、ウルグアイが得点です。
スアレスの意表を突いたFKでした。
いきなり先制してしまいましたね。
先制されてしまったロシアですが、前半12分に狙いの形が出来ます。
GKからのロングボールを、直接ジュバに当てて、その落としを二列目の選手が決める形です。
ジュバは中央で受ける形もあるのですが、この時のようにサイドに張り出せば、ゴールからは離れてしまいますが、SBとの高さのミスマッチで確実にマイボールにできます。
主審のディジューさんは、選手に注意することは多い方ですが、カードを提示することは少ない審判です。
フィジカルを活かしたプレーが、猛威を振るいそうです。
ウルグアイとしては、味方SBに対してボランチのサポートを多めにした方が良さそうです。
前半16分のロシアのCKに対するウルグアイの守備は、おかしかったですね。
ジュバにトレイラがついていました。
彼は167cmしかない一方展開力があるので、担当エリアは、ペナルティエリアの外にするべきです。
ウルグアイのビルドアップですが、2トップが下がったり幅をとって、引き出すようです。
2トップの万能性を活かした、最も自然な形です。
初戦はスアレスだけが、二戦目はスアレスが暑さにやられていたので、カバー二だけがやっていました。
前半23分、ウルグアイの追加点です。
ラクサールの見事なシュートです。
しかし、今大会活躍していたチェリシェフのオウンゴールになったようです。
前半27分にも危険なプレイがありましたね。
ロシアのGK、アキンフェエフの緩慢なプレイが呼び込んだものです。
とはいえ、ウルグアイはダイナミックな攻撃が奏功している印象です。
戦術的には機能しているとは言えませんが、本来持っている上手さが少しずつ顔を覗かせてきました。
受け止めて、カウンターが上手くいっています。
と言っていたら、ロシアはスモル二コフが退場です。
何度かサメオフを追い越す動きは見せていたのですが、持ち味を出す前に二枚目をもらってしまいました。
彼にとっては、苦いW杯デビュー戦になってしまいました。
巻き返せるチャンスがあることを祈ります。
仕方ないのでフェルナンデスを、やはり一枚もらっているチェリシェフに代えて投入です。
彼はオウンゴールもあったので、雰囲気は良くないですね。
~後半開始~
一人少なくなってしまったこともあり、前半40分過ぎからずっと、ウルグアイが一方的にボールキープする展開になりました。
これを改善するためにロシアは、守備的なガジンスキ―に代えて万能型のクジャエフを入れて、やや攻撃的にきました。
ウルグアイはカウンターが強力なので、もっとロシアにボールを持たせたいところだったので、好都合です。
互いに得点をとりにいったので、ところどころにスペースのある、オープンな展開になってきました。
後半9分のナンデスが地面にうつ伏せになって、魚のように跳ねながらヘディングしてボールをキープしようとするプレーは、技巧派のドリブラーがやるプレーじゃないですね。
あれはガットゥーゾがやるものです。
ウルグアイは、控え選手も気迫を見せてきました。
後半15分、ミランチュクが交代です。
彼も持ち味が出せませんでしたね。
代わりにスモロフが入ってきましたが、ジュバにはゴディンが徹底的にマークしています。
エジプトのガブルのように離してしまうこともなく、完璧に張り付いています。
カバーニに対するイグナシェビッチのマークも素晴らしく、マンマークとはこうするのだといわんばかりでした。
後半41分のアラスカエタのCKは枠に飛んでいました。
これは今まで無かった武器なので、今後威力を発揮しそうです。
後半分、ウルグアイに追加点、三点目です。
カバー二がついに、今大会初得点です。
スアレスもそうですが、得点王を狙える選手なので、大会が盛り上がりますね。
よくみると、カバー二にアシストする形になった、ゴディンと競り合ったのはジュバで、オフサイドをとれなかったのはスモロフのせいでした。
共にFWでは、守備では計算しにくいので、仕方ないと割り切った方がいいかもしれません。
~試合終了~
ロシアにとっては、 控え選手があまり活躍しない、収穫の少ない試合になってしまいました。
やはり10人になってしまったのが、痛かったです。
とはいえ、怪我や出場停止選手が出ることの方が怖かったので(スモル二コフ、クドリャショフは控えなので許容範囲)、良しとするしかないのでしょう。
次の相手は、スペインかポルトガル。
最後の試合かもしれない、ベスト16も魅せてほしいです。
実は2位通過の方が休みが一日多いので、しっかりリフレッシュして、2戦までの、のびのびとした戦いをしてほしいです。
一方で、ウルグアイも芳しくなかったです。
FWとGKの控えは、計算できないままでした。
この試合ようやくウルグアイらしい戦いができたと思うのですが、中盤の展開力の差が顕著にでるスペイン戦では、それを封じられてしまうかもしれません。
ポルトガルと当たりたいですが、どうなるでしょうか。